頚椎症性神経根症の原因と治療法を解説
16号整形外科院長であり山田朱織枕研究所代表の山田朱織(やまだしゅおり)が解説します。
普段から診察室で患者様にお伝えしていることをできるだけそのままお伝えします。
今回は頚椎症性神経根症の原因と治療法を解説したいと思います。
目次
頚椎症というのは頚椎という首の骨などの首のつくりを指していて、首の神経の根っこの部分の神経根というところに症状が出ている場合、頚椎症性神経根症と呼びます。
この病態、どのような症状が出てどのような治療をしなければいけないのか、その中でも取り分けやってはいけない姿勢についてお話をしていきたいと思います。
神経根症と診断された方はもちろん必見ですが、診断をされてない方でも片側の首から手にかけてしびれや痛み、重だるさなどの症状が出ている方は是非今回のお話を参考になさってください。
頚椎症性神経根症に良くない姿勢
例えば目薬を点す時や何か上の物を取ろうとする時の首を後ろに傾けて手を上げるような姿勢です。
またうがいをする時の首を振る時の動作で、首にかかる負担によって誘発されて症状が出る場合もありますので注意が必要です。
頚椎症性神経根症の背景にある病気
様々な病態で起こるんですが中でも多い2つの病気があります。
変形性頚椎症で頚椎症性神経根症が起こっている
加齢と共に骨の質が悪くなっていき、骨に棘ができる病気です。
骨がだんだん形が悪くなって変形して一部棘ができたところを骨棘と言います。
その骨棘が神経を直接刺激してしまって、片側の手の障害が出るということが起こります。
神経には枝のように伸びていてそれぞれ番号がついています。
何番が悪くなるとどこに症状が出るというのが決まっているんです。
例えば6番神経が圧迫されると肩から腕にかけて障害が出ます。
一つ下7番だと今度は手先の方まで障害が出ます。
痛みやしびれであったり、脱力感というようなことが起こってしまいます。
高齢者の方に多いですが実は50代ぐらいからもう骨の変形は始まっていくと言われています。
今や人生80~90歳まで生きれるわけですから、30~40年の間首の中に変形が起こった状態で過ごしていくということになります。
その間に神経根症状が出ることも十分考えられます。
頚椎椎間板ヘルニアで頚椎症性神経根症が起こっている
頚椎椎間板ヘルニアも片側の症状が出やすいという特徴があります。
骨と骨の間には椎間板という軟骨のありますが、椎間板そのものが後ろに飛び出して神経を圧迫する病気です。
こちらも変形性頚椎症と同様に、何番の神経を圧迫しているかでそれぞれの肩や腕や手などに症状が出てくるわけです。
骨棘によって起こる症状、もしくは椎間板の障害による神経の圧迫、いずれも神経の根元の根症状を出すわけです。
頚椎症性神経根症の治療の選択肢
頚椎椎間板ヘルニアや変形性頚椎症によって起こる神経根症に対してどのような治療をしなければいけないかというと5つあります。
1、首の安静
頚椎カラーや首枕を使って首を安全に保つこと。
2、鎮痛剤などの内服薬
あまりひどい場合は神経を回復させる末梢神経の改善薬を使う。
3、注射・点滴
内服薬でも良くない場合はブロック注射や点滴療法を行います。
4、リハビリテーション
良い姿勢を身につけて神経根症を軽くするということも重要です。
5、手術
もし手の症状だけではなく足がしびれたり足が前にうまく運ばなくなってつまずいたり、もっとひどいとおしっこや便の出が悪くなってしまうというような障害まで出ると保存的治療と言って手術療法が必要になってくるケースもあります。
いずれにしても早く気づいて早く治療することがとても大事です。
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「やってはいけないことを解説」
頚椎症性神経根症の患者様がやってはいけないこと、
頚椎症性神経根症の悪条件
NGなことについてお話したいと思います。
悪い方の条件を知ることで、
それを回避して予防してあげればいいわけです。
頚椎症性神経根症の患者様におすすめの首枕
頚椎症には頸椎カラーでは硬すぎる
首の安静には頸椎カラーや首枕を使ってもらいたいのですが、頸椎カラーはプラスチック製のハード(硬い)なものが主流です。骨が折れてたり、脱臼してずれてたりという時には、しっかりと固定する頸椎カラーがいいのですが、頚椎症であるとか、軽いむち打ち症であるとか、徐々に治ってきているときのような際に、硬い頸椎カラーをつけていると首が回らなくなってしまって、逆に血流が悪くなって固まってしまうということがありますので、このようなときは首枕がおすすめです。
頚椎症には首の柔軟性が保てる首枕がおすすめ
山田朱織枕研究所ではこの首枕を是非、神経根症の患者様に使っていただきたいと考えています。
巻き方についてもコツがありますのでご説明します。
首枕はちょっと分厚い側と薄い側とあって、分厚い側から巻き始めます。
首の左右で痛い側があれば痛い側の耳の下に分厚い側を当てます。
痛い側から巻くというのがポイントです。
顎の下を通って1周巻いて、2周目はしっかりと顎の下に首枕を差し込むように巻いて最後はマジックテープで留めます。
喉が詰まってはいけないので1~2本指が入るぐらいの強さで巻いてください。
首枕をすることで首が安定し負担が軽減されます。
首がぐらつかなければ根元の神経根を圧迫することが減りますので症状が改善します。
首枕もとっても重要ですので正しく使って首をお楽にしていただければと思います。
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