朝から頭痛?寝起きで頭痛がする原因と、枕の見直しをオススメする理由
16号整形外科院長であり山田朱織枕研究所代表の山田朱織(やまだしゅおり)が解説します。
普段から診察室で患者様にお伝えしていることをできるだけそのままお伝えします。
目次
あなたの頭痛はどのタイプ?頭痛の種類と原因を解説
過去のお客様にご記入いただいた枕カルテからオーダーメイド枕の整形外科枕を作製したお客様935人のうち、411人(43.9%)が頭痛の解消を目的としていました。
枕と頭痛の関係について考えるために、まず正しい頭痛の知識をお伝えします。
ひとくちに頭痛といっても、その種類はさまざまです。頭痛の解決策を得るためには、頭痛の原因が何であるかを考える必要があります。この記事では「偏頭痛」「筋緊張型頭痛」の2種類を取り上げます。
頭痛=偏頭痛ではない
日本の頭痛人口は約3000万人ともいわれます。「私は偏頭痛もちだ」と思っている方は多く、まるで頭痛の代名詞のように使われる偏頭痛ですが、本当に偏頭痛であるケースは頭痛を訴える人全体の約28%です。頭痛=偏頭痛ではない、まずこれを認識してください。
偏頭痛ってどんな症状?原因は?
偏頭痛は、ストレスや環境の変化、食べ物など何らかの要因で血管が広がり、血管の周囲の神経が刺激されて起こる症状です。
偏頭痛の特徴はズキンズキンと脈打つような痛みが、頭の片側もしくは両側に起こること。前兆として眼前にちらちら光が見えたり、音・光・臭いに敏感になったりする症状が先行します。偏頭痛は頭痛外来など専門機関での治療が必要になります。
また、偏頭痛を訴える方の10人中8人は女性です。これは偏頭痛が女性ホルモンの関係で起こるためと推測されています。
さらに頭痛の種類や特徴についてもご説明をご用意しましたので、よろしければご覧ください。
多くの方が「私は偏頭痛もち」と口にするけれど実は......
私の外来にいらした患者様を診ていてしばしば感じる問題点は、ほかの要因で頭痛が生じているにも関わらず、「偏頭痛」と勘違いしている“自称偏頭痛もち”の方が大変多くいらっしゃることです。
「頭の片側が痛かった」「吐き気が出ることもあった」などの理由から、ご自身で偏頭痛だと思い込み、市販の頭痛薬を飲んで痛みをごまかしたりしていますが、これを続けることは危険も伴います。
あるいは脳外科や神経内科などを受診する方もいらっしゃるのですが、偏頭痛などの「血管性頭痛」ではないため「何でもないです。心配ありません。」と言われてしまうことがあります。(こういう時に他科を勧めない医師にも問題があると思いますが......)
その結果「私は頭痛持ちだから」とあきらめて、ずっと痛みに耐えてきた、という方をたくさん見てきました。
偏頭痛であるかどうかを確かめる方法
実は、自分が偏頭痛かどうかを確かめる簡単な方法があります。それはお風呂に入ったときの痛みの状態をチェックすることです。
お風呂に入ると血管が広がるので、もし偏頭痛であれば痛みはもっとひどくなるはずです。血流が良くなるため、脈打つような痛みが増幅してしまうのです。
逆にお風呂に入ると楽になるのであれば、次に説明する「筋緊張型頭痛」の可能性が高いといえます。
肩こりや筋肉の緊張に伴う「筋緊張型頭痛」とは?
筋緊張型頭痛はひどい肩こりや首こりから生じる後頚部の筋緊張が引き起こす頭痛です。頭痛を訴える患者さんのうち7割以上の人がこの筋緊張型頭痛に分類されます。
筋緊張型頭痛の症状と原因
肩こりから後頚部の筋緊張が続き、頭痛が起こります。最初は後頭部から始まった痛みが、徐々に頭全体に広がり、やがて眉頭から眼の奥が痛くなり、次第に頭皮や顔面までしびれる感じがすることがあります。
これは大後頭神経が後頚部の緊張した筋肉にはさまれて炎症を起こすためです。大後頭神経とは頭の付け根から出て頭の表面を這うように前頭部に向かう神経で、ちょうど髪の毛の生えぎわあたりにあり、顔面に向かう三叉神経の第1枝とリンクしています。そのために顔面のしびれや眼の奥の痛みを生じるのです。
筋緊張型頭痛になりやすい人の特徴
筋緊張性頭痛は頸椎の変形やヘルニアによって起こる場合もあるので、頚椎に疾患を抱えている人や首や腰にヘルニアがある方は注意が必要です。
また、美容師、歯科衛生士、エステティシャンやパソコンに長時間向かう方など、立ち姿勢あるいは座り姿勢で、うつむいて同一姿勢をとり続けがちな方にも多く見られます。
この場合、20分に1回、3分でも良いので頭を持ち上げて首を起こすことを意識してください。こまめに姿勢を戻してあげることが、大後頭神経を圧迫する首の筋肉をゆるめるには有効です。
筋緊張型頭痛を改善する第一歩は、体に合った枕を使うこと
私の知る限り「筋緊張性頭痛」の一番多い原因は、合わない枕の使用によるものです。もし、朝目覚めてすぐに頭が痛いのなら枕を疑ってください。頭は約4~6Kgの重みがあり日中それを支えている首には負荷がかかり続けています。
朝から頭痛の皆さん、こう考えてください。「あなたの首は起きて頭の重みがかかるよりも、合わない枕で寝ている時間が辛いと訴えている」と!
症状を改善するために、まずは「枕」という睡眠に必要な物理的条件を整えましょう。
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「枕外来のオーダー枕」
私の枕外来には,朝から肩がこる,枕が合わない,何度も目が覚める
オーダーメイド整形外科枕
という患者様が沢山来院します。
好みで枕を選んでいませんか?首を休めるための枕は、
体格によって適合する高さが違います。
朝の頭痛を和らげるには、適切な高さの枕を使うこと
枕の重要な役割のひとつに、頸椎という首の骨の角度を正しく(リラックスできるように)保つことにあります。枕を適切な高さに調整することで頭の位置が適切になると睡眠時にリラックスして首や首回りの筋肉を休められるメリットがあります。
その枕が体に対して、高すぎたり低すぎたりすると以下のような問題があります。
・首の筋肉の緊張を和らげることができない
・椎間孔という頸椎周辺の神経の通り道となる穴を狭めてしまう
これらが引き金になって、頭痛を引き起こしている可能性があるのです。また、適切な枕の高さの調整は、前述したヘルニアなどの患者様や日中の姿勢に問題のある方にとっても、より良い睡眠姿勢による症状の改善が期待できます。
ドクター考案の『整形外科枕』による症状の改善
山田朱織枕研究所では整形外科枕という、睡眠姿勢によるさまざまな症状の改善を目的としたオーダーメイド枕を提供しています。整形外科枕は16号整形外科の山田朱織医師監修のもと、開発されました。
当社の整形外科枕を使用して経過観察された410例の患者様を対象にした調査では、肩こり、頚部痛、肩上肢痛、不眠の症状を抱えていた患者様のうち7割以上の方が改善を実感、手のシビレ、頭痛、めまいの症状についても5割~6割の患者様に効果が表れているという、科学的なデータがあります。
枕外来で長年の頭痛が治った人の体験談
これまで「偏頭痛」の相談に来た患者様で、実は「筋緊張性頭痛」であるとわかり、枕の高さ調節を指導して間もなく、頭痛や肩こりがみるみる改善されていった方がたくさんいらっしゃいました。そんな患者様のお一人がくださったご感想がこちら。
まとめ
偏頭痛や筋緊張型頭痛ではなく、脳の病気から生じる症候性頭痛の可能性もあり、年間3万件ほどの発症例があります。これは頭痛人口のうち1%未満であるものの、場合によっては命を落とすこともある恐ろしい病気です。もしひどい頭痛が生じているならば、まず脳外科に駆けこむべきです。
もし、脳腫瘍、脳血管障害、偏頭痛、群発頭痛、その他であることを診療で否定されても、やっぱり頭痛があるようなら、頭痛頻度の最も高い筋緊張型頭痛の治療をするために整形外科の戸を叩いてください。
また抜き差しならない激的な頭痛を除けば、頭痛外来にかかるのも、薬局に頭痛薬を買いに行くのも、日頃使っている枕と睡眠姿勢を見直してからでも遅くはないはずです。それほど、不適切な枕による頭痛の訴えは多く、裏返せば枕を調節して頭痛が解消する方も多いといえるのです。
「筋緊張性頭痛」の一番多い原因は、合わない枕の使用によるものです。朝の頭痛を和らげるには、適切な高さの枕を使うことが重要です。
本コラムの内容は動画でもお話しています▼
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