整形外科枕計測ってなにをするの?質問にお答えします!
16号整形外科院長であり山田朱織枕研究所代表の山田朱織(やまだしゅおり)が解説します。
今回は整形外科枕の計測というのはどんなことをするの?という疑問にお答えしていきたいと思います。
枕計測と言っても実際にどんな風にするのか知らない方にとっては、ちょっと興味と不安もあるかもしれないので実際に計測の風景をお見せしながら説明したいと思います。
枕の計測方法SSS法(Set-up for Spinal Sleep法)
整形外科枕の計測というのは山田朱織枕研究所で開発した枕の調節方法SSS法という法則に基づいて行うものなんです。
枕を実際に当てて寝た状態で枕の高さを5mmずつ変えながら、上向き・横向き・寝返り3つの睡眠姿勢に唯一合った高さを決めていくという方法なんです。
と定めております。
枕診断士というプロフェッショナルが呼吸が楽ですか?首筋はどうですか?喉の開きはどうですか?などいろいろなご質問しながら自覚症状を伺いし、逆に診断士の客観的な見立てと含めて最終的に唯一合った高さを決めていきます。
また枕の高さ計測は適度な硬さの敷物と合わせて完成します。
計測では当社の整形外科しきふとんという商品を使っています。
計測の流れ
上向き
上向きでは喉が苦しくなく呼吸は楽できるか、首筋が緊張しないかなど確認していきます。
枕の高さがわずか5mmの差でも喉が苦しくなったり、首筋が緊張したりと色々な不快な症状が出てまいります。
そういった自覚症状をお伺いし、私たちは横から見て首の角度も確認しています。
上向きでは首の角度が約15度前後になると首の骨の並びが真っすぐになり良い状態になります。
横向き
横向きになった時は肩の圧迫感や顔の圧迫感、首筋は突っ張っていないか確認していきます。
体の真ん中の軸を見て、寝ている臥正面と平行になっていれば横向きはバッチリ合っています。
これを5㎜足したり抜いたりして頭下がって肩の圧迫が強くないかや頭が上がって顔が圧迫されないかなど確認していきます。
寝返り
最後に寝返りの確認です。寝返りの時は胸の前で両手をクロスして膝をだいたい60度ぐらい立てた体勢で回っていただきます。
この体勢は実際の睡眠中の寝返りにも近い状態です。
しっかりかかとをつけていただいて左右にコロコロ寝返りを打っていただいて、スムーズにできているか確認します。
体全体が同時に動いて軽くできていればいい寝返りです。
5㎜の差で体の軸がぶれるので腰のひねりが出て負担を感じたり、動きが重く力が入ったりといった違いが出ます。
仮眠
上向き・横向き・寝返りの3つの睡眠姿勢においてベストな高さがわかってきたら一旦ここで仮眠を取っていただきます。
仮眠を取ることで筋肉が緊張が取れてリラックスするので、より枕の高さが適合しているかどうかの確認ができます。
仮眠した後に例えば、筋肉の緊張が取れてやっぱり喉が詰まってきたということが起こったら、また5㎜高さを変えて確認していき最終的には仮眠前より5㎜低い高さに決定するということも時にはあります。仮眠はとても大事です。
また仮眠の時には問題なかったが、ご自宅で実際に7~8時間の睡眠時間寝ると硬さが気になったり、計測台と自宅の敷物との違いで寝姿勢に変化が出て不具合が起こってしまったりということもあります。
ご自宅で使ってみて何か不具合が出た場合は、山田朱織枕研究所サポートセンターできちっとサポートいたしますのでどうぞご安心してお使いください。
頚椎症に合わせて計測してもらえますか?
患者様からもよく質問をいただくのですが、
「私は頚椎症です」
「頚椎椎間板ヘルニアがあります」
「腰の病気です」
その病気に合った枕を作る必要性があるかというとそれはございません。
私の研究ではこれまで6~7万人という患者様やお客様の枕を計測してきました。
そこで分かったこととしては男女年齢そして体の病気や体形の特徴、このようなことに一つずつ合わせて枕を作る必要はないんです。
大きな傾向はありますが、実はどのような方でも概ね最適な枕をした時の首の角度は約15度というのが決まっているんです。
その角度に合わせて枕をお作りしているのです。
なので頚椎症だからといってAの枕、ヘルニアだからといってBの枕、腰椎症だからといってCの枕というわけではないということ覚えておいてください。
もしものすごく特徴のあるお体系であったり、すごく重症の何か病気がある場合には少し枕計測に変化を与えてアレンジすることはありますが、それはごくごく少ないパーセンテージという風に考えていただければと思います。
首の角度について
最適な枕をした時の首の角度が15度というのは私が考案したものです。
20年ぐらい前に多くの患者様にレントゲン撮影やMRI撮影をしてきました。
適切に整えた枕で症状が改善した方は、画像診断の中でどうも首の角度が15度前後になってるということに気づいたんです。
それであえて一例一例きちっと角度を見ながらレントゲン撮影やMRI撮影の後、画像の計測というものを行ってみると本当に平均的に15度から18度ぐらいになっているという事実がわかってきたんです。
これは手前味噌ですが大発見かなと思っています。
でもこのことは世界ではまだまだ認知されていない事実なんです。
つい先日私はこれを英語の論文にして海外に発表したんですが、それはおそらく世界でも初めての発表となる、それぐらいまだ知られていない事実です。
計測で首の角度15度がわかるの?
首の角度が15度と言いますが、レントゲンで見ないとわからないんじゃないですか?という質問もいただきます。
私を含め当研究所の枕診断士というプロフェッショナルは多くのお客様患者様を見ながら、およそ肉眼的に見ても15度というのがもう頭の中にインプットされていますので、レントゲンを撮って確認したり角度計を当てるという必要はございません。
逆に言えばきっちり15度ではないんですね。
その人の体型によっては14~13度になることもあるし、16~17度になることもあります。
中には非常に背中の丸みの強いご高齢者の方だと20度以上のこともあるんです。
なのであまり角度にとらわれず厳密な角度計で測るということではなく、概ね15度から18度ぐらいということです。
なおかつ上向きで喉が苦しくなく呼吸が楽か、横向きで体の軸が整っているかなども見ながら最終的には寝返りがスムーズにできるかどうかで枕の計測を判断いたしますので必ずしも厳密な角度計測ではないとお考えてください。
ドクターズピローについて
計測してもらえるの?
ドクターズピローは計測をする枕ではございません。
オンラインショップやECモールなどで販売しております。
こちらは購入後にWEB上でご本人の年齢・性別・身長・体重を入力し適切な枕の高さを算出することができる自動計測システムというものを使っていただきご自身で高さ調節をしていただく枕です。
まずは算出された高さにセットして、そこからご自身のお体格に合うように微調節をしていただきます。
頚椎症があってもドクターズピローを購入していいですか?
もちろん購入することはできますが、私の意見としてはあまりおすすめしません。
もちろんご自分で調節していただきながら適切な高さを探していただくのも良いとは思うんですが、もしご症状があるとすれば枕研究所本社相模原店か渋谷店に来ていただいて、プロフェッショナルである枕診断士の計測を受けて至適高さの枕をしっかりと作っていただくことをやはりおすすめします。
ドクターズピローの高さを誤ってしまうと首をより痛めてしまったり、微調節してみるも中々合わなくて辛いということも起こらなくはないのでそこはご注意ください。
山田朱織枕研究所では整形外科枕また整形外科枕ドクターズピローいずれのご質問・ご相談可能です。
使ってみて困ったことなどございましたらいつでもご連絡いただければと思います。
本コラムの内容は動画でもお話ししています▼
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