寝ている時、起きた時の手や腕の痺れは枕と関係ありますか?
16号整形外科院長であり山田朱織枕研究所代表の山田朱織(やまだしゅおり)が解説します。
普段から診察室で患者様にお伝えしていることをできるだけそのままお伝えします。
目次
手は指先まで首の神経の領域
今回は「手のしびれと枕は関係があるの?」というお話をしたいと思います。
一言で言えば手のしびれと枕はとても関係が深いです。
補足すると手のしびれは首の神経が原因の可能性があり、その首の神経が良い状態で朝起きたら手のしびれはなくなりますし、悪い状態で朝起きたら手のしびれがでるのです。首の神経が良い状態か悪い状態かを決定するのが枕なのです。なので手のしびれと枕は関係が深いのです。
首の中には後ろ側に脊髄という太い神経があります。この本管の太い神経から右と左に細い枝が、枝の神経が出ていきます。
この本管の太い神経が何らか圧迫をされても、細い神経が根元で障害をされてもいずれにしても手にしびれが出ます。
手のしびれはほおっておいてはいけません
手のしびれは重篤な症状ではないと考えるかもしれませんが、進行したり長い時間続いていくと単なる感覚だけのしびれではなく、運動麻痺、物がつかめないとか作業ができないとかいろいろな支障に発展する前駆症状であったり、前触れであったりしますのでしびれをほうっておがずにきちっと対処するべきだと考えてください。
こちらに図を書きました。人間の頭です。この首の骨の中に脊髄という脳からつながった太い神経が体の中央に走っています。
そして、骨の脇首の骨の両脇から1本1本細い神経が出てきます。これがある程度束になって肩から腕、肘、手先まで最終的には指先まで首の神経がずーっと司っている神経の領域なんです。
手のしびれの原因は首からきているかもしれない
ですので皆さんが手がしびれる、腕がしびれると思ったとしても、それは腕の骨が悪いとか肘の関節が悪いとか手が腱鞘炎とかそういうことではなく首が原因で、首こそが原因でこれらの症状に発展している可能性があるのです。
「首は要」。
是非、首を正しい姿勢にして肩、肘、腕、そして手先、指先のしびれを改善するという風に考えてください。
手のしびれがある方の問診から枕計測を実演します
では実際に首の神経の根元が圧迫されて手がしびれている方、どのように枕を調節するかをお話したいと思います。
山田:最近、手がしびれると伺いましたが右と左どちらも手がしびれますか?
モデル:右がしびれます。
山田:右がしびれる。
モデル:はい。
山田:それはどんな時にしびれるか、よくしびれる時を教えてください。
モデル:夜中に目を覚ましてトイレに行くときとかにしびれたりします。
山田:トイレに行こうと思って起き上がったときに手のしびれを感じるということですか?
それは起き上がるとどうですか?取れますか?
モデル:起き上がってもしばらくはしびれてます。
山田:わかりました。それ以外にもしびれていることはありますか?
モデル:あとは休みの日に長く寝たりするとしびれていたりします。
山田:起きた時に気づきますか?
モデル:起きた時にしびれてます。
山田:それはもしかして1時間くらい経つと症状が緩和、軽くなってませんか?
モデル:少し時間が経つと取れてきています。
山田:分かりました。
このように寝ている時に手がしびれる。つまり、夜中にトイレに起きた時に気が付くとか、朝長く寝てしまった時により強いしびれが出現している。
しかし、起きて1時間経つと症状が改善している。これはまさに寝姿勢が悪いために起こっているしびれなんですね。
山田:今、そのお家で使っている枕はどんな素材ですか?
モデル:羽毛の柔らかい枕を使ってます。
山田:このようなふかふかした高さが容易に変わってしまうような枕でしょうか?
モデル:はい。
山田:わかりました。
このような枕に寝るとどんな状態になるかちょっと実験してみます。どうぞ。
手を前にバッテン、膝を立てて寝返りを2回ほどしてみてください。首のモデルと一緒に寝返りを打ってみます
要は頭が、枕が柔らかく沈み込むので寝返りをするときに首がグラグラ揺れてしまうんですね。
上向き、横向きになるときに首がぐらつく。すると首の神経の本管も枝も一緒に揺れてしまうわけです。
これによってぐっと神経が締め付けられたり、逆に反対向きで引っ張られてしまったり、このようなことが何度となく寝返りを打つ時に起こってしまうと、覚醒して目が覚めてトイレに行くときや、朝手がしびれていることに初めて気がつくわけです。
寝ている間には気付きませんが起きた時に気づく。
もっと症状がエスカレートすると寝ていても手のしびれの症状がきつくて目が覚めるということも起こってしまいます。
不眠になると眠れなくなるとより一層、手のしびれの症状を感じる強さが強くなります。
痛みに関する、しびれに関する感覚が鋭くなってしまう。これは悪循環です。
手のしびれを感じる方は枕の高さを調節してください
ですので寝ている時にしびれを感じる方は、適切に枕の高さを整えて夜間の手のしびれが起こらないようにしましょう。
枕を変えてみましょう。どうぞ。寝返り打ってみてください。
枕を硬く適切な高さに合わせると、寝返りを打つ時にも首がぐらつかずに安定しています。
安定した首の中では首の本菅の神経、脊髄神経や神経の根元もとても安定していて挟まれたり引っ張られたりしません。
ですので朝起きた時から症状がない、症状が改善しているということが期待できるわけです。
是非、夜中、明け方、朝起きた時、手にしびれを感じる方は枕を適切に合わせて症状を改善するように心がけてください。
是非、今晩からやってみてください。
ドクター考案の『整形外科枕』による症状の改善
山田朱織枕研究所では整形外科枕という、睡眠姿勢によるさまざまな症状の改善を目的としたオーダーメイド枕を提供しています。
整形外科枕は16号整形外科の山田朱織医師監修のもと、開発されました。
夜間や朝のしびれが起こらないようにするためには適切な枕の高さを合わせることが重要です。
本コラムの内容は動画でもお話しています▼
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