マイクロスリープとは?悪化させる原因や対処方法を解説
16号整形外科院長であり山田朱織枕研究所代表の山田朱織(やまだしゅおり)が解説します。
普段から診察室で患者様にお伝えしていることをできるだけそのままお伝えします。
今回は眠気、マイクロスリープ(MS)について説明したいと思います。
先日横浜で開催 された日本睡眠学会の学術総会に参加してまいりました。
そこで最新の眠りに関する研究をたくさん聴講することができました。
日進月歩どんどん進化している研究の中で、非常に興味深い研究がございました。
それは研究者としての興味もありますし、実は自分自身に当てはまることでもあったんです。
目次
マイクロスリープとは?
マイクロスリープとは日本語に略すと、マイクロは小さい、スリープは眠るなので、つまりは「瞬眠」瞬間寝てしまうということです。
一体何秒ぐらい寝てしまうかというと、15秒です。
15秒以下の本当に短い僅かな睡眠のことをマイクロスリープと言っています。
なんか眠たくなってきたなあとウトウトしてきて、ガクっと寝てしまってはっと気がつく、こんなことない皆さん経験あるのではないでしょうか。
実はこのマイクロスリープはとっても危険なんです。
日本全国のトラックの運転手さんが居眠り運転で事故が発生する時に、事故の直前でマイクロスリープに落ちているという研究結果があるんです。
広島大学の先生方の研究だったんですけれども、居眠り事故を起こしたドライバーさんのドライブレコーダーを解析してみると、事故が起こる直前にマイクロスリープが頻発して いることが分かったんです。
これは恐ろしいことですよね。
マイクロスリープによる事故が日本全国で毎日のように起こっているということです。
マイクロスリープの関連行動
マイクロスリープというものを自分で見極める、判断するためには関連行動というのがあります。
どういう兆候があればマイクロスリープであると定義するか、それは大きく分けて3つございます。
1、抗睡眠行動
眠気に対して「抗う」「対抗する」行動
眠い時に目をこする、顔をこする、叩く、腕を伸ばす、大声を出すなど、つまりはなんとか自分で無意識のうちに眠気を払いのけようとする行動の現れです。
2、マイクロスリープ行動兆候
半眼、閉眼、体動停止
完全にまぶたが落ちてしまったり、体が固まってしまう状態。
起きていたら何かしら動きがありますが、例えばハンドル持ったまま体の動きが停止してしまっている状態はまさに行動兆候なわけです。
3、車両挙動異常
車線をはみ出す、減速する、眠気で通常通り走ってコントロールできない、またコントロールできないためにスピードを遅しようということが 働くわけです。
これらの3つがマイクロスリープ関連行動と言われますが、一般的によくありがちな誰にも起こりえる状況です。
マイクロスリープが起こる原因
睡眠不足でマイクロスリープが起こる
なぜ起こるのかっていうと基本的にはやはり睡眠不足です。
それが短い睡眠不足でもたくさん蓄積していくと睡眠負債が起こってしまうんですね。
この睡眠負債で睡眠が足りない状態が長く続くとウトウトとマイクロスリープが現れてくるんです。
生活習慣の乱れでマイクロスリープが起こる
仕事で夜勤や交代勤務がある。また飛行機での時差ボケなど。
体内時計のリズムが、日が登って落ちてという外界の生活リズムと合わなくなってくることでマイクロスリープが起こってしまいます。
マイクロスリープを悪化させる原因
マイクロスリープは疲労して疲れてきたなという時に、ちょっと脳を休めようと思って瞬間眠るというそんなイメージのものなんですね。
しかし不眠症が元々あったり、無呼吸症候群があったり、睡眠の質が低下してくるとちょっとだけ脳を休ませてあげようという休憩がうまく取れなくなってきて、マイクロスリープがひどくなってまいります。
また風邪薬や花粉症などのアレルギーの薬、睡眠薬はもちろんですが抗ヒスタミン系と言われるようなお薬は眠気
が出てしまうのでマイクロスリープが起こりやすくなります。
マイクロスリープの対処方法
様々な原因で起こってくるマイクロスリープですが、1番大事なことはやはりどうやって対処したらいいかということですがもちろん睡眠の質を改善することは大事です。
私たちがご提供している適切な枕を使って、習慣的にも適切な寝る時間を起きる時間を決めて規則正しい良い睡眠を取ること。
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私の枕外来には,朝から肩がこる,枕が合わない,何度も目が覚める
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という患者様が沢山来院します。
好みで枕を選んでいませんか?首を休めるための枕は、
体格によって適合する高さが違います。
これがもちろん理想的ではあるんですがなかなかそうはいかないことも多いわけです。
だからこそ私も含めてマイクロスリープが起こってるわけで、そんな時どんな対応をすればいいかというとそれは仮眠です。
20分間の仮眠がマイクロスリープを防ぐ
仮眠がとっても大事なんですが、最適な時間というのもございます。
最新の研究では20分間の仮眠が良いとされています。
10分でもなく30分でもなく20分という時間が結構良いそうです。
そして20分間仮眠が取れると3時間起きてられるそうです。
逆に言うとそれ以上経ったら、またちょっと休憩しなきゃいけないということになるんですが、運転中に起こるととっても怖いです。
勉強中や仕事中、ウトウトした時に適切な仮眠が取れる環境を作っておくと良いかと思います。
もし眠る場所がなかったり椅子に座って寝るのも難しい場合にどうするかというと、そういう時は目を閉じてください。
ほんの数分でもいいので目を閉じて、外界の目に入る情報を一旦シャットアウトすることでリラックスできます。
非常に大きな事故になりうる大変困った事象ですので、私にもマイクロスリープあるなと思った方は是非今日から対策を立てましょう。
本コラムの内容は動画でもお話ししています▼
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