コラム詳細

睡眠時無呼吸症候群(SAS)はオーダーメイド枕で改善

16号整形外科院長であり山田朱織枕研究所代表の山田朱織(やまだしゅおり)が解説します。

山田朱織医師がストレートネックの患者様を診察をしている様子

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目次



睡眠時無呼吸症候群(SAS)とは

睡眠時無呼吸症候群(sleep apnea syndrome:以下SAS)とは、睡眠中、呼吸が止まってしまう病気です。
睡眠中にのどの筋肉がゆるむことで気道がふさがれ、呼吸が止まってしまいます。しばらく呼吸が止まると脳から危険信号が出て呼吸は再開するのですが、本人は無意識のまま、眠り続けます。一晩に何十回もこれを繰り返すので睡眠が充分に取れず不眠傾向となるのです。

睡眠時無呼吸症候群の患者数は増加傾向

日本の全人口の2%、200万人にSASの疑いがあるといわれていますが、実際にSASと診断され治療を受けている人は、わずか3万人程度と言われます。

残りの百何十万人の患者様は治療を受けずに毎晩いびきをかき、呼吸が止まり、昼間の眠気に悩んでいるのです。さらに、近年の日本人は食生活の変化から肥満傾向にあり、SASの患者数はより増加すると予測されています。

睡眠時無呼吸症候群を放置すると合併症を招く

もっと恐ろしいのは、本人が自覚せずに進行する合併症です。SASを長いこと放置すると、高血圧、狭心症、心筋梗塞、心不全などを招くといわれます。SASの患者さんは健康な人に比べ、高血圧3倍、心疾患3倍、脳血管障害2倍というデータもあります。
研究の進んでいるアメリカでは、SASに関連した心血管系障害により、毎年4万人近くが死亡するというデータが出ています。更にSASの高齢者の死亡率は、健康な人の2.7倍という数字もあります。

睡眠時無呼吸症候群の検査方法

もしや自分も睡眠時無呼吸症候群かもと思われる方は、是非専門医を受診することをお薦めします。日本でも、睡眠外来を持つ医療機関が徐々に増えています。
一晩入院して、ポリソムノグラフィ―(PSG)という睡眠中の脳と呼吸、血液循環機能を総合的に検査をします。その結果によって、治療の必要性が決まり、SASと診断された患者様は治療が開始します。

自分、ご家族が睡眠時無呼吸症候群かチェックする方法

以下のポイントでチェックができます。

□7時間睡眠の中で30回以上10秒以上息が止まっている

□1時間に5回以上10秒以上息が止まっている

上記にて当てはまる場合は、専門医を受診してください。

睡眠時無呼吸症候群の治療法

まずは生活習慣(減量、禁煙、禁酒など)の改善ですが、中等度以上になると経鼻的持続陽圧呼吸法(CPAP)というマスクをつけて一定の圧の空気を流して気道を閉塞しないように広げる治療を行ったり、マウスピースなど口腔内装具をつけたり、扁桃肥大で気道を狭めているときは手術を行うこともあります。

□ダイエット

□鼻に入れるチューブ

□CPAP(陽圧呼吸器)

□体位療法(体の向きをどのようにして寝るか)

睡眠医の先生方は「体位療法」において、横向きに寝ることを患者様にすすめていらっしゃいます。なぜなら横を向くと呼吸をする気道という部分が開いて楽に呼吸できるからです。

でも私は上を向いても枕を適切に合わせれば、無呼吸症候群が起こりにくいということを研究で証明しました。

睡眠時無呼吸症候群に対するオーダーメイド枕の有用性

睡眠時無呼吸症候群の方に対して、有用なのがオーダーメイド枕です。
適切な枕が睡眠時無呼吸症候群に影響をあたえるかを、睡眠時無呼吸症候群の専門病院である世田谷睡眠呼吸センターと協同研究を行いました。
このグラフは、8名の患者さまのポリソムノグラフィ―(PSG)検査中に、不適切な形状・高さの枕で寝ているとき(1)と、適切な枕調節をして眠るとき(2)とで、上向きの寝姿勢の時間・無呼吸の回数を比べたものです。

不適切な形状・高さの枕で寝ているときと、適切な枕調節をして眠るときとで、上向きの寝姿勢の時間・無呼吸の回数

横向きのほうが気道を確保しやすいため、SASの患者様は横向きで寝ることが多く、治療としても横向きになることを勧められます。
しかし、今回の実験により、適切な枕で眠ることにより、横向きでばかり寝ていた患者様が寝返りをうって上を向くことができ、上向き寝姿勢においても無呼吸が起こりにくい傾向があることが分かりました。

詳しく解説

正しい枕の必要性|枕外来の整形外科医が解説

睡眠時無呼吸症候群以外の症状改善

また、今回研究にご協力いただいた8名のSASの患者様のうち、7例の方が肩こりを訴えていました。ほかに頭痛や手のしびれも併発している方もありました。
適切な枕に変更したことで、そのうち6名(85.7%)が枕を換えてから肩こりが軽快しました。特に朝起床時の肩こりがすっきり取れた、寝違えを起こさなくなった、夜間に手がしびれて起きる事がなくなった、いびきが改善した、と感想をたくさん頂きました。
患者様が使用していた枕は、現在枕市場をにぎわせている小さな内容物がジャラジャラと入った(容易に変形する)枕、もしくは凹凸変形型の枕でした。SASと診断された方、また疑わしいと家族から指摘された方は、現在お使いの枕を見直し、適切な枕を使うことを検討してみていただきたいです。
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研究協力:
世田谷睡眠呼吸センター(東京都世田谷区):当時院長で、現帝京大学ちば総合医療センター耳鼻咽喉科 鈴木 雅明教授
荻窪中尾耳鼻咽喉科医院 睡眠呼吸センター(東京都杉並区):中尾雄二院長

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ドクター考案の『整形外科枕』による症状の改善

山田朱織枕研究所では整形外科枕という、睡眠姿勢によるさまざまな症状の改善を目的としたオーダーメイド枕を提供しています。

整形外科枕は16号整形外科の山田朱織医師監修のもと、開発されました。

適切な枕とはそれぞれのお体格に高さが合っているかが重要です。そして、適度な硬さがあり寝返りが打ちやすい平らな形状が大事です。

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