加齢による背中の丸みを治す体操を紹介
16号整形外科院長であり山田朱織枕研究所代表の山田朱織(やまだしゅおり)が本音を語ります。
今回は「背中の丸み」についてお話したいと思います。
皆さん人言ではないかと思います。
誰しも、「背中が丸い」とか「姿勢が悪い」と人から指摘されたり、なんとなく自分でも感じていたり、年齢と共にそれが段々に強くなってきたなあなんていう風に自覚したりするのではないでしょうか。
私ももちろん感じています。
患者様と一緒に年を重ねてきた
私が神奈川県の相原市で16整形外科を開業してなんと16年経ちました。
16年はそれなりに長い時間の流れですが、振り返ってみると一瞬であったような気もいたします。
患者様にしてみれば、その頃60歳だった方は76歳、70歳だった方は86歳、90歳の方は100歳を超えてることになります。
最近、外来にも90歳代の方や、たまに100歳を超えた方もいらっしゃるんです。
こうなってくるとやはり整形外科の疾患としては背中の丸みなんですが、圧迫骨折などの様々な原因でこの背中の丸みというのが起こってきます。
私はこの長い16年の間、もちろん患者様も年齢を取っていくんですが自分自身も一緒に年齢を取っていきます。
なんかこう一緒に長いマラソンを走ってるみたいな感じがして、そこはちょっと嬉しく感じたりもしています。
姿勢が悪いと老けて見える
では一緒にマラソンを走ってきた患者様たちが、年齢と共に感じる背中の丸みについて皆さんどんな印象を持っているのか。
例えば外来に来る患者様で、身長が5~6cm縮んでしまってどうも私背中が丸くなって姿勢が悪くなってきたなあと感じている女性の方がこうつぶやきます。
「あの方の背中は丸まっててすごいおばあさんっぽいなあ、私もああならないように注意しなきゃね。でも、どうしたらいいのかしら?」
また一方で、すでに骨粗鬆症で背骨がいくつか圧迫骨折を起こして潰れてしまった方。
これは医学的に言うと構築性円背と言って、なかなか伸びるのが難しくなってくるケースなんですがそのような方も、
「やっぱりこうおばあさん臭いっていうのは背中の丸まった状態なのよね。まさか私そうなってないですよね?」
なんていう風に聞くわけです。
ここから分かることは、「老ける」とか「おばんさんっぽい」「おじいさんっぽい」という年齢がいって格好が悪いことの代表は姿勢が悪いということなんですよね。
一方、若い方でも近年はスマホやゲームなど様々なアイテムによって、どうしても前かがみになることが多くて悪い不良姿勢になってしまっています。
スマホを一生懸命やってる姿を見ると、まるでおじいちゃんのような姿になって熱中してる。
これって別に顔がしわしわになったわけではなくて、姿勢が悪いだけでそう見えてしまうんですよね。
なので若かろうがご高齢の方であろうが、姿勢が悪いっていうことはとにかく嫌なイメージ、悪いイメージ、格好悪いイメージに繋がっていくわけです。
そうならないようにするためには姿勢を伸ばせばいいわけです。
しかし、その姿勢を伸ばすということが、皆さん結構難しいとか、もう私にはできない、私は今からやっても遅いんじゃかと思っている方が多いんですが全然そんなことないんです。
気づいたところがスタートの日です。
背中の丸みを治す体操を解説
毎日私が外来で患者様の何人かには必ずお教えしている、壁を使った姿勢を伸ばす体操がありますので今回お教えしたいと思います。
これをちゃんとやった私自身もなんと姿勢が結構良くなりまして、患者様からも最近先生は姿勢が良いですね、私も先生のように姿勢を伸ばしたいという風におっしゃっていただきます。
私は実は子供の頃から、父がいっつも口うるさく言うぐらい姿勢が悪くて猫背だったんです。
なので意識を持てば姿勢は良くなるので、その簡単な方法をちょっとご覧いただきます。
これは壁さえあればできます。
まずはかかとをしっかりと壁にけます
かかとがついたらふくらはぎ・骨盤をつけます
骨盤が付いたら背中・肩甲骨をつけます
そして頭をつけます
この時に頭を後ろに傾けてつけるのは良くなくて、顎を引いていただいて後頭部がつくようにしましょう。
背中が丸くなっているとどうしても頭が前に行って背中が離れてしまいます。
無理やり頭をつけようというもはダメです。
そしておへそにぐっと力入れて押し付けるようにします。
必ず胸をしっかりと伸ばすことが大事です。
1日1回でもいいのでそれを続けてみてください。
1~2週間、1~2ヶ月かけてでもいいので胸をしっかりと伸ばして、胸から伸びてきてそして後頭部がつくように頑張ってやることが重要です。
そのためにはしっかりと腹筋に力を入れて、背中を後ろの壁にくっつけるようなイメージでやってください。
背中がかなり丸くなってきた方は、もしかすると2~3ヶ月やっても完全にはつかないかもしれません。
それでもいいんです。
丸まった背中が少し伸びたらだいぶ違います。
段階的でいいので、少しずつ少しずつ胸を起こして頭が壁につくようにしていただくことが大事です。
私と長く伴走してきた患者様が段々と背中が丸くなって老けた印象になる。
おばあさんっぽくなる、おじいさんっぽくなるというのはとても悲しいです。
姿勢が悪くなってくると、なんとなく気分も明るくなれなくて塞いでしまう、家から出なくなったり悪循環なんですね。
胸を張ると気持ちが良い、外に出かけていこう、お友達とお話をしたり社会に参加しよう、こういった心身の健康がとってもとっても大事ですので、皆さん少しずつ少しずつ努力を積み上げてください。
毎日やることが何よりも効果が出ます。
患者様の中にはゲートボールに行くと背中が丸いとお友達に言われていました方がいましたが、2ヶ月頑張ったら
ゲートボールの日に「なんか○○さんちょっと背中伸びてきたね」という風に言われてとってもとっても喜んでました。
これは決して特殊な体験ではありません。
誰でもやればできます。
今日思いついたら今日からやることが大事です。
壁があればできるので頑張ってやってみてください。
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