スマホ首とは?日中の姿勢と夜間の枕の改善方法
16号整形外科院長であり山田朱織枕研究所代表の山田朱織(やまだしゅおり)が解説します。
普段から診察室で患者様にお伝えしていることをできるだけそのままお伝えします。
今回は「スマホ首とは?日中の姿勢と夜間の枕の改善方法」というお話をしたいと思います。
スマホ首は首に悪い姿勢である
スマホを見るときに前かがみになり猫背になってしまう方多いかと思います。
動画などを観ていると1~2時間経っていたりついつい長時間になりがちです。
そんな時の良くない姿勢がスマホ首なわけですね。
この「スマホ首」という言葉は医学的に定義された言葉ではないんです。
私が調べた限りではいつ誰がこの言葉を作ったのか、その語源はどういう意味があるのかという明確な定義は見つかりませんでした。
スマホ首という言葉が世間的にとってもイメージしやすいので急速に広まり、逆に今では科学者や研究者そして医者などがスマホ首について研究した方がいいねという奇遇になってきているというのが現状なのではないでしょうか。
スマホ首で症状が出る原因とは?
スマホ首は頭が前に屈んで首が後弯してしまっている状態です。
頚椎とその後ろにある首の脊髄神経がどんな形になっているかということです。
首の骨は7つありますが、後弯してしまうと後ろにある神経に5番6番辺りがぶつかってしまいます。
正常な前弯で前にカーブがあればぶつからないのに、後ろに反る後弯になるとどうしても神経に当たりやすくなるわけです。
ここに椎間板が飛び出しているヘルニアなどの病気があるとさらに神経に当たってしまいます。
ですのでスマホを覗き込むこの姿勢が首の大事な神経に影響を及ぼし、様々な症状が出る原因の一つになるということが考えられ
ます。
スマホ首の姿勢というのは決して良い姿勢ではないということです。
スマホ首に関する研究を紹介
スマホ首に関して重要な論文が2014年に発表されたのでご紹介します。
ニューヨークの脊椎外科医であられるケネス・ハンスラージ先生という方の論文がサージカル・テクノロジー・インターナショナルという雑誌のボリューム25に発表されました。
頭の重みが首にかかる負担がどのぐらいあるのかというのを様々なポジションによって研究したものです。
頭の重さは成人でおよそ4.5~5.4kgとされています。平均値です。
それが15度傾くと首への負担は12.2kgになります。
30度傾くと18.1kg、45度傾くと22.2kg、そして60度ぐらい思いっきり傾くと27.2kgと30Kg近い重さが首にかかってくるんですね。
スマホを持った時の首の傾きがどんどん深くなっていくと、首への負担もどんどん増えてくるということをcadというコンピューターシステムを使って科学的に検証された論文なんです。
正しい姿勢でスマホ首を改善しましょう
ではスマホ首はどうすれば治るんですかということですが、姿勢を正すという意識が一番大事だと私は考えています。
立っているときの姿勢
胸を開いてお腹を引っ込めましょう。深呼吸してたくさん酸素を吸った時のようなのびのびした姿勢が重心線が1本通った正しい姿勢です。
座っているときの姿勢
座っている状態でスマホ首の俯いてしまっている姿勢に、肘にクッションを置いてスマホを目の高さに持ってきます。
そうすると俯いていた首がまっすぐに戻り、首の筋肉の緊張が取れて楽になります。
目線を変えれば姿勢を変えることができるわけです。
スマホ首にも夜間の枕調節は有効
起きてる時の意識も大事ですが寝ている時の枕も大事です。
どうしたってスマホを使わずに現代の生活はできません。
使ってしまって疲労した首、もしくはそれを予防するためにも夜間しっかり自分に合った枕を使うことで首の筋肉を取ってあげること。
もしくは症状が出てもリセットして元の良い状態に戻してあげることが大事なんです。
スマホ首について大事なことは2つです。
日中の良い姿勢の意識を持つということと、適切な枕を使ってスマホ首で起こってしまった症状を翌朝までにリセットしていい状態に戻す とこと。
是非やってみてください。
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