ストレートネックに合う枕の選び方|整形外科医が教える3大条件と注意点
16号整形外科院長であり山田朱織枕研究所代表の山田朱織(やまだしゅおり)が解説します。
「ストレートネックで悩んでいる」「枕を変えれば良くなるの?」「医療用枕やオーダーメイド枕は本当に必要?」——当院にも毎日このようなご相談をいただきます。
私は2020年に日本整形外科学会で「ストレートネックと首の痛みの関係」について研究発表を行い、410人のMRI画像を分析してきました。その知識をもとに、ストレートネックの正しい理解から枕の選び方・治し方まで、診察室でお伝えしていることをそのままお話しします。
目次
ストレートネックに合う枕の選び方|3大条件と注意点
まず多くの方が最も知りたい「枕の選び方」からお伝えします。
ストレートネックと診断されると「特別な枕が必要なのでは」「医療用の枕に変えなければ」と考える方が多いですが、ストレートネックかどうかに関わらず、枕に求められる条件は同じです。
枕の3大条件
1、体格に合った高さ
2、適度な硬さ
3、平らな形(フラット構造)
一人一人の体格に合った高さに合わせること、頭を乗せても沈み込まない適度な硬さ、寝返りをスムーズにするためのフラットな構造——この3つが枕の必要条件です。
寝ているときの首はストレートが正解——凹凸枕が逆効果な理由
「寝るときも首にカーブ(前弯)をつけるべき」と考え、首の下が盛り上がった凹凸枕を選んでいる方は多いです。しかし、これは間違いです。
私が410人のMRIを撮影して自覚症状が改善した方々の寝たときの首の状態を調べると、湾曲ではなく、実はストレート(約15度前後)でした。
つまり「ストレートネックを無理やり湾曲させるために凹凸枕を使わなければいけない」という考えには医学的根拠がありません。首を立っているときと同じ前弯に矯正しようとすること自体が、症状を悪化させる可能性があります。

枕の高さが合わないとどうなる?
低すぎるとき

首の後ろに隙間ができ、筋肉が緊張したまま朝まで過ごすことになります。睡眠中に疲労回復できず、朝起きたときの肩こりや首こりの原因になります。
高すぎるとき

首筋が引っ張られ後頭部への圧迫が強くなります。寝返りもしにくくなるため、睡眠の質も低下します。
体重の変化で高さが変わる
体重の増減5kg前後を境に、適切な枕の高さが変わります。体重が大きく変わったときは枕の高さを見直してください。手作り枕であればバスタオル3〜4枚が5mm分の厚みに相当します。
敷布団・マットレスが変わったときも要注意
敷布団やマットレスを変えると、枕の高さ調節が必要になる場合があります。柔らかいマットレスで腰が沈むと相対的に枕が高くなりすぎることがあります。枕・体・寝台の三位一体で合わせることが重要です。
ストレートネックの枕はオーダーメイドと手作り、どちらがいい?
枕の3大条件(高さ・硬さ・形)を、個人の体格や体重・マットレスの変化に合わせて細かく調節するには、市販の枕ではほとんど対応できません。
そのためオーダーメイド枕が理想的ですが、難しい場合は手作り枕でもしっかり調節することで対応できます。
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「枕外来のオーダー枕」
私の枕外来には,朝から肩がこる,枕が合わない,何度も目が覚める
オーダーメイド整形外科枕
という患者様が沢山来院します。
好みで枕を選んでいませんか?首を休めるための枕は、
体格によって適合する高さが違います。
ストレートネック用の医療用枕は必要?枕で首の痛みは治る?
「ストレートネック 医療用枕」で検索される方が多いですが、特別なカテゴリの「医療用枕」が存在するわけではありません。重要なのは体格に合った3大条件を満たした枕を選ぶことです。
また「枕でストレートネックが治る(骨の角度が変わる)」ことは非常に稀です。しかし、適切な枕を使うことで首の痛み・肩こり・手のしびれなどの自覚症状は大きく改善します。
ストレートネックがある方もない方も、適切な枕を使うと症状が同等に改善したという研究結果があります。骨の角度より、症状を改善することが最も重要です。
ストレートネックとは?定義と角度をレントゲンで解説
何を見てストレートネックと判断するか
そもそも「ストレートネック」という言葉は、整形外科学会が定めた医学的な術語ではありません。首が真っすぐな状態を説明しやすいとして使われるようになった表現です。病院でも整体でも使われますが、統一した基準があるわけではありません。
「肉眼で見た」「レントゲンで見た」どちらをストレートネックと呼ぶかの決まりもありませんが、骨の状態を正確に把握するには本来レントゲンで確認すべきです。
ストレートネックの定義
国際的に統一された絶対的な定義はありませんが、一定水準の学術誌に発表された論文を参考に定義をご紹介します。論文ではレントゲンの撮り方と、角度の基準が示されています。
ストレートネックの角度
首の骨を横から見た解剖を確認しましょう。

首の骨は7つあり、2番から7番の骨の後ろ側にそれぞれ線を引き、その交わる角度でストレートネックかどうかを判断します。

前弯(ぜんわん)——一般的に良い状態

2線の角度が-4度より小さく、生理的な前弯(正常なカーブ)がある状態。
ストレートネックのレントゲン画像

2線の角度が-4度から+4度の間をストレートネックと定義しています。
後弯(こうわん)——ストレートネックよりさらに悪い状態

2線の角度が+4度より大きく、首が後ろに反ってしまった状態です。
ストレートネックのよくある症状と原因
ストレートネックと症状の関係——痛みと直結しない

ストレートネックのよくある症状として肩こり・頭痛・手のしびれ・背中の痛みなどが挙げられますが、これらはストレートネックの人だけに起こる症状ではありません。
実際、当院の研究でもストレートネックがあってもなくても症状にはあまり大きな変化がなく、適切な枕を使うことで両方とも同等に改善するという結果が出ています。
ストレートネックを怖いと感じるのは、治療でそう言われたからであり、骨の角度そのものが問題なのではありません。大切なのはストレートネックを治すのではなく、自分の辛い症状を治すことです。
410人の研究データから導き出した
「ストレートネックの方のための枕」
ストレートネックそのものを無理に矯正する必要はありません。大切なのは、あなたの体格に合わせた「5mm単位の高さ調節」で、首の自覚症状(痛み・コリ・しびれ)を改善することです。
【対面】プロが細かく高さを測定
お近くの店舗を予約する【通販】自宅からAI自動計測
オンラインで購入する※枕で骨の形状は変わりませんが、正しい睡眠姿勢によって首の負担を最小限に抑えます。
ストレートネックの原因——スマホ・パソコン姿勢との関係は?

「スマホ・パソコンの悪い姿勢がストレートネックを作る」とよく言われますが、悪い姿勢が直接首の骨の並びをストレートにするという科学的な証明は、私が調べた限りありません。
実際に当院では怪我・事故歴のない10歳以下のお子さんが最初のレントゲンからストレートネックだったケースもあり、生まれつきである可能性も含め、科学的にははっきりわかっていません。
ただし「スマホ・パソコン使用時の不良姿勢が肩こり・頭痛・手のしびれを引き起こす」ことは確かです。首がストレートでも正常なカーブでも同じように症状は起こりますし、姿勢を直すことで症状は改善します。
ストレートネックの診察とレントゲンについて解説
ストレートネックの問診(もんしん)

いつから・どんな症状が・どこに起こっているのか、続いているのか一時的なのか、鈍痛なのか——これらを聞き取ることが診察の第一歩です。ストレートネックと自覚している方にも、この情報はとても重要です。
ストレートネックの触診(しょくしん)

首の可動域・圧痛点・手の握力・感覚障害などを確認します。これはストレートネックだからではなく、首の症状(頚椎症状)の診察として行っています。あくまで画像検査でストレートネックかどうかが分かる、という点を念頭に置いてください。
ストレートネックのレントゲン——6方向撮影の意味
首のレントゲンは正面・横向き・前屈・後屈・左斜め・右斜めの6枚を撮ることで、さまざまな情報が得られます。
正面からのレントゲン

首の横への曲がりや左右の異常の有無を確認します。
横向きからのレントゲン(ストレートネック判断はここ)

首全体の並び・ズレ・骨の変形・椎間板の状態を確認。ストレートネックかどうかの角度もここで測ります。
前屈・後屈のレントゲン

首を動かしたときのズレを確認。神経を挟む問題がないかを調べます。
左斜め・右斜めのレントゲン

神経の出口の穴(椎間孔)の狭まりを左右から確認します。
ストレートネックかどうかより、私が重視しているのは首の中に神経を痛めてしまう悪い原因がないかを探すことです。
ストレートネックの治し方——枕で治る?整形外科での治療法
枕で治る?レントゲンの角度は変わる?
何万例と患者様を見てきましたが、治療をしてもレントゲン上の首の角度はほとんど変わりません。症状が完全に良くなってもストレートネックのレントゲン所見は変わらないことがほとんどです。
つまり大切なのは「ストレートネックが治るかどうか」ではなく「日常生活を妨げている自覚症状が改善するかどうか」です。
当院では以下の4つの柱で治療を組み立てています。
日常生活の指導
姿勢指導
日中は意識があるため自分で姿勢を直せます。しかし夜は意識がないため、枕が睡眠姿勢を全て管理します。意識のない睡眠中こそ、適切な枕が最も重要です。
運動指導
1日5分〜3分でも構いません。体を動かす習慣を身につけることが大切です。3種類の体操(座ったまま・立ったまま・寝たまま)を症状に合わせて実践してください。
投薬・リハビリ
外用剤
湿布や軟膏。副作用が少なく患者様の抵抗感も少ないため、症状が取れる場合は第一選択になります。
内服薬の種類
鎮痛剤(痛み止め)、筋弛緩薬(筋肉の緊張を緩める)、ビタミンB12(末梢神経を回復させる)、抗うつ剤(うつ病による肩こりに)、神経障害性疼痛治療薬(慢性的な痛みに)などを症状に応じて選択します。
注射・点滴
筋肉や神経のブロック注射、神経に有効な薬を使った点滴で、難治性の症状を緩和します。
リハビリテーション
牽引・温熱療法などの物理療法と、理学療法士による運動療法を組み合わせます。
ストレートネックのセルフチェック——整形外科を受診すべき?
ネット上にはさまざまなセルフチェック方法がありますが、根拠が疑われるものもあります。自覚症状が辛い方は、ストレートネックのチェックより症状の相談として医療機関を受診することをおすすめします。
保険診療は「症状・障害」に対するものなので、症状がない状態でストレートネックだけを調べることは通常対象外となります。症状があるからこそ病院での診断治療が必要なわけで、ストレートネックだけを心配する必要はないのです。
ストレートネックのセルフケア体操
セルフケアとして、当院では生活シーン別に3種類の体操をおすすめしています。ただし、誤ったやり方をすると逆に痛みが強くなったり手がしびれる場合もあるため、体操の仕方が非常に重要です。
座ったまま体操

デスクワーク中など、座りっぱなしの時間に行える体操です。
立ったまま体操

接客業など立ち仕事が多い方に向けた体操です。
寝たまま体操

朝目が覚めた直後に行う体操です。寝ている間に固まった筋肉をほぐします。
ストレートネックのレントゲン像と症状変化——実際の症例
症状とレントゲン上の首の角度が一致しないことを具体的にお伝えするため、患者様のご承諾を得てレントゲンをご紹介します。
症例①:首の痛みが強くなり手がしびれた40代男性

最初に症状がなかったときの角度:0度(ストレートネック)。その後症状が出たときの角度:-3.9度(同じくストレートネック)。ストレートネックという状態は変わらないのに、症状は全く変化しているのです。
症例②:交通事故後にむち打ち症になった女性

肩こり程度の症状のとき:角度13度(後弯)。事故後に頭痛・激痛があるとき:角度3.7度(ストレートネック)。症状が悪化しているのに首の角度は改善しているという逆転現象が起きています。
症例③:症状が何度も変わった40代女性

4回のレントゲン撮影で角度は-23.8〜-36.5度の前弯を保ち続けたにもかかわらず、症状は背中の痛み→頭痛・首の激痛→改善→再発と大きく変化しました。首の角度と症状は相関しないことが明確に示されています。
大切なことは自覚症状を改善すること
ストレートネックの骨の角度を怖がったり、角度を直さなければいけないという考え方は正しくありません。自覚症状を改善するために、体格に合った適切な枕を使い、姿勢管理とセルフケアを続けることが最も重要です。
410人の研究データから導き出した
「ストレートネックの方のための枕」
ストレートネックそのものを無理に矯正する必要はありません。大切なのは、あなたの体格に合わせた「5mm単位の高さ調節」で、首の自覚症状(痛み・コリ・しびれ)を改善することです。
【対面】プロが細かく高さを測定
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オンラインで購入する※枕で骨の形状は変わりませんが、正しい睡眠姿勢によって首の負担を最小限に抑えます。
ストレートネックと枕に関するよくある質問(Q&A)
Q1:ストレートネックに合う枕はどんな枕ですか?
A:「①体格に合った高さ」「②頭が沈み込まない適度な硬さ」「③寝返りしやすい平らな形」の3条件を満たす枕が最適です。首にカーブをつけるための凹凸枕は医学的根拠が乏しく逆効果になることがあります。整形外科医による410人のMRI研究では、症状が改善した方の寝ているときの首の角度はストレート(約15度前後)でした。
Q2:ストレートネック用の医療用枕は必要ですか?
A:特別な「医療用枕」が必須というわけではありません。重要なのは体格に合った3大条件(高さ・硬さ・形)を満たすことです。市販枕ではこの条件を個人の体格に合わせることが難しいため、オーダーメイド枕が推奨されます。ストレートネックかどうかより、首の痛みや肩こりなどの自覚症状の改善が最重要です。
Q3:枕でストレートネックは治りますか?
A:レントゲン上の首の骨の角度を枕で変えることは非常に困難です。しかし首の痛み・肩こり・手のしびれなどの自覚症状は、適切な枕を使うことで大きく改善します。ストレートネックがある方もない方も、適切な高さの枕で症状が同等に改善したという研究結果があります。「骨の角度を治す」より「症状を治す」という考え方が重要です。
Q4:ストレートネックの枕の高さはどのくらいが正しいですか?
A:適切な高さは体格(体重・肩幅・首の長さ)によって個人差があります。体重5kg前後の増減で適切な高さが変わるため、体重が変わったときは見直しが必要です。枕が低すぎると首の筋肉が緊張し、高すぎると首筋が引っ張られます。オーダーメイド枕では5mm単位で調整します。
Q5:ストレートネックを自力で治すことはできますか?
A:レントゲン上の首の角度を完全に変えることは非常に困難です。しかし大切なのは骨の角度ではなく、肩こりや頭痛などの自覚症状の改善です。適切な枕の使用・姿勢指導・セルフケア体操で症状は改善できます。症状がひどい場合は整形外科の受診をおすすめします。
Q6:スマホやパソコンの使いすぎがストレートネックの原因になりますか?
A:不良姿勢が肩こりや頭痛を引き起こすことは確かですが、姿勢が直接首の骨をストレートにするという科学的証明はされていません。生まれつきの場合もあります。姿勢を正すことは症状の改善に非常に有効ですが、骨の形を過度に心配する必要はありません。
Q7:整形外科を受診して「ストレートネックか診てほしい」と言えば検査してもらえますか?
A:日本の保険診療は「病気や自覚症状」に対する治療が対象です。痛みやしびれがない場合、検査は対象外となるのが一般的です。首の痛みや肩こりがある場合は、レントゲン検査等で原因を詳しく調べることが可能です。
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山田朱織枕研究所では整形外科枕という、睡眠姿勢によるさまざまな症状の改善を目的としたオーダーメイド枕を提供しています。整形外科枕は16号整形外科の山田朱織医師監修のもと、開発されました。

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「山田朱織(やまだしゅおり)とは?」
16号整形外科院長 医学博士
㈱山田朱織枕研究所 代表取締役社長 マクラ・エバンジェリスト
治療の一環として枕を指導する「枕外来」を開設し、
睡眠姿勢や枕の研究を行っております。
普段から診察室で患者様にお伝えしていることを
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