天気が悪いと頭痛になる理由|気圧が上がっても下がっても痛みが出る可能性
16号整形外科院長であり山田朱織枕研究所代表の山田朱織(やまだしゅおり)が解説します。
普段から診察室で患者様にお伝えしていることをできるだけそのままお伝えします。
今回は「天気が悪いと頭痛になる理由|気圧が上がっても下がっても痛みが出る可能性」についてお話をしていきたいと思います。
私の整形外科の外来でも気象病の患者様がたくさんいます。
患者様のお話を聞いてみると天気の悪い日に頭痛でお悩みの方は多いようです。
天気に左右されて、頭痛が出ることにも不安で、頭痛の痛みだけではなく気持ちも滅入ってしまって辛いということをお話しされます。
今回はこの頭痛と気象病についてお話します。
気象病の情報の発信についてはアカデミックな研究をなさっている愛知医大病院 疼痛緩和外科いたみセンターの佐藤純先生の論文や様々な文章を参考にさせていただいております。
天気が悪いと頭痛が起こるメカニズム
気圧の変動による症状の変化
2017年にカナダで行われた研究をご紹介します。
11人の咀嚼(そしゃく)の時に痛みを感じる患者様と20人の片頭痛を持った患者様を対象に行われました。
咀嚼(そしゃく)の患者様をA群、片頭痛の患者様をB群とします。
その患者様たちに2週間の間、1時間ごとの咀嚼(そしゃく)の痛み、片頭痛の痛みについて記録をしていただいたんですね。
その時、同時に気温・気圧・湿度といった気象条件も一緒に記録してもらったんです。
その結果を見ると不思議なことに、咀嚼(そしゃく)で痛みのあるA群の方は気圧が下がると痛みを感じ、片頭痛のB群の方は気圧が上がると痛みを強く感じるということが分かったんです。
気圧が下がる時と上がる時のどちらで痛みが出るかということが違っていて大変興味深い結果となっています。
当院の患者様のお話を伺っても気圧が上がると辛い、下がると辛い、もしくは変動することで辛いというようなお話を聞きます。
これは佐藤先生も仰っているんですがそれには差があるということです。
また、ある研究者の方は変動こそが痛みの原因になっているんではないかというお話もありました。
今はどんどん最新の研究結果が出ているという時期だと思います。
患者様が天気が変わるとき自分は天気予報のように痛みが出てわかるんだと仰います。冗談のように聞こえるかもしれませんが、天気予報になりますねなんていうことは気軽には言えません。
その患者様本当に苦しんでいるわけなんですね。
気圧が変わると自律神経に影響する
なぜ頭痛が天気が悪いと起こるのかというと自立神経が影響していると言われています。
自律神経は交感神経と副交感神経と2つあって、その働きによって体が安定しています。
交感神経は活動するときに働く神経、副交感神経はリラックスするときに働く神経です。
この2つの神経が適度にバランスを取ってくれていればいいんですが、それがアンバランスになると自律神経の障害が出ると言われています。
これがすなわち気象病の原因と考えられているわけです。
気圧感知センサーが敏感になっている
内耳に気圧感知センサーというのが誰にでもあるんですが、これが気象病の方は感受性が非常に敏感になっているんです。
気圧の変動を敏感に察知すると、中にある前庭神経という神経が興奮してしまいます。
それによって自律神経がアンバランスになります。
交感神経が興奮してしまうと、頭痛・めまい・関節痛が起こります。
一方で副交感神経が興奮すると、だるさや眠気や鬱が出てくるんです。
どちらも全然違う症状ですが、それがどちらも出てしまいます。
自律神経のアンバランスが起これば誰にでも出る可能性があるんですが、気象病を持ってる方はより強く症状が出てしまうということでお辛いわけです。
今回は気象病の病態、天気が悪いと頭痛になる理由|気圧が上がっても下がっても痛みが出る可能性についてお話をしました。
気象病の対策については、別のコラムで詳しく解説していきますのでご参考になさってください。
本コラムの内容は動画でもお話ししています▼
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