コラム詳細

60代から80代の枕の高さ・枕調整はどうする?

16号整形外科院長であり山田朱織枕研究所代表の山田朱織(やまだしゅおり)が解説します。


山田朱織って誰?

プロフィールをご紹介

今回は年代別枕の高さと枕計測・調節の注意点ということでお話をしたいと思います。

今回の年代は60代から80代ですね。

最高年齢層で考えた時に、どんな体の特徴があるかについてお話したいと思います。

どうしても60代から80代になってると体の2大特徴が出てきます。

目次


60代から80代の体の特徴

1、円背(背中の丸み)

2、体の硬さ

これは人間どうしても仕方ないことです。

もっと言えば、動物はみんなそういう自然経過をたどるわけです。

じゃあ枕計測はどうするかというと、この変化した体に適宜合わせていくことが大事なんです。

枕は市販のものを買ってきて、これを使って合わなくなったらまた変えようということじゃなくて、ちゃんと高さが調節できる枕を適宜体の変化に合わせて微調節していくことということがとてもとても大事なんです。

例えばお背中がぐんと丸まってきたとして、若い人なら寝るとスーっと背中は伸びます。

デスクワークが長かったりでちょっと姿勢が悪くなっていたとしても、寝ればスーッと体は元に戻って背中が伸びるんですね。

これが体が硬くなってきた高齢者の方だと、背中が丸いまま寝てもすぐには伸びないんですよ。

ちょっとの間固まっている、もしくはもう全体が伸びなくてそのまま寝ることになってしまう方もいらっしゃるんです。

この場合は枕の高さを相当高くする必要があります

要は背中が伸びないわけなので、その背中の丸みがあるせいで頭が枕から浮いてしまうんですね。

その空間をちゃんと埋めるぐらい枕の高さを高くしないといけないわけです。


83歳の患者様例

私のとても思い出深い患者様を例に出すと、約20年近く前なんですが当時83歳の女性の高齢の患者様がいました。

ご夫人を息子様が連れて16号整形外科にいらっしゃいました。

夜中にも首の痛みがひどくて、食道のご病気もあったので寝てる間に吐いて戻してしまう、そして辛いから泣いてしまうというような毎日繰り返されていたんです。

様々な病院で診てもらったんだけども問題が解決しないということで、ある日当院にいらっしゃいました。

診るとものすごい背中の丸みで、レントゲンを撮ると多発骨折といって胸椎・腰椎がいくつも骨が潰れていました

原因は骨粗鬆症ですね。

そのようなぐぐっと曲がってしまったまさに戻らないような背中の丸みと体も硬いという方でどうなったかというと、ものすごい高い枕になっちゃったんですね。

男性で言えば例えば身長180cm以上、体重が80~90kgぐらいある体が大きい方と同じぐらいの高い枕になりました

そして枕を作って使い始めていただき、次に受診した1ヶ月後には本当に肩こりも良くなるし、何しろ夜中に辛くて泣いて起きるってことはなくなったそうです。

トイレの回数もとっても減ってすごく眠れのようになって元気になられました。

その後、心配だったんで2~3年前にお電話したら、施設には入ってましたがお元気で息子様は今でもちゃんと枕の高さを調節して差し上げていました。

体格に合わせて枕の高さ調節をするってこがどんなに大事か、そして今回の60代から80代はより一層それが大切ですよっていうことをお伝えしたいと思います。


今回の年代別シリーズとして、10代から始まり80代までお話ししました。

皆様はどの年代に当てはまりますでしょうか。

そして何年か経てば次の年代になると思います。

そんな時に今回のお話を思い出していただき、枕の調節をしていただければと思います。


本コラムの内容は動画でもお話ししています▼


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