睡眠と痛みの関係性~寝れないと痛みが増す?~
16号整形外科院長であり山田朱織枕研究所代表の山田朱織(やまだしゅおり)が解説します。
今回は睡眠と痛みの関係性についてお話していきたいと思います。
私の得意領域でもあるわけなんですけども、16号整形外科にいらっしゃる患者様は何を問題にされているかっていうと、よく聞く訴えとして「痛いから寝れないんです」とおっしゃるんです。
多くの方が痛みと 眠れない睡眠障害に悩んでいます。
膝や首が痛いから夜寝れなくて目が覚める、目が覚めたからトイレに行く、みたいな感じで痛みがあって睡眠が障害されていると考えるんですけれども、実は必ずしもそうとは言えないんですね。
痛みと睡眠障害の悪循環
痛みが長い間続いたり、強い痛みが出たりすると睡眠が障害されるというのは当然のことです。
でも睡眠障害が慢性的になってきたり、毎晩毎晩ひどくて眠れないことが続いていくと、今度またこれが痛みに跳ね返っていくんですね。
そして、もっと痛くなったらもっと眠れなくなります。
そしたらもっと睡眠障害から痛みを強く感じるようになってしまい悪循環になります。
この悪いループを断ち切らないといけないわけです。
そこで薬を飲むというのが一つの方法です。
痛みがあるから痛み止めを飲む。睡眠の障害を取るために睡眠薬を飲む。
いずれにしても、悪い悪循環のどこかを断ち切るということができればうまく眠れることに繋がっていく可能性はありますよね。
痛み止めを使うのか、睡眠薬を使うのかはその1人1人のケースによってよく考えて選択しなければいけないと思います。
痛みの種類と薬
痛みというのは色々な原因があります。その痛みの原因によって痛み方はちょっと違ってたりするんです。
そして、それに対して治療薬とか、治療の方法っていうのも変ってくるんです。
侵害受容性
怪我や炎症、物理的な損傷によって起こるもの。
ガラスが割れて切れちゃったというような場合、いわゆる痛み止めを使いましょう。
薬局で販売していたり、病院で処方してもらえます。
その薬は炎症鎮痛剤なんていう風に言います。
神経障害性
神経が損傷されるもの。
長い間痛みの感覚が続いている場合に、痛みに対してだんだん過敏になっていきます。
そうなると気持ちもまいってきます。
これによって痛みに対する感受性がどんどんひどくなっていき、痛みに侵害されてない時でも痛みを感じるようになってしまうんです。
いわゆる過敏反応という風に考えてください。
これに対しては例えばプレガバリンというお薬があります。
これは神経障害性疼痛のちょっと特殊なお薬になります。
心因性
これは何も悪くないんだけど、メンタルが傷つくことによって首が凝る、首が痛い、頭が痛いと思ってしまうのです。
心因性のものに対しては、体がどこか悪いわけではないので痛み止めを使っても全然効きません。
神経障害性の薬を使っても効きません。
これには精神に対する治療であったり、薬物療法が必要になってきます。
プレガバリンの効果
プレガバリンという成分のお薬について詳しくお話ししたいと思います。
このお薬は痛みも取ってくれるんだけど、副作用に眠たくなるっていうのがあるんですね。
飲んだ方は全員というわけではないですが、一部の方は痛みも取れるけど、結構眠れるなって思うんですね。
日中にも飲めますが夜飲むと副作用なんだけど、ある意味お薬がよく働いて眠れちゃうというわけです。
そうすると痛みと睡眠障害が両方に効果があり、悪循環を断ち切れてまさに一石二鳥です。
そんなお薬もあったりするので、使う方の症状によってはそれは副作用ではなく功を奏することもあるんだということです。
枕も一つの解決方法
枕を適切に合わせることで、夜中に痛くて目を覚ましたりということがなくなって、ぐっすり寝れるようになるんです。
枕という誰でも夜中に使うものを適切に自分の体に合うものに変えるっていうだけで、痛み止めを飲んだり、睡眠の副作用のあるようなお薬を使わなくてもしっかりと眠れて痛みも取れるんですね。
悪循環を断ち切る為の適切な枕には3つの条件があります。
1、体に合った高さ
2、適度な硬さ
3、平らな形
凹凸枕や羽毛の柔らかい枕では、首の姿勢が悪くなり寝返りがしづらく負担がかかってしまうので、うまく眠れず悪循環の原因になってしまいます。
もし合わない枕を使っている方は、適切に枕を合わせていただければ痛みと睡眠障害にとって有効ですので、是非今晩から試してみてください。
本コラムの内容は動画でもお話ししています▼
-
「5mmを調整する枕」
靴は5mm単位で自分のサイズを決めているのに。
オーダーメイド整形外科枕
365夜、あなたの首を支えているのは枕だけ。
医学的研究と臨床経験の中で生まれた当社の計測方法は、
あなたにジャストフィットする、5mmを調整します。