腰椎椎間板ヘルニア患者の1か月後の経過を診察
16号整形外科院長であり山田朱織枕研究所代表の山田朱織(やまだしゅおり)が解説します。
前回の診察で腰椎椎間板ヘルニアと診断されてから1か月が経ちました。
治療を開始して症状はどう変わったでしょうか。
1か月後の診察の様子をお届けします。
ジョギングができるようになった
山田:あれから1ヶ月経ちましたね。点滴も全部終わりまして症状はどうですか?
患者:そうですね、本当最初の頃は買い物に歩いてるだけでも、もう10分で足が疲れちゃって歩けなくなってたぐらいだったんですね。
だいぶ回復してきて、軽いジョギングぐらいはできるぐらいになりました。
山田:1ヶ月でだいぶ改善しましたね。
患者:そういう感じがします。
山田:しびれの感覚はどうですか?
患者:しびれもそうですね、全然ないわけではないんですけど前に比べたら普通な感覚に戻ってる気はします。
山田:それは良かったです。自覚症状はだいぶ良くなったようですね。
それでは客観的に見て大丈夫かどうか、どう変わってるか診察させていただきます。
触診して確認
押したときの痛みは?
山田:この間痛かった3番4番という場所を押してみますがどうですか?
患者:そんなに痛くないです。
山田:この間ほどは痛みはないですね。
上の方と比べてもそんなに大差ないですか?
患者:そうですね。大丈夫です。
山田:お尻はどうですか?
患者:お尻はちょっと痛みがあります。
山田:ちょっとありますね。この間1番痛かったところがこ太ももの裏ですがどうでしょうか?
患者:そうですね。やっぱりちょっと痛いですけど前ほどじゃないです。
山田:前回ほどではないですね。ふくらはぎはどうですか?
患者:全然痛くないです。
山田:全然痛くないですね。だいぶ回復してますね。左の座骨神経は回復しているようです。
では仰向きお願いします。
足を上げますね。この前は右足はしっかり90°上がっていました。今回左足どうでしょう。
上がるようになりましたね。突っ張り感ないですか?
患者:そうですね。1番上まであげるとちょっと貼る感じはありますけど痛みは走らないですね。
山田:では力が入るか見てみましょう。右も左もしっかり上に持ち上げてください。
だいぶ力出るようになりましたね。完全にとは言わないけれども8割方回復していると思われます。
今度は下に蹴るように力を入れてください。
下はもう全然問題ないと思います。
左右の感覚の違いは?
山田:では感覚を見ていきます。左右どうですか?
患者:そんな変わらないですね。
山田:はっきり分かるのを10とするといかがですか?
患者:ちょっとだけフワッとした感じありますけど9ぐらいわかりますね。
山田:足の外側触りますがこの辺はどうですか?
患者:それも9ぐらいです。
山田:ほぼ同じくらいですね。だいぶ回復したと思います。
感覚神経も筋肉の方の運動神経もこの間から比べれば7~8割以上回復しています。
では起き上がっていただいて、軽くでいいのでちょっと指先力入れて踏んでみてください。
どうですか?そんなに怖くなく立てますか?
患者:そうですね。そんなに左右変わらない感じですね。
山田:ただまだですね、左足の方がやっぱりちょっと細いんですよ。
右足の方がしっかりしてるので、過信せずに段階的に運動の量を増やしていくということをお気をつけください。
山田:診察させていただくと、明らかに筋力も感覚も良くなってますね。だいぶ改善されたと思います。
患者:ありがとうございます。
山田:当初は手術、例えば内視鏡的にヘルニアを取るという手術もちょっと考えてはいたんですけど、この1ヶ月の回復ぶりを見ると非常に良い状態なので、今は手術を考えるというよりは残りの僅かなしびれは1~2ヶ月時間をかけて取っていけばよろしいかと思うんですね。
患者:良かったです。
山田:1番心配した筋力低下、足の力が落ちてるところや感覚については改善が見られるので、このまま保存的といって手術じゃない方法でいきたいと思います。
患者:はい、わかりました。ありがとうございます。
ぐっすり眠ることも大事な治療
山田:寝る時の枕もご自宅から持ってきていいた素材で、理学療法士が手作り枕を作らせていただいて使っておりますがどうですか?
患者:そうですね。腰に効いてるのか分からないんですけど、そもそも首とか肩がすごい楽になって寝返りもすごいスムーズに打てている気がします。
山田:以前はおそらくそのしびれから腰の症状が寝返りの時にちょっと気になるとかあったかと思うんですが、良くなってるんじゃないかと思うので本当に枕も重要です。
眠りも少し例えばぐっすり眠れるようになってたりしますか?
患者:そうですね。なんか眠りが深い気がします。
山田:しっかり夜中に起きないで眠れるっていうのも重要なことなんですね。
痛みとかしびれという自覚症状を改善するために大事な要素だっていうのが、実は科学的にも分かっているんです。眠れるっていうのはとても大事なことです。
これからも是非手作り枕、時々高さをチェックしながら使ってください。
患者:はい、わかりました。
これからの治療について
患者:点滴はもう終わりになって、あとはもうお薬とかは何もなしになっちゃうんですか?
山田:そうですね、あの時点滴していた薬剤はノイロトロピンとメチコバールとお話しましたが、この2つ実は飲み薬でもあるんですよ。
患者:そうなんですね。
山田:この少し飲み薬をこれから1~2ヶ月続けていただいて、しびれが取れるかどうかを見ていきましょう。
患者:はい、分かりました。
山田:注意するのは今まで通り温めて冷やさないこと。お薬を飲んでいただくこと。
そして運動ですが少しずつ始めていい んですが、まだ完全に力が戻ったわけではないので力を入れてダッシュするとか、ラグビーのような運動まだもう少し控えて自主練のようなことから始めていただければよろしいかと思います。
患者:わかりました。
まとめ
この度の患者様は50代の男性の方でした。
以前から腰痛はあるけど、突然始まった足のしびれということで来院されました。
腰椎椎間板ヘルニアの診断をいたましたが、このような症状の出方というのは比較的よくあることです。
慢性的に腰痛を持っていて、MRIでも椎間板大丈夫だと思っていても、ある時突然椎間板ヘルニアが起こってしまうこともあるので、こういった場合は必ず医療機関にご相談をください。
今回のように適切な治療が短期間行われて症状が回復する例もあります。
一方で手術になるケースもありますので、専門家の意見に従ってきちんと治療することが何より大事です。
今回やらせていただいた手作り枕、寝る時の睡眠姿勢を整えることもこの脊椎の病気、背骨の病気にとってはとても重要です。
寝りがスムーズにできて腰に負担をかけないことも、とてもヘルニアの治療には大事だと私考えております。
腰痛、足のしびれにお悩みの方は枕の調節も試してみてください。
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