高齢者は特に注意!大雪の日に多い骨折が心配
今回は整形外科医の本音シリーズ「東京・神奈川大雪警報の日」というタイトルでお話をしたいと思います。
なぜこのタイトルなの?と思われるかもしれませんが、2024年2月5日、大雪が降りましたよね。
私はもうこの大雪が降る、警報が出ていると毎年毎年心配になるんです。
それは当院に通ってくる整形外科の患者様のことです。
雪の日に多い骨折
雪に慣れない関東の人間は雪が降るとなんだかちょっと嬉しいんだけれども、外を歩くと滑って転んでしまう方は多いですね。
転ぶと手をついたり、尻もちをついたり、足を打ったりして様々な骨折が発症します。
車の事故もあったりしますが。やはりこの骨折というのが心配なんです。
特に骨粗鬆症で少々骨が弱くなっているご高齢の方が危険なんです。
転ぶとまず第1に手首をついて手首の骨が折れます。
尻もちをついてしまうと、腰骨潰れて圧迫骨折を起こします。
また、転び方が悪くて腰をひねると股関節の足の付け根の骨が折れます。大腿骨警部骨折と言います。
様々な骨折が起こることによって、何週間から何ヶ月もかかる大変な治療行うことになってしまうこともあるんですね。
ちなみに私も50歳を過ぎて骨粗鬆症になり、そのお薬を飲む1人の患者でもあるわけですので自分も含めて、この大雪警報というのは注意しなければなという風に思う日なんです。
雪の日でも元気に来院される高齢の患者様
90歳男性
雪の日は当院では朝から雪かきが始まるんですね。
駐車場や玄関に入るための通路、ここに雪があっては患者様が骨折してしまう危険がありますので雪を全部取り払うために16号整形外科、山田朱織枕研究所みんな総出で雪かきをするわけです。
病院と会社が始まる9時前にやっと綺麗に雪が取り除かれて、患者様が入ってきます。
こんな大雪で最低気温が0度下回り、積雪も10cmと予報されていたのできっと患者様はほとんど来れないのではないかなと思ったんですが、なんとその日2番目に来院された患者様は90歳を超えていました。
バスに乗って1人で来院されたんです。
診察台の上に上がった時に靴下が濡れていたので靴下濡れちゃってますよって言うと、バスを降りた時にズボッと足が入ったら長靴の端から水が入ったんだよっておっしゃるんですね。
90歳を過ぎる方が1人でバスを乗り継いで来院されることに涙が出そうになりました。
その方はしっかりとお膝の注射をして、絶対に濡らさないように帰ってくださいねとテープをしっかり貼って元気に笑って帰宅されました。
85歳女性
その後いらっしゃったのは85歳の女性の方です。
この方もこんな雪の日に1時間もかけて電車を乗り継いで1人でいらしたんですね。
何もこんな日に来なくても予約を入れてたのを変更すればいいじゃないですかと申し上げたところ、「雪が降ってるから病院が空いてるから待たないで診てくれるかなと思って来たんだよ」と、おっしゃるんです。
考え方がビッグですよね。
そしてレントゲンを撮り首の治療の説明をして、枕を整える手作り枕の方法も教えて差し上げてその方は元気に帰っていきました。
高齢の方でも自分の意思があって、しっかり雪にも注意をしてそして来院され治療を受けて帰宅していく。
私も足腰をしっかり守りながら、骨粗鬆症に負けずに元気でいなければと思いました。
患者様から逆に私が元気をもらった大雪警報の日でした。
他愛もないことですけれども、雪が降れば雪が降ったなりにたくさん思うところ、感じるところがありました。
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