コラム詳細

整形外科に来る小児の患者様

16号整形外科院長であり山田朱織枕研究所代表の山田朱織(やまだしゅおり)が解説します。


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整形外科医が語る本音シリーズ、今回は「小児の患者様」というお話をしたいと思います。

小児と聞くと、皆様やはり小児科という言葉を思い出すと思うんですが、小児というのは厳密な定義は実はないんです。

日本小児科学会では、中学3年生15歳ぐらいまでを大まかに小児と呼んでいます。


目次


怪我・外傷だけではない

この小児の患者様が整形外科にもいらっしゃるわけですけれども、大抵の整形外科ではスポーツで怪我したとか、学校の体育で怪我したとかいろんな怪我外傷っていうのが圧倒的に多いと思うんですね。

でも当院は私が枕外来をやっていることもあって、首が痛い、肩こり、頭痛、眠れない、そんな悩みの小児の患者様がいらっしゃることがとても多いんです。

それも決して軽くはありません。

転々と色々な医療期間を回ってこられたり、とっても辛い思いをしていらっしゃるというケースが大半です。

その患者様が診察室のドアを開けて入ってこられた時に、この子は本当に長い間すごく辛い思いをずっと過ごしてきたんだなっていうことがなんとなくその雰囲気から感じることがあるんです。

少し背中を丸めていたり、体が横に少し曲がっていたり、姿勢が悪かったり、目線が落ちてなんとなく暗い雰囲気だったり、決して元気に入ってくるお子さんはいらっしゃらないわけです。

その何とも辛い憂鬱な雰囲気で姿勢が悪くなっている

医学的な側弯症とかいうことではなく、すでにその方の意識として正しい姿勢を取ることができず、辛い姿勢丸い姿勢になってることが多いんです。


症状が辛くて学校に行けない

この子は一体学校でどんな生活をしているんだろうとお母様お父様にお話を伺ってみると、学校に行く途中で頭痛がして結局登校できずに途中で帰ってきてしまうのだといいます。

何度も行こうとするんだけど、やっぱり途中で戻ってしまう。

また、なんとか学校に登校できても保健室で休むことが多い。

テストの時はなおさらのことで、俯いて勉強しているとより頭が痛かったりバリバリに肩が凝ってしまったり、まるで50代60代の首の中に変形が起こってきた患者様と同じような症状を訴えるわけです。

時には70~80歳の年齢の高齢者の方の姿を彷彿させるような見た感じのお子様もいらっしゃいます。

このような辛い症状を長年抱えてきた小児の患者様に対して、私たちがやることというのはただ1つ。

睡眠の姿勢を整えることです。

もちろん日中の体操も大事です。

けれどもまずは寝てる時の様子を聞いてみると、多くの方が寝ていても顔をしかめて苦しそう寝てるとか、頭が枕から落っこちてたり、とにかくうちの子はあっち行ったりこっちったりベッドから落ちてたり、布団の端っこの部屋の端っこまで体が移動してたり、頭と足が逆になってたり寝相が悪いんですっていうんですね。


枕が合っていないことが原因

子供さんが元気で寝相が悪いのではなくて、おそらく私は何か苦しいから動いてるんだろうと思うわけです。

そして、手作りの枕を教えてあげます。

お家にある素材でいいんです。

それで枕を整えて使っていただくと、親子さんがまず驚くのはなんと最近うちの子が枕にちゃんと頭が乗っかって寝てるんですっていう風におっしゃるんですね。

それでいいんです。そうなったら大丈夫です。

そうなれば休んでいる寝てる間にしっかり首の安静が取れて、翌日までには首が楽になります。

首が楽になれば肩が楽になるし、肩こりから来る頭痛であれば良くなるはずです。

実際に1~2ヶ月経って再度外来に来た際には、ドアを入ってきた時の表情が変わっていることはたくさんあります。

肩こり、頭痛、体のだるさ、疲労感、学校に行きたくない全て体の症状が消えているとすれば、決してメンタルだけではなく、体の症状を取ってあげることこそが心身ともに元気になる秘訣だと考えています。

1人でも多くの小児の患者様が、当院に来て手作りの枕を使って元気になっていくことを心から祈っています。


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