手のがしびれる!手根管症候群のセルフチェック、治療方法を解説
16号整形外科院長であり山田朱織枕研究所代表の山田朱織(やまだしゅおり)が解説します。
普段から診察室で患者様にお伝えしていることをできるだけそのままお伝えします。
目次
あなたの手のしびれ、手根管症候群と診断された方は必見です
今日はこの手根管症候群という病気について、その病気の特徴を知っていただくと共に、セルフチェックもご紹介しますので、疑いがある方はやってみてください。そして適切な診療科への受診をおすすめしております。
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しびれに対してどんな感じ方を持っていますか?
山田:最近、しびれを感じると伺いました。しびれに対してどんな感じ方を持っていますか?
モデル:僕は痺れって聞くとなんだか怖いイメージがあります。
山田:なぜですか?
モデル:実はおじいちゃんが10年前に手がしびれたと言ったら急に右半身もしびれてきて倒れちゃったんです。病院に運ばれて検査したんですけど脳梗塞と診断されました。
ここで重要なキーワードがありました。高齢の男性の方が脳の病気で半身の痺れが起こった。これは脳からくる脳の病気からくるしびれですね。
山田:その他にもありますか?
モデル:はい。母が右肩から手先まで痺れて手に力が入らなくなったんです。それでおじいちゃんのことを思い出して慌てて脳外科に受診したら、脳の病気ではないので整形外科に受診するように勧められました。
結果的には首のヘルニアと言われて治療したんですけど、現在は改善しております。
山田:つまり今の話からわかることは、お母さんの場合は首が悪くって同側の手がしびれたということですね。
モデル:はい。
今の話から分かるようにしびれが起こる一番大きな原因、重要な重篤の原因として脳の問題と首の問題があります。
脳が原因だと反対側の半身がしびれる。首が原因だと同側がしびれる
脳の場合は、病気の原因が起こった場所に対して反対側の半身がしびれる。
首の場合は、首が悪い部分に対して同側がしびれるということが起こります。
この特徴も踏まえどこに病気があるのかということが、私たち医療者の中では診断判断しております。
今日はこのしびれの中でも脳の病気や首の病気ではなく手先に起こってくるしびれ、手根管症候群という病気について詳しく説明をしていきたいと思います。
手根管症候群は手首から末梢先のしびれとしては最も多い
手根管症候群と言って、手首から末梢先のしびれとしては最も多いといわれている障害です。女性に多いです。
年間1000人中三人から四人ぐらいはこの病気を発生すると言われています。
原因は手の真ん中に走っている正中神経という神経、この正中神経が手首のところで圧迫されることによってその先にしびれが出たり、こわばりが出たりする病気です。
手根管症候群の原因
原因としてはこの手首のところの根と言って根っこのところが何かできもの、腫瘍であるとか骨であるとか、そういったものが無くても特殊な病気、糖尿病、リウマチなどさまざまな病気でこの部分が狭くなると、ここで正中神経が圧迫されて手先のしびれが起こってくるんですね。
手首を怪我した時、骨折の後などでも起こることもあります。症状がとても特徴的なんです。
山田:どんなときにそのしびれを感じますか?
モデル:明け方に手がしびれてこわばりがあります。しびれで目が覚めることもあります。
山田:しびれが出るから目が覚めてしまうわけですね。
手根管症候群の特徴|手を振るとしびれが軽くなる
モデル:そうなんです。手をこういうふうに振ると治るんです。
これが実は特徴なんです。フリックサインといってこのように手を振ると神経の圧迫が改善して楽になってしびれが軽くなったり取れたりするんです。
これも一つの特徴として覚えておいてください。
山田:どの指がしびれますか?
モデル:人差し指と中指がしびれます。あと少し親指の内側もしびれたりします。
実はこの手根管という場所で神経が圧迫されると、1番、2番、3番、4番、小指を抜かした指にしびれが起こることが多いんです。
特に一番最初に出る症状は2番や3番に出ることが多いです。
手根管症候群の特徴|OKサインがやりにくい
山田:このようにOKサインをしてみてください。やりづらいんですよね。
モデル:ちょっとやりづらいです。
このように正中神経が麻痺、もしくは不完全麻痺になるとOKサインがしにくくなる。
綺麗な円が作れなくなって下手な絵になったり、指がつかなくなったりいたします。
これも一つの兆候として覚えておいてください。
手根管症候群はこの手根骨という骨と、横手根靭帯という靭帯、これに取り囲まれた非常に細いトンネルの中に一本の正中神経と9本の腱が入っていますので、要は言ってみれば狭いトンネルの中がぎゅうぎゅう詰めになっています。
ここを中心に障害が出るわけです。
手根管症候群の診察|打腱器で叩く
ですので、この手根管症候群かどうかのテストする場合にはあえてそこの場所を叩いてみて障害が出るかどうか、もしくはそこを圧迫することで障害が出るかをテストするんです。
では、モデルさんご協力いただいてやってみましょう。
手首を貸してください。このように手根部、手の根っこの部分を打腱器で叩いてみます。
山田:どうですか?どこかにしびれがビリビリッときますか?
モデル:指先が痺れてきます。
山田:どの指ですか?
モデル:人差し指と中指あたりがしびれます。
この辺りの正中神経領域に放散痛、走るような痛みが出るとすればチネルサイン陽性と言って手根管症候群の可能性が出てきます。
手根管症候群の診察|手の甲同士をつける
ではもう一つ、手首をこのように合わせていただいて手の甲同士を圧迫するような形、これで1分間ちょっと我慢しましょう。
山田:どうですか?どこか指がしびれてきますか?
モデル:2番目3番目あたりの指が痺れてきました。
山田:どちら側ですか?
モデル:左側です。
左の2番3番、先ほどチネルサインが陽性だった部分がこの圧迫動作によって痺れてくる。これをパーレンテストと呼びます。
パーレンテストで神経を圧迫すると、正中神経領域2番3番あたりにしびれが出る場合もやはり手根管症候群が強く疑われてきます。
このように手根管症候群が強く疑われた場合には、決して一人で悩まずに整形外科の専門医に受診をしてください。
特に近年は整形外科も専門家が分かれています。
例えば手の専門、足の専門、肩の専門、首の専門、分かれていますので手根管症候群の場合は手の外科という手を専門にしている整形外科に受診していただくとより適切な診断や治療が受けられると思います。
手根管症候群の治療
では最後にこの手根管症候群の治療について少しお話をします。
しびれがあると怖いとおっしゃってましたよね。ですので適切な治療というものの体系を知っておけば受診をすることで、自分がどんな治療を受けるのかがおよそ想像がつくから安心していただけると思います。
まずは軽症の場合は薬物治療。例えば湿布を貼るとか薬を塗るとか、時には飲み薬を使うという方法があります。しびれを取るようなお薬になります。
それでも有効に症状が改善しない場合は注射腱鞘内内注入と言って、直接ここに注射を行います。
それでももし症状がよくならない場合、もしくは仕事で手をどうしても使うという場合はここにベルトをはめていただいて、手首の圧迫が起こらないような適切な装具バンドを作っていただくケースもあります。
様々な治療を行ってもどうしても改善しない場合には手根管の狭窄、狭くなっている部分を手術して切開することによって締め付けを取り除き神経を楽にするという方法があります。
いずれも手の外科、専門機関にかかっていただくことでより適切な治療が早期に始められると思いますのでタイミングを逃さないようにしてください。
今日はこの手根管症候群について、詳しい症状からテストの方法までお話してきました。
山田:治療についてもおおまかにご理解いただけましたか?
モデル:ありがとうございます。是非、私も受診してみます。
山田:ご家族にしびれがあって大変怖い経験をされたということですので、ご本人の病気が手根管症候群をなのかどうか適切に診断し治療を始めてください。お大事になさってください。
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