気象病とは?気象病で起こる症状と9つのセルフチェックを解説
16号整形外科院長であり山田朱織枕研究所代表の山田朱織(やまだしゅおり)が解説します。
普段から診察室で患者様にお伝えしていることをできるだけそのままお伝えします。
「気象病って何?」梅雨に起こりやすい体調不良ということでお話をしていきたいと思います。
整形外科の外来にも気象病を疑う患者様が増えている
皆さん気象病という言葉は聞いたことありますか?
「気象」病ですから、当然気象の変化に伴ってなんとなく体調不良が起こるということを予想するかと思うんですが、最近は私の外来にも本当にこの病気を疑う患者様がたくさんいらっしゃるんです。
もちろん以前からあったことなんですが、だんだん科学的に解明されてきていろんな病気の病態というものが分かってきたようです。
愛知医大の疼痛緩和外科いたみセンターの佐藤純先生という方の論文などを拝読してみるとそのことについて科学的な根拠がいろいろわかってきたことがわかります。
今回は気象病についてじっくりと考えてみたいと思います。
気象病とは?
気象病は気象のどんな要素が体に変化を与えるのでしょうか。
・温度
・湿度
・気圧
これらの変化が動物である人間に対して様々な体調に変化を及ぼすのです。
2015年に佐藤純先生が成人2600人に対して行った研究では、なんと39.3%約40%ぐらいの方が慢性的な痛みを感じていたそうです。
この慢性的な痛みを感じている方々に対してさらに詳しく伺ってみると、なんと48.6%という約半数の方が悪天候によって症状が悪化しているということが分かったんです。
いかに気温や気圧や湿度の変化が体に不調を及ぼして、それを感じている人がこんなにたくさんいるのかということに私は驚きました。
気象病の症状
気象病でどんな症状が出るのでしょうか。
よく聞くのは頭痛頭や肩こりや腰痛ですね。
頭痛・肩こり・腰痛と聞くと私の専門とする整形外科領域の症状が大変多いなあという印象があります。
実際に当院の患者さんでもそのような症状を訴える方が多いので、確かに気象と関係があるところだと思うんですが実はそれだけではありません。
ともすると喘息とか心の病気、不安、鬱なども気圧気温によって変化するんです。
なので体の運動器と言われる関節や筋肉や骨のみでなく、心の病気や呼吸器や内科領域の症状までが気象によって変化するということです。
気象病のセルフチェック
気象病なんですけれども単に体の様々な症状が出るというだけではなく、また体調が悪くなるんじゃないかなとかと不安になるということがあります。
そこでまずは自分の病気がどんな状態なのか本当に気象病なのかどうかも踏まえてしっかりと症状を自覚することが大事です。
そのためには佐藤先生たちが作られた気象病のチェック項目がありますのでしっかりチェックしてみてください。
チェックが多いほど気象病の可能性は高いです。
□天気の変化を敏感に察知する
□「もうすぐ雨が降りそう」「気圧が変化しそう」がなんとなくわかる
□天気の変化により気分が浮き沈みしやすい
□過去に骨折など怪我をしたところが気圧が変動する時期になると痛む
□雨が降る前に関節の痛みを感じる
□雨が降る前に眠気やめまいを感じやすい
□湿気が多いと胃腸症状が出る
□春や秋、梅雨などの季節の変わり目になると体調を崩しやすい
□暑い季節に屋外に出ると具合が悪くなり寒い季節には冷えが辛くなる
多くチェックがついた方は気象病の可能性があるという自覚を持ってこれから対応していくのがよろしいかと思います。
気象病の不調を見える化する
気象病というのは症状が出るだけが困るんではなくて、また今後、症状が出るんじゃないかと心が不安になることも症状が悪化してしまうことに繋がってしまうんです。
ですのでまず体調の不調を見える化することが大事だそうです。
痛み日記をつける
いつ何時にどんな痛みが出たかっていうのをしっかりと記録していって、自分の不調の変化はどのように出てるかを把握することが大事です。
アプリを活用する
最近では佐藤先生や獨協医大が共同開発された様々なAI解析ツールというのもがあるそうです。
天気痛予報や頭痛などをスマホのアプリを使ってを記録することができます。
梅雨時期に体調が優れない方はまずはご自身が気象病なのかということを認識することから初めてみてください。
本コラムの内容は動画でもお話ししています▼
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