コラム詳細

山田先生が肩こりにお悩みの主婦の方の枕を計測

16号整形外科院長であり山田朱織枕研究所代表の山田朱織(やまだしゅおり)が解説します。


山田朱織って誰?

プロフィールをご紹介

人から肩こりと言われて睡眠にもお悩みのある主婦の方にお越しいただき、診察から枕計測を体験していただきました。

診察をして普段の睡眠のお悩みや、寝具環境に問題があることがわかりました。

前回の診察の様子

触診して分かる、本人が気づかない肩こり

今回はいよいよ睡眠姿勢を整える為、枕の計測を山田先生が行いましたのでその様子をお届けします。


目次


計測は整形外科しきふとんで行います


山田:今ですね当研究所で作っている整形外科しきふとんという布団に寝ていただいてます。

もう15年以上ずっと研究して使っている布団で、基本的にこれが理想的な硬さなんですよ。

ご自宅の羽毛と低反発の敷物はもうちょっと柔らかいのではないですか?

患者:はい。これは腰がしっかり支えられてる感じがします。

山田:これぐらいしっかり腰を支えないと、実は寝てる間に寝返りが打ちにくくなってしまいます。

では、これから枕の計測を行ってまいります。


枕計測

上向き


山田:では軽く頭を持ち上げください。思った通り言っていただいて結構です。

計測はまず上向き、次に横向き、そして最後に寝返り動作っていう3つの姿勢を確認していきます。

上向きで大事なのは、喉が苦しくないか、後頭部から首にかけてぐーっと力が入らないか、頭が硬くないか、この3点伺います。

喉苦しくないですか?

患者:大丈夫です。

山田:大丈夫ですね。ではちょっと枕を低くします。軽く頭を持ち上げください。

少し下がった感じお分かりですか?

患者:はい。


山田:力を抜いてみてください。喉元の辺りちょっと苦しくなりませんか?

患者:そうですね。

山田:すーっと息が通りやすいという意味で言うと、もう一度戻してみます。

どちらが楽ですか?


患者:あっ今の方が楽です。

山田:今の方が喉がですね、顎がすっと上がって喉が楽になっているのが客観的にも分かります。

今この2つの高さの違いはなんと5㎜だけなんです。

5㎜違うと結構違ってくるんですね。

では、もう少し高くさせていただきます。軽く頭を持ち上げください。これはどんな感じですか?


患者:そうですね、悪くはないです。

山田:喉はいかがですか?大きな変化がなければそれも結構です。

患者:そんなに変化はないです。

山田:後頭部は硬くは感じませんか?

患者:ちょっと硬く感じます。

山田:ちょっと硬いですね。枕の角が四角いんですが、この枕の角が首の後ろに当たる感じございませんか?

患者:ああ、あります。

山田:ありますか。その多少の圧迫感を、もう1度5mm低くしますとこの方が当たりはよろしいですか?

患者:はい、違いますね。

山田:喉も客観的にお楽になっています。それから枕の角も当たらないですし、後頭部の硬さも楽になっています。

上向きがぴったりと合ってるようです。


横向き


山田:では、これから横向きを確認します。鎖骨鎖骨に両手を当てていただいて膝を立ててください。

そのまま左を向いてみてください。

どうぞお力抜いてください。

今おでこから鼻・胸までの直線が、寝ていらっしゃるマットレスの面と平行になっているんですよ。

とってもいい横向きです。では5mm下げてみます。


山田:この時感じていただきたいのが肩の圧感なんですね。

普段横向きで寝てる時に、肩がなんかちょっと重苦しいっていうのを感じたことはないですか?

患者:ありますね。

山田:なんとなく肩どこに置こうかなみたいな感じですよね。

ではちょっと下げてみます。どうですか?

患者:そんなに肩の圧迫はないですね。

山田:このぐらいであれば大丈夫そうですね。

では逆にちょっと高いのやらせていただきます。

こうなってくると下の首筋が引っ張られないですか?


患者:はい、そうですね。

山田:これは高すぎということになります。では1段階5mm下げてまいります。この方が首筋は楽ですか?

患者:うーん、そうですね。

山田:まだちょっと辛いですか?

患者:逆にちょっと低いかなっていう感じがします。

山田:低いかなっていう感じがいたしますか。ではちょっと頭を軽くお持ち上げください。今いかがですか?

患者:同じような感じですかね。

山田:こちらもちょっと低い感じいたしますか?

患者:そうですね。

山田:分かりました。もう1度高くしますね。これだといかがですか?


患者:ちょうどいい感じがします。

山田:結構肩幅ありますね。また今はちょっと肩がやっぱり硬いかなと思います。

寝ているときはもうちょっと肩に柔軟性が出て前に出てきやすいんですが、今は起きてらっしゃるじゃないです

か。

本当に寝てしまうともっと緊張が取れるので頭が下がってくる可能性があります。

では反対の右向きをお願いします。

下になっている右肩圧迫感ございますか?

患者:特にないです。

山田:はい。では少し低くします。どちらがお首が楽か肩が楽か教えてください。


患者:今の方が楽ですかね。

山田:もしかすると左右ちょっと違うかもしれないですね。

では、上向きお願いいたします。一旦ちょっと力抜いてリセットしましょう。手足を伸ばしてみてください。

右肩を下にすると適切な枕の高さ60mmとなります。なんと左を向くと65mmとなるんですね。

左右違うと困るじゃないですか。どうするかっていうと寝返りで決めていけばいいんです。


寝返り

山田:寝返りが右や左、左から右、寝返り打っていただいた時に最適な高さこそが実は夜寝るにふさわしい枕の高さとなります。

寝返りって言っても今は起きている状態なので回転するっていう動作なんですね。

鎖骨鎖骨に手を組んで膝を立ててください。そこから右左に転がってください。

何も考えずに普通に転がっていただければいいです。

客観的に見てまいります。では、どうぞ。


山田:いかがですか?

患者:寝返りしやすいですね。

山田:しやすいですよね。客観的に見てもとってもいい寝返りなんですね。

今の高さは上向きにも右横向きにも合ってた60mmという高さになっています。

先ほど何を見ていたかというと肩と骨盤がほぼ同時にコロコロ動けているかどうかです。

体をひねったり、どこか重苦しかったり、頭を持ち上げたり、そういったことがないという意味でとてもいい高

さです。

ではもう5mm高くしてみます。これでも寝返りをお願いします。


山田:今度はどんな感じでしたか?

患者:ちょっと腰が重たいなっていう感じがします。

山田:重たかったですね。力入ってるのが私にも伝わってまいりました。

枕が高すぎるとまるで山を登るように、よいしょよいしょと力が入ってくるんですよ。

特に大きな力を骨盤から出そうとするので腰が重たくなってしまいます。

たった5mmだけ高いとよいしょよいしょになってしまうので随分と違うわけですね。

では最後にもう1度だけ枕を適切な高さに戻して寝返りお願いいたします。いかがですか?

患者:特に力が入ることなく回れます。

山田:回れてますね。はい、じゃあ手足下ろしていただいて楽にしてください。

適切な枕の高さは60mmです。これが上向き・横向き・寝返り全てに合ってる高さとなります。


高さが適合しているかの確認方法


山田:適切な高さがわかりましたが、これは起きてる状態で合わせています。

本当に6~7時間寝たらこの高さではないかもしれないんですね。

5mm高い方がいいかもしれないし、5mm低い方がいいかもしれない。

じゃあそれをどうやって見極めればいいのかというと実は簡単なんですね。

今ご自宅はベッドではなくお布団なので、特に枕の上はベッドヘッドみたいなのないですもんね。

患者:そうですね。

山田:もしできれば布団を壁際とか何か当たるところにちゃんと敷いていただいて、そこにしっかりと枕を固定するのがベストです。

その状態で今みたいに首の後ろにしっかりと枕を入れて寝入ってください。

そして朝起きた時が大事です。

起きたら枕が斜めにずれてしまったり、上の方にずれてしまうとこの状態首辛いですよね。

患者:はい、つらいですね。

山田:朝枕がどこにあるかなって見ていただきたいんです。

寝た時と同じ位置にちゃんと頭が乗っていたら高さの合ってる枕になります。

逆にずれていく時は高さが何らかの要因で合ってない状態です。

布団との兼ね合い、マットレスとの兼ね合いもありますし、そもそも筋肉の緊張が取れたら枕が高すぎるなんてこともあるので、枕がずれるようならぜひ枕研究所にご連絡をください。

枕がずれていないなければ、万が一少し硬いと感じても必ず慣れるので大丈夫です。

今は硬いという不快感ございませんか?

患者:大丈夫です。

山田:ではこの60mmの枕をお作りいたします。


掛物のアドバイス


山田:今は羽毛布団かけられているということですね。

当研究所でも羽毛を準備しているのでちょっと1度掛けてみますね。

真冬の寒い時に毛布などは使わないですか?

患者:特に使わないですかね。

山田:もし毛布を使う場合なんですけれども、毛布ってどうしても体にかけたくなるんですけど掛布団の中に毛布してしまうと身動き取れなくなっちゃうんですよ。

なので、できれば羽毛の上に毛布をかけていただく。

そうするとあまった空気が外に逃げていくのを防止してくれるのでより良い掛け方になります。

ご自宅はこんな感じの軽い羽毛ですかね?

患者:そうです。

山田:それであればベストです。

とにかく掛け物は羽毛が1番で、軽くてふわっとして寝入りを妨げないものがよろしいと思います。


肩がすっきりした気がする

山田:睡眠中のお困りなことで、気になったことございませんか?

患者:肩が普段はやっぱり場所というか定位置じゃないみたいな違和感があったので、この枕だとちょっとそれがすっきりしたかなっていう感じが少し寝てるだけでわかります。

山田:肩はですね、結構整形外科に受診する患者様でも多くて、夜間痛といって夜痛いっていうのが特徴だったり

するんですよ。

でも私が診ているとですね、肩の中に炎症があって痛いっていう四十肩五十肩ではなく、単に枕が合ってないので肩を圧迫して潰れちゃっているというケースも多々あります。

その場合は5mmずつちゃんと枕の高さを整えると肩は圧迫しないようにできるんですね。

たった5mmですがこの高さがとても重要ですので、今晩から使っていただいて明日の朝の肩の感じも是非チェックしてください。


朝の起き上がり方


山田:起き上がり方ご説明しますね。

朝ですね、バーンと跳ねて置きちゃだめなんですよ。必ず横を向いてから起きてください。

一旦横向いてみましょう。

そしたら膝を下ろしていただいて、しっかりと手をつきまして起き上がってみます。

このように起きていただくと背骨に負担なく起きれますのでやってみてください。


診察と計測を終えて

山田:今回はご主人様のお話やマッサージ行くと凝ってるって言われる肩こりですね。

触らせていただくといくつか痛みのポイントがございました。

気づかなくても肩こりが始まってることはあるので、是非枕を使っていただいて夜間の睡眠姿勢を整えて

いただければと思います。

ご体感いただきましたがいかがでしたか?

患者:この敷布団もそうなんですけど、もう寝入ってしまいそうになるくらい気持ちよかったです。

やっぱり普段寝ることに関してそんなに気にしてなかったんですけれども、何か体の不調が睡眠に原因あったということを考えるきっかけになりました。

山田:ありがとうございます。なんとなく熟睡感のなさであったり、朝起きたい時間より早く起きてしまったり、あとは日中に襲ってくる眠気、こういったことが枕でしっかり睡眠が取れた時に改善してくださるのをお祈りしてます。

患者:はい、ありがとうございます。

山田:今日忙しい中本当にありがとうございました。


枕の使い方を説明してお渡し


山田;これで今回計測してピッタリの60mmの枕が出来上がりました。

裏見ていただくと白いシートが入ってるんですけれども、これはアジャスターシートと言って高さを調節するためのものになります。

先ほど計測で左横向きで寝たときに5㎜高いほうが方がお楽でした。

患者:はい。

山田:今日こちらの研究所のマットレスとご自宅のマットが違う以上、5mmをプラスマイナスすることはあり得ると思ってください。

見本を使ってご説明します。

もし低い時には5mのアジャスターシートを外のカバーと内カバーをめくっていただいて、一番下に差し込んでください。

また、高すぎる時は元の状態から1番下の5mmシートを抜いていただくだけで簡単に調節できます。

上は柔らかく下は硬くなっており、この並び順は今回計測した高さにぴったりになるように組み合わせた並び方になっております。

そしてカバーには角にロゴマークが付いていますので、枕を当てた時に右上にロゴマークが来るようにセットして

ください。

また、使い方分からなくなってしまったり、何か違和感があったり、枕がずれてしまうなど不具合があった場合にはお気軽に枕研究所までご相談ください。

患者:はい、ありがとうございます。

山田:では、枕を取り扱い説明書と一緒にお渡しいたします。

どうぞ今晩から使ってください。


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