コラム詳細

不眠症の方は悪循環に陥る前に、一度は枕を見直してみてください

不眠症で睡眠薬を飲まないと不安(Bさん、女性・70歳)

Bさんは五年ほど前から不眠症を自覚し、精神科で「神経症性不眠症」と診断されました。睡眠薬と精神安定剤を処方され、以降は薬を服用して眠る毎日。しだいに、薬を飲まなければ不安で床につくこともできなくなってしまいました。

ところが、ようやく眠れたと思っても、夜中に何度も目覚めてトイレに行くし、隣で寝ているご主人に揺り起こされることもあります。いびきがひどいうえ、しょっちゅう呼吸が停止してグッという変な声を出すためです。ご主人にしれみれば、「このまま息が止まってしまうのではないか」と心配なのでしょうが、そんな話を聞かされればBさん自身も不安が増すばかり。恐怖さえ覚えて、ますます眠れないとおっしゃいます。

日中の眠気も強いので、Bさんは「睡眠時無呼吸症候群(SAS)」を疑い、専門病院でひと晩泊まり込みのポリソムノグラフィー検査を受けました。その結果、医師から「たしかにSASの発作はあるが、健康保険が適用となる持続性気道陽圧呼吸(CPAP)を装着するほど重症ではない」と説明さえれました。要するに、診断は決定したけど、治療法がないということです。

医療機関によっては、SASの患者に横向きで寝ることを指導するところもあります。上向きで寝ると無呼吸発作が起きやすいと考えられているためです。Bさんも抱き枕を使って、できるだけ横向きで寝るように努力していました。しかしたいした効果はなく、やはり毎晩のように発作が起こります。

一方、整形外科的には、就寝中に肩や腕が痛むだけでなく、朝起きたときから肩こりや頭痛がありました。寝違えを起こすこともよくあるとおっしゃいます。そこで、通院していた整形外科の担当医(後述する枕診断士のひとり)が「枕を替えれば睡眠の質が変わるかもしれない」と考え、Bさんの体格や自宅の睡眠環境も考慮したうえで、整形外科枕の計測をしてくださったのです。

整形外科枕を使い始めて二週間ほどたったころ、Bさんから私のもとに、肩こり、いびき、無呼吸発作、不眠の四つの症状が軽快したというハガキが届きました。

「新しい枕を使い始めた夜から。いびきが静かになったと家族に喜ばれました。無呼吸発作もわからなくなり、ゆっくり眠ることができます。それよりびっくりしたのは、依存症のような状態になっていた睡眠薬をやめることができたことです。未来が開かれた思いがいたします。これまではいびきが気になり、お友だちと旅行に行くこともできませんでしたが、これからは枕持参でどこへでも行きたいと夢をふくらませております」

複数の原因がからみ合って起こってたBさんの不眠症が、枕ひとつで解消した事実には、計測した整形外科医も、枕を開発した私自身も驚かずにはいられませんでした。Bさんは、ぐっすり眠って、心身ともにすこやかに目覚めることの重要性を、身をもって教えてくださいました。とても思い出深い患者さんです。


神経症性不眠と枕不眠の関係

「神経症性不眠」は、睡眠環境の変化や精神的ストレスが原因で生じる一過性の不眠とは性格が違います。最初のきっかけは一過性の不眠と同じこともありますが、「眠れない、眠れない」と過度に心配し、思い悩むうちに、どんどん症状が悪化してしまいます。「眠らなければならない」「なんとかして眠ろう」と努力すればするほど、精神的緊張と興奮が高まり、ますます眠れなくなってしまうのです。もともと神経質な方や、完全主義的な傾向の強い方によく見られます。

一方、「枕不眠」は一過性の不眠のなかでも、もっとも頻度の高い不眠です。Bさんの場合には、担当の整形外科医がこの枕不眠も複合しているのではないかと疑ったことから、解決の糸口が開かれました。そして実際、枕を替えただけで眠るのが格段に容易になり、眠りそのものに対する恐怖心も取り除くことができました。枕不眠こそが、Bさんの神経症性不眠の根源だったのです。

同じように、慢性的な不眠の原因が枕にあるケースは少なくありません。ところが、本人がなかなかその事実に気づかないと、症状が長引くだけではなく、いろいろと二次的な弊害が起こり、どんどんやっかりなことになってしまいます。複数の原因がからみ合えば、対処するのも大変です。悪循環に陥る前に、一度は枕を見直してみてください。

出典(枕革命ひと晩で体が変わる、山田朱織、講談社)


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