自覚がない肩こり隠れ肩こりの正体と症状や原因を解説
16号整形外科院長であり山田朱織枕研究所代表の山田朱織(やまだしゅおり)が解説します。
普段から診察室で患者様にお伝えしていることをできるだけそのままお伝えします。
目次
自覚はないけど、他の人から「すごく肩こってるね」と言われたことがあるという方もいるのではないでしょうか。例えば美容室であったりマッサージ屋さんであったりあるいはご家族に肩を揉んでもらったりして「肩が凝っていますね」と言われた経験はないでしょうか?
自分では自覚がない肩こりを隠れ肩こりなどと言ったりもするようです。
そもそも肩こりって捉えどころがないですよね。
かつて、「樋口一葉、肩がこる」なんて言われたぐらい、日本人にとって昔から肩こりはとってもポピュラーなありあふれた症状だったんです。
例えば元気なアメリカ人には肩こりがないなんて昔は言われましたがそんなことはなくて、同じような症状はあるんだけどその肩こりをどう表現するかっていうことが違うのです。
同じ人間ですから同じような症状は起こるわけです。
そのように肩こりというものを複雑にしてしてしまっているのが、肩こりに明確な定義がないからだと私は考えています。
最近、整形外科医も肩こりについて研究する方も増えてきています。
徐々に分かってきたことを取りまとめて今回は解説していきたいと思います。
肩こりが起こる範囲が広いから捉えにくい
やはり肩こりと聞くと、肩かなっていう感じがするかと思います。
実は肩こりの範囲はもっと広いんです。
肩だけではなく、肩甲骨周り、腕、肘、ひどいと手の方までに至ります。
それから背中や胸にも起こることがあり、ものすごく広い範囲を司ってるんです。
広範囲であることが、肩こりを捉えどころなくしてることの要素かなと思います。
ここが痛いから肩りだと言いにくくなってしまっている。
この広い範囲を含めて肩こりの症状が出てることがあるというのを、念頭に置いておいてください。
肩こりには症状が様々あるので捉えにくい
肩こりなので「こり」はありますね。
でも、中には「痛み」だったり「こわばり」と表現をする人もいます。
「こわばり」と「こり」では違う症状なのかと言うと、その人の感覚で発している言葉なのでもしかしたら「こり」と言ってるけど、ある人は同じ症状を「こわばり」と呼んでるかもしれません。
また、「突っ張り感」という言葉、症状も人それぞれです。
寝違えたときに突っ張る、肩こりが起こって突っ張り感がある、なかなかこのラインも線引きできないので、突っ張り感というのもこりの一部の感覚かもしれません。
また、患者様の中にはなんとなく「冷える」んですと言われる方もいます。
肩こりのお悩みの表現が様々ある理由は原因が神経だから
なぜいろんな言い方をするかというと、そもそも肩こりの原因は首の神経であることが多いんですね。
もちろん肩の関節のこともあります。
首の神経が悪くて肩がこることが多いとすると、神経が痛んでいれば冷たいという感じを中から感じるでしょう。触ってみると別に冷たくないのに、中がじわっと冷たい感じがする。
それも肩こりの同じ場所にある症状だったりするわけです。
表現は異なれど、もしかすると同じ肩こりを語っている表現かもしれないわけです。
肩こりの原因も大きく3分類されるので特定しにくい
特発性肩こり
大した原因もなく起こっていること。
はっきりした原因が分かっていれば、○○性の肩こりですよと言えるんですが、
・なんとなく疲れたから肩がこる
・最近残業が続いて、ちょっと眠れない日が続いて肩がこる
・昨日、運動会で走ったから肩がこる
・仕事のプレゼンで緊張して肩がこる
いろんな原因あります。
そういう一時的に起こって数日、数週間ぐらいですぐ消えていくようなものは、一過性の一時的な特発性の肩こりです。
症候性肩こり
高血圧、脳血管障害、脳梗塞、アレルギー性鼻炎、喉の痛み、咽頭炎、喉頭炎など病気が原因のもの。
様々な病気がベースにあってそこから起こることがあります。
例えば胆石では背中が痛いということが起こるので、肩こりとの境目が分かんなかったりします。
腎臓の病気でもそういうことも起こるんです。
心因性肩こり
精神的に心が病んで肩こりが起こることがあります。
しかし、この場合は実際に触ってみると、全然筋肉は柔らかいんです、
だけど本人は、肩がこって辛いと言うわけです。
一過性のストレスで心が病んでいる時にも、そういった症状が出ます。
原因で見てみると、大きく分けて3つの原因があります。
自分が肩こりかどうかを判別する時に、何か思い当たることはないか、ベースとなる病気、心のストレスがないかというのをよくよく自分で観察してみると原因が見えてくるかもしれません。
隠れ肩こりは自分が不快感を感じないなら肩こりではない
肩こりは様々な場所に様々な原因で起こります。
自分で判別するときのポイントは一言で言うと、「不快感を感じるかどうか」ということです。
逆に言えば、他の人に肩こりひどいですねと言われても、全然肩気にならないですよ、不快感はないですよという人を肩こりと呼ぶかというと、私は呼ぶ必要がないと思うんです。
あくまで、今回の症状を自分で感じてそれを嫌だなと思ってるとすれば、肩こりに対する治療をした方がいいけど、全然なんともないと思っているのに肩こりで悩む必要はないのです。
そんな風に考えてみてください。
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