肩甲骨周囲の痛みは何科を受診?内科or整形外科のチェックポイント
16号整形外科院長であり山田朱織枕研究所代表の山田朱織(やまだしゅおり)が解説します。
普段から診察室で患者様にお伝えしていることをできるだけそのままお伝えします。
目次
肩甲骨の痛みに関係する病気や見極めるポイント
今回は「肩甲骨周囲の痛みは何科に診察に行けばいいんですか?」ということをお話していきたいと思います。
つまり肩甲骨の周りの痛みは何が原因ないかということを考えてみましょう。
肩甲骨の痛みがあった時にいわゆる背中として整形外科に行くのか、内臓と考えて内科に行くのか、この2つについて詳しく掘り下げてみましょう。
肩甲骨周囲の痛みは内臓の病気が関係していることがある
内臓の大半といってもおかしくない色々な場所に起こる病気が、肩甲骨の周囲の痛みの原因になっています。
胆嚢:胆石、胆嚢炎
胆石といって石ができて詰まると非常に痛いです。または炎症を起こして胆嚢が腫れる病気。
膵臓:膵臓癌、膵炎
膵臓が悪性の癌に侵される膵臓癌。また癌がなくても炎症が起こるとき膵炎と言います。
肝臓:肝臓癌
肝臓に悪性の腫瘍ができた時に背中の痛みが出る場合があります。
肺:気胸、肺癌
肺と聞くと体の前側という印象を持たれるかもしれませんが、肺というのは前から後ろまで全体に広がっています。
胸郭と言って横隔膜より上にある大きな臓器です。
この肺に気胸と言って穴が開いて空気が漏れ出してしまうような病気や、肺の尖部といって上の方にできる癌。
こういったものでも肩甲骨の周囲に痛みが出ます。
心臓:狭心症、心筋梗塞
胸から背中に突き抜けるような痛みが出る。最初は背中の痛みだけで感じることもあると言われています。
大動脈:大動脈解離
これは非常に怖い病気です。特に腹部大動脈と言って背骨の近くにある大きな太い血管があります。
この血管が剥がれて解離というのが起こると、非常に背中が痛いという症状が出ます。
様々な内科の病気が背中や肩甲骨周囲の痛みにつながっているのです。
一番大事なポイントは単なる背骨の痛みと思わずに、もし整形外科に行っても治らない時には適切な内科でのご相談をしないと原因が見つからないこともあるんだということです。
肩甲骨周囲の痛みは骨や椎間板、怪我に関係していることがある
整形外科で肩甲骨が痛い時にどんな病気があるかについてお話します。
頚椎:椎間板ヘルニア、神経根症
首の椎間板という場所が悪くて飛び出すヘルニアという病気。また神経根症という病気でも肩甲骨が痛くなります。
胸椎:圧迫骨折、癌転移
高齢者の方に多いんですが骨粗鬆症って言って、骨が弱くなって背骨が潰れてしまった状態。
また悪性の癌が骨に飛ぶと肩甲骨周囲が痛くなります。
肩甲骨:外傷、骨腫瘍
肩甲骨そのものの怪我をした場合や何かできものができた場合。
内科か整形外科どちらを受診すべきかのチェックポイント
様々な内科や整形外科の病気があるので、実際に肩甲骨の痛みが出た時にどこに受診すればいいかということですが、あくまで簡易的な判断ですけども3つのポイントを覚えておいてください。
内科の病気の可能性があるポイント
1,突然、激しい痛みが出る
この場合は内科な病気のことが多いんですが、心筋梗塞とか狭心症とかはそうですね。
2,痛みが持続的に強くなる
ちょっと我慢してて治るんじゃなくて、30分が1時間、1時間が2時間、さらには半日痛い。こんな風に持続的に痛みが強くなる場合は要注意の肩甲骨の痛みです。
3,息が吸えないほど肩甲骨が痛い
息を吸ってみて、吸えないほど肩甲骨が痛いのであれば要注意です。
これらの3つのポイントが当てはまる場合は、内科の病気を疑って受診するような状況だと判断してください。
整形外科の痛みのポイント
1,ストレッチしてほぐすと楽になる
2,お風呂で温まると楽になる
3,何もしなくても緩和する
首の病気や肩甲骨周囲のこりなどと相まって起こることがあります。
ストレッチしてほぐしたり、温まって楽になったり、悪いかなと思っても何もしなくても緩和するようでしたらあまり重篤な病気ではない可能性があります。
内科の兆候とあまり心配のない肩甲骨の痛みなのかをきちっと見極めてください。
枕が合っていないことも肩甲骨の痛みの原因
朝起きた時から肩甲骨が痛いということは枕外来でもよく聞きます。
朝の痛みは枕と関係するということです、
例えばどんな枕が良くないかというと柔らかいふかふかな枕です。
柔らかくて気持ちいいので使われている方が多いのですが、首が安定せずぐらついてしまいます。
このぐらつきが首の神経に悪さをして、背中にいっている神経を刺激して目が覚めると肩甲骨が痛いということが起こります。
悪い枕を使って出る肩甲骨の痛みも決して少なくはないんですね。
適切な枕を使うと首が安定する
しっかりと硬くて高さが一人一人に合っている枕を使うことで寝てる時にも首が安定し、寝返り打っても全然首がぐらつかなくなります。
-
「枕外来のオーダー枕」
私の枕外来には,朝から肩がこる,枕が合わない,何度も目が覚める
オーダーメイド整形外科枕
という患者様が沢山来院します。
好みで枕を選んでいませんか?首を休めるための枕は、
体格によって適合する高さが違います。
すると首の神経痛が起こらないので肩甲骨の痛みも起こらないわけです。
ふかふかの柔らかい枕で首がぐらぐら揺れてしまうか、しっかり硬い高さが合っている枕で首が安定するかの違いが、朝の肩甲骨の痛みが出るか出ないかを分けてしまう分かれ道になってしまうんですね。
是非、枕も注意していただき肩甲骨の痛みを解消してください。
本コラムの内容は動画でもお話ししています▼
-
「5mmを調整する枕」
靴は5mm単位で自分のサイズを決めているのに。
オーダーメイド整形外科枕
365夜、あなたの首を支えているのは枕だけ。
医学的研究と臨床経験の中で生まれた当社の計測方法は、
あなたにジャストフィットする、5mmを調整します。