コラム詳細

整形外科枕を使うとレム睡眠が増える!?増えるとどうなるの?

16号整形外科院長であり山田朱織枕研究所代表の山田朱織(やまだしゅおり)が解説します。


山田朱織って誰?

プロフィールをご紹介

今回はレム睡眠と整形外科枕についてお話をしたいと思います。

ノンレム睡眠は4段階に分かれていて、深い深睡眠という状態になるので睡眠にとって大事だと思われていました。

レム睡眠の方はなかなかその意味・価値が分かっていなかったんですが、科学者たちの功績によってどんどん解明されてきて、レム睡眠もノンレム睡眠同様にとても重要な睡眠であるということが分かってきたんです。

レム睡眠と整形外科枕についてちょっと古いんですが2003年から4年間、私が睡眠センターに通って研究をした時の結果を交え

て今回は解説していきたいと思います。


目次


整形外科枕の有効性の検証

枕がない時、そして適切な高さに調節した整形外科枕を使った時を比較するためレントゲンを撮り、一晩中体にたくさんのモニターをつけて睡眠状態を検査するポリソムノグラフィーという検査機器を用いて枕の有効性を検証しました。


レントゲンでの比較検証


レトゲンで見ても一目瞭然ですが、枕がない時は上を向いて寝ると首が真っすぐになって非常に首に負担がかかっているのが分かります。

横を向いて寝ると枕がないので、頭が下がってしまって非常に首が曲がってしまいます

首が曲がれば首の前にある気道もひねられてしまうので呼吸が苦しくなってしまいます。

一方で適切に枕を整えると、私たちの研究で上向きで首の角度が15度前後になる状態が最適なんですけれども、その15度に近くなっています。

そして、横を向いた時も体の軸が通っていて首が真っすぐの状態です。

敷物と体の軸が平行になるため、首の骨も神経も楽になって気道も楽になるわけです。


上向きと無呼吸の変化


左は上向きの時間の変化と、右は無呼吸の回数の変化を表しています。

上向きで寝ると無呼吸やいびきが起こるので、多くの睡眠の研究者がいびきや無呼吸の患者さんには上向きで寝かせないように横向きで寝ましょうと言っています。

でも、私は上を向いて寝ていても枕がちゃんと体に合っていれば、いびきや無呼吸がひどくならないのではないかという仮説を立てて検証しました。

実際に枕なしで寝ている時と比べて、適切な高さの合ってる枕を使った時は平均上向き時間がなんと倍に伸びているんです。

無呼吸の回数を見てみると、枕がない状態で寝ているよりも適切に高さの合ってる枕を使うとなんと無呼吸の回数が減っているものが大半なんです。

結果的には6例中5例、83%の方が上向きの時間が伸びたけれども無呼吸のが減ったという結果になりました。

つまり、枕の高さを合わせることで横向きにならずとも上向きでも寝れる可能性が示唆されたわけです。


レム・ノンレム睡眠への効果

睡眠センターには備え付けの凹凸の枕があったんですが、患者様が入院してポリソムノグラフィーの検査をする時にいろんな体格の患者様がいる中で、みんな同じ枕で寝かされていたんですね。

これはおかしいということで、夜に病院に来てポリソムノグラフィーの検査を受ける前に枕を1人ずつ計測しました

そして、適切な高さの整形外科枕と凹凸枕を途中で変えてどうなっているか検査をしました。

睡眠の前半で病院の備え付けの枕を使い、後半で整形外科枕を使ったパターン。

逆に睡眠の前半で整形外科枕を使い、後半で病院備え付けの枕を使ったパターンを比較してみました。


レム睡眠とノンレム睡眠を分けて表示しています。

ノンレム睡眠に関しては睡眠の深さのステージごとにも分かれています。

水色の棒が病院の枕、整形外科枕は赤い方です。

レム睡眠は病院の枕より整形外科枕でかなり増えるということが分かります。

そしてステージ1のとても浅い睡眠は整形外科枕で減り、それより深い眠りが整形外科枕は増えています

レム睡眠が整形外科枕で増えていいるのが、優位に意味のある増加ということになりました。

このデータに対して某筑波大学の有名な睡眠の教授にお話を伺ったところ、以下のようなコメントを頂戴しました。

・レム睡眠が増えているということは良い変化だと考えられる

・ノンレム睡眠のステージ1が減っているのも浅い眠りが減っているので良い変化だと考えられる

・ステージ3、4のほとんどが0というのは一般的には考えにくい

(現在はステージは3までになっているが、通常10~20%ほどはあるとのこと)


レム睡眠の解説

・脳が活動的なイメージ

・脳波は低振幅速度の早い波が動いていて夢をよく見る

・眼球が動いている

・バイタルサイン(心拍、血圧、呼吸)が比較的変動している

・脳の活動が活発

・体の筋肉は緩んでいる

このような眠りがレム睡眠です。

レム睡眠では脳が活発に働いていますが、これは記憶の整理、そしてそれを定着させています。

例えばテスト勉強思い出していただくと分かりやすいんですが、夜に一生懸命勉強して詰め込みますよね。

でも、休んでレム睡眠を取らないとその入れた知識が整理されないので翌日のテストの時にすらすらと出てきません。

なので睡眠時間を削って勉強するのではなく、しっかりレム睡眠を取って記憶の整理や定着をしないといけないわけです。

レム睡眠は新生児の場合、全睡眠の50%とも言われています。

成人になると赤ちゃんよりずっと減って25%になると言われています。

どれだけ成長する為にたくさんのことを覚えなきゃいけない新生児の赤ちゃんにとって大事な眠りなのか、人間の生理的に必要な眠りなのかということが分かります。

高齢者ではレム睡眠が減ってノンレム睡眠も減っていきます。

この全てが解明されたわけではありませんが、レム睡眠の重要性というのが今まさにどんどん明らかになっているところです。


まとめ

最後に筑波大学の睡眠の教授がおっしゃってるところでは、レム睡眠は浅い睡眠では決してないんです。

ノンレム睡眠と同様に外的な刺激から隔離された、とても深い睡眠だということが近年分かってきました。

睡眠の前半に深い睡眠が起こりますが、それも重要だけど睡眠の後半に増加するレム睡眠も重要であると言われているんですね。

ですので整形外科枕でレム睡眠が増えるということは、どうも大きな大きな意義がありそうだということになります。

これは非常に驚かれた科学的研究の結果なんですけれども、レム睡眠が5%減ってしまったらなんと総死亡率は13%も上昇してしまうということも世界で分かってきています。

皆さん今回ははちょっと難しい話だったかもしれませんけど、人間にとって重要な意味のあるレム睡眠、これが私たちの整形外科枕を使うと増えるということが科学的研究によって分かったわけです。

皆さん睡眠に興味のある方は是非、整形外科枕を使ってレム睡眠を増やして眠ってみてください。


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