整形外科のリハビリテーションで行う日常生活の指導とは?|目的と2つの療法を解説
16号整形外科院長であり山田朱織枕研究所代表の山田朱織(やまだしゅおり)が解説します。
今回は整形外科のリハビリテーションについてお話をしたいと思います。
私はもうかれこれ30年以上整形外科をやっているわけで、リハビリテーションとは切っても切れない治療の一つの手段なわけですね。
このリハビリテーションという言葉ってどんな意味があるのかな?というところから「日常生活指導」というところをメインに今回は解説していきたいと思います。
リハビリテーションの言葉の意味
リハビリテーションっていう言葉を聞くとどんなことをイメージしますでしょうか。
なんとなく、足を怪我した人が歩く練習をするみたいなイメージしますかね。まさにその通りです。
リハビリテーション語源はラテン語に由来します。
「リ」と「ハビリテーション」と分けて欲しいんですが、リ(Re)は「元に戻る」や「再び」という意味、そしてハビリス(Habilis)は「何々に適した」という意味になるんですね。
環境に適する、何か自分の状況に適する、適切にそれに対応するということはとても生活の中で大事なことですが、「再び適した状態に戻ること」がすなわちリハビリテーションの意味なんです。
もうちょっと広く言うと、本来あるべき人間の状態に戻る・回復するということです。
例えば怪我で体の身体機能を損ねた、もしくは失ってしまった状態からもう一度本来の人間のあるべき姿に近づくように完全ではないとしてもそこに段階的に近づいていく回復していく。
元の健康状態を目指してリハビリテーションを行うわけですね。
しかし、整形外科だからといって体だけ良くなればいいとは思っておりません。
・身体的
・精神的
・社会的
この3つにおいて適した状態、健全な状態に戻っていくことこそがリハビリテーションなのです。
多くの研究から導かれて今のリハビリテーションの体系があるわけですね。
リハビリテーションの目的
注射や薬じゃなく日常生活に支障が起きないため自分の力で獲得する・達成するという事がとても大事なんです。
1,痛み等を和らげる・取り除く
まず第一に痛みやしびれやつりなど、色んな症状を取ったり和らげたりすること。
2,関節などの可動域(動き)を改善する
2番目に様々な関節を元の機能に戻していくこと。
3,筋力をつける
3番目にその動きを維持できるようにしっかり筋力をつけること。簡単に言うと筋トレですが段階もあります。
筋肉を元の状態に戻すことです。
4,運動や姿勢を覚える(実践する)
4番目に良い運動の仕方や姿勢を覚えていただいて身につけること。
そして実践しないと意味がないので覚えて終わりではなく、家でもちゃんと思い出してトレーニングすることが大事です。
5,より良い生活方法を獲得する
例えばリハビリテーションで運動習って、先生が1日5回この体操をやるようにと言ったとします。
朝起きた時にやって、「5回終わったから今日は何もやらなくていいや」と言って、悪い姿勢でテレビを見ていたらまた腰痛や肩こりなどお悩みの症状が元に戻ってしまいます。
運動するということと並行して痛みを出さない、しびれを出さない、体に負担をかけない生活の方式を体で覚えることがとても大事なんです。
リハビリの2つの療法
整形外科のリハビリには大きく分けて2つの方法があります。
運動療法
理学療法士という国家資格を持った先生が運動の仕方や生活の指導、諸々の生活改善のための指導を行います。
整形外科の中で20分間理学療法士の先生がついて、一人一人個人的にいろいろなことを教えています。
約150日間ぐらい続けることが保険適用でも可能になっております。
物理療法
物理療法は首や腰を引っ張る牽引療法や、電気で温めたり、低周波を当てたり、レーザーを当てたり、血流を良くしたり、痛みを緩和するような器具を使った治療です。
運動療法と物理療法を組み合わせることで痛みを取ったり、関節の動きを良くしたり、姿勢を良くする様々な治療を行うわけです。
今回はリハビリテーションの中の細かい運動療法・物理療法がどんな方法があるか、どんな目的・意識で継続していくのかということについてお 話しました。
ちょっと具合が悪いかなとか、怪我してしまった時や体の不調を感じた時、リハビリテーション元の状態に戻ろうという意識で健康でいてください。
本コラムの内容は動画でもお話ししています▼
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