足のしびれの原因は腰からの坐骨神経痛か診察します
今回は急に足がしびれが出た患者様の診察の様子をお届けします。
果たして原因はどこにあるのでしょうか。
座敷でランチを食べた後急にしびれが出た
山田:こんにちは。今日はどうされましたか?
患者:左足の外側がずっとなんかしびれてですね。
山田:左の足だけですか?
患者:はい。実はお昼に座敷であぐらをかいてランチを食べてたんです。10分~20分ぐらい座ってましたかね。
それで帰るときに立ち上がったら足がしびれてたんですよ。
山田:はい。それで?
患者:まあいわゆる正座しててしびれるのと同じだと思ったので、そのまま立ち上がって帰ってきたんですけど2時間経っても3時間経ってもしびれが取れないので、なんかおかしいなと思って診てもらいにきました。
山田:わかりました。それじゃあ今回、足のしびれは今始まったことなんですけれども、同じ症状を何回も以前から繰り返してるってことはありますか?
患者:いや、ないですね。普通に正座した時に1~2分はしびれてることありますけど、それですぐ治るのでこんなに何時間も続いてるのは初めてです。
山田:足のしびれの多くの原因としては、腰から来ることが考えられるんですけど例えばすごく以前の学生時代からとかそういう頃から腰痛があったっていうのはありますか?
患者:そうですね。たまに腰痛になることもあったんですけどそんなにひどくなくて、私ラグビーをしているんですが始めて結構トレーニングをするようになってからは腰痛はほぼなくなりましたね。
足のしびれが出る兆候はあったのか
山田:分かりました。足がしびれてきたのはごくごく最近なんですけれども、少し前例えば1週間ぐらい前からなんか足のしびれの兆候、もしくは何か負担をかけたみたいなことないですか?
患者:そういう意味でいくと、先週末の日曜日にラグビーの試合がありまして、その時に後ろから走ってきた選手に思いっきりぶつかられてしまって、腰から肋骨の辺りですかね。
後ろから来たもので全然見てなかったんで、一瞬倒れてすごく痛かったんですね。
山田:転んでしまったってことですね?
患者:そうですね。倒れて転びました。
山田:実に転んだその時になんかギグっとなったとか、あんまりはっきりは覚えてないですか?
患者:そうですね。骨がおかしくなったとかそういう感じはなかったんですけど。かなり痛みはありました。
山田:その後の帰り道とかに腰から足の違和感、しびれや痛みはなかったですか?
患者:そういうのは全然なかなかったですね。
山田:分かりました。どうもそのラグビーで痛めたっていうのもやはり1つのきっかけになってた可能性はあるかなと思います。
それでないと、座っていて特別何かしてないのに急激に症状が起こるっていうのはおかしいので、そういった前もっての症状が関係してくることもあるんですよ。
お話よくわかったので、これから診察をします。
腰と足の触診
山田:では、こちらのベッドにまず最初うつ伏せになってください。
腰の骨1つずつを押していくので痛かったら教えてください。どうですか?
患者:そんなに痛くはないです。
山田:はい。これどうですか?
患者:なんか少し響くような感じがします。
山田:響くような感じがしますね。ここになるとどうですか?
患者:そこはそんなに大丈夫です。
山田:これは?
患者:それも大丈夫です。
山田:上の方は大丈夫そうですね。下の方途と少し違いますね。3番とか4番あたりが腰の中でも痛いところです。
お尻を押します。痛みはどうですか?
患者:少し痛いです。
山田:少し痛いですね。こっちは?
患者:そっちは痛くないです。
山田:右は痛くないけど、左が痛いですね。では足を押していきます。これどうですか?
患者:なんともないです。
山田:はい。これどうですか?
患者:そこもなんともないです。
山田:これは?
患者:痛いです。
山田:痛いですね。こっちは?
患者:少し痛いです。
山田:少し痛いですね。1番痛いのやっぱりこれですか?
患者:そうですね。そこが1番痛いです。
山田:はい、わかりました。さっき痛いって仰った腰の4番目の辺りからずっと足に坐骨神経というのがあって、痛みが出てるってことは神経痛があると判断します。
では上向きお願いします。
じゃあ足を上げていくので力抜いててください。ちょっと左足が上げにくいですね。
患者:足がやっぱり痛いですね。
山田:お尻から太ももの裏あたりですか?
患者:そうです。
運動神経能力の確認
山田:では次に運動神経の能力と感覚神経を診ていきます。
まずはしびれていない右側の足です。足首から足を起こすようにしてぐーっと力入れてください。
力正常に入りますね。今度は下に蹴ります。
では一旦力抜いて、反対の左側で同じようにやっていきます。
ぐっと力入れてください。
ちょっと右ほど力入らないですよね。
患者:そうですね。
山田:今度は指先です。ぐっと力入れてください。
親指はちょっと弱いんですけどまあまあ入ってますね。
他の指先はやっぱり力が落ちているので、例えば日常生活の中でつま先立ちをするなどという指先に力入れるっていうのちょっと弱い感じとかしますか?
患者:生活上そうですねちょっと軽く走ってみようと思ったら左足はなんか蹴れない感じです。
山田:蹴れない感じですね。じゃあ今度は下にぐっと力入れます。
これも親指も少し力が落ちてるし、何しろ他の4本の指を下に向けるっていうのがちょっと落ちてるようですね。
とにかくやはり上げるのが弱いですね。
感覚神経の確認
山田:ではこれから感覚を見ていきます。触ってるところの感覚が違うか教えてください。まず足の甲を触ります。どうですか?
患者:なんかはい右と左で左はやっぱり全然違いますね。
山田:右がはっきり分かるのを10とすると左はいくつですか?
患者:その半分ぐらいですかね。
山田:はい。では足の外側触ります。右10とすると左はいくつですか?
患者:さっきよりはちょっと感覚ありますけど、6か7ぐらいですかね。
山田:6か7ぐらい。では足の脛を触ります。右10とすると左はいくつですか?
患者:それも6か7ぐらいです。
山田:では太もも触ります。この辺はどうですか?
患者:そんなに変わらないですけど、やっぱりちょっと左は違和感あります。
山田:膜をかぶってるようのは感じですかね。では足の内側はどうですか?
患者:それは全然変わらないです。
山田:はい、よくわかりました。足の力と感覚を診るとやはり腰の座骨神経領域に症状があります。
この感覚を司ってるところも神経の番号によって症状の出る場所が異なってくるので、神経で言うと4番とか5番あたりが悪いのかなという推測です。
ではゆっくり横を向いてから起き上がってください。お疲れ様した。
後はちょっと画像検査ですね。今回の足の症状は原因が腰からとなっていると考えられるので、まずは腰のレントゲンを取りましょう。
レントゲンは骨を移すものですので、骨以外の重要な椎間板であるとかその後ろに走ってる神経というのは見えないので、MRI検査もしてさらに詳しく診たいと思います。
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