腰の病気で足がつる原因と4つの対策を解説
16号整形外科院長であり山田朱織枕研究所代表の山田朱織(やまだしゅおり)が解説します。
普段から診察室で患者様にお伝えしていることをできるだけそのままお伝えします。
今回は「腰の病気で足がつる原因と4つの対策を解説」についてお話をしてまいります。
目次
足のつりの原因は「代謝のメカニズム」と「筋肉や神経のメカニズム」が原因として大きく分類されます。
今回は「筋肉や神経のメカニズム」から起こってくる腰のトラブルに伴う足のつりについてお話をしたいと思います。
足がつる原因になる3つの腰の病気を解説
腰の中には5つの椎体という骨があります。そして骨と骨の間には椎間板という軟骨があります。
レントゲンでは映りませんがMRIという検査をすると椎間板という組織も見えてきます。
椎間板は骨よりは柔らかい組織です。
年齢と共に骨や椎間板の形が変わってくると様々な腰の病気が起こってくるのです。
腰の代表的な病気を3つご説明します。
変形性腰椎症で足がつる
段々と骨の質が悪くなっていき骨に棘ができたり、形が崩れて凹んでしまったり湾曲になったり、または横に広がってしまうといった骨が変形した状態を変形性腰椎症といいます。
椎間板ヘルニアで足がつる
高齢になってくると椎間板の水分が減ってきます。そうすると椎間板が潰れてはみ出してしまいます。
また年配の方だけではなく、交通事故やスポーツなどでも椎間板が潰れてしまったりします。
椎間板が潰れて後ろにはみ出してきた状態を椎間板ヘルニアといいます。
腰部脊柱管狭窄症で足がつる
骨の棘や椎間板が後ろに出っ張ってきた時、後ろに走っている神経に当たったり何らかの形で締め付けられてしまうんです。
神経が締め付けられた状態、神経が狭くなった状態を脊柱管狭窄症といいます。
変形性腰痛症や椎間板ヘルニアが起こって程度がひどくなっていくと脊柱管狭窄症が起こるということなんです。
腰の病気によって足のつりが起こるメカニズムを解説
神経は太い脊髄神経があり、そこからたくさん枝分かれして体中に走っています。
それは足の筋肉にも入っていくわけですが、足の筋肉が収縮した時にあまり縮まりすぎてはいけないので伸ばしてくださいねという命令が脳から
脊髄を通って伝わります。
この時に脊柱管が狭かったり、ヘルニアによって神経が痛められていたらその命令がうまく届かなくなってしまいます。
筋肉が緊張したり締め付けを解除するメカニズムがうまく働かなくなってしまいます。
それによって足のつりが起こってくるわけです。
脊柱管狭窄症の7割の患者様が足のつりを感じている
私の16号整形外科の外来には毎日のように腰部脊柱管狭窄症の患者様が来るんです。
現代は10人に1人が狭窄症とも言われるほど高齢化社会には多い病気なんですね。
そして腰部脊柱管狭窄症の7割の人が足のつりを感じているというデータもあるんです。
足のつり以外に起こる症状にも注意
腰部脊柱管狭窄症の方はもちろん、腰が痛い、お尻から足が痛いといった坐骨神経痛がひどくなってくると歩けなくなるということも起こります。
間歇歩行(かんけつほこう)といって、歩いていると痛みやしびれで歩けなくなり途中で前かがみになってしまって休む、そしてしばらくすると歩ける。
このような状態を間歇歩行と言うんです。これが結構特徴的なんです。
腰の痛みや足の坐骨神経痛や間歇歩行、そして足のつり。これが起こってくる結構辛い病態が日本では今増加している腰部脊柱管狭窄症なんです。
夜にやっていただきたい4つの足のつり対策
つり対策として夜やっていただきたいおすすめの4つのアドバイスがあります。
1,入浴中の体操で足のつり対策
入浴中にお風呂の中で足をよく動かすということが大事です。
股関節、膝、足首、足をよく入浴中の湯船の中で動かすという体操できれば30回ぐらいやってください。
2,ベッドの上でストレッチで足のつり対策
例えばよくつるふくらはぎを寝る前に、足の指を上に引っ張るようによく伸ばすということが大事です。
足のつる部分をよく伸ばすようなストレッチをやっていただくことが有効です。
3,湿布を貼ることで足のつり対策
体操やストレッチをしてもまだ心配な方はよくつる部分に湿布を貼って寝ましょう。
日中は動いているので血流はある程度は保たれますが、寝ている時はじーっと寝てしまったり、布団で足が動きづらかったりというようなことでつりが起こってしまいます。ですのでつる場所に湿布を貼っておくことも結構重要です。
4,枕の高さ調節で足のつり対策
そして最後に最も重要なことは枕の高さ調節です。
枕と足のつりと関係なさそうに感じるかもしれないんですがとても重要なんです。
それはなぜかというと枕を適切に合わせていただくと左右に寝返りが打ちやすくなります。
寝返りを打つときは足もよく動いてるんですね。
つまり寝ている時にじっとするのではなく、コロコロと知らないうちにスムーズな寝返りが打てていれば腰から足にかけて血流が良くなりますし、締め付ける筋肉の緊張もほぐれるわけなので一石二鳥です。
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今回は足のつりと腰の病気との関連についてお話しました。
最後の4つの方法を夜やっていただければ、これから寝るぞという時に安心して眠れると思います。
ぜひ今晩からやってみてください。
本コラムの内容は動画でもお話ししています▼
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