コラム詳細

症状や診断別に足のつりに使われる薬や注意点を解説

16号整形外科院長であり山田朱織枕研究所代表の山田朱織(やまだしゅおり)が解説します。

山田朱織って誰?

プロフィールをご紹介

山田朱織が診察をしている様子

普段から診察室で患者様にお伝えしていることをできるだけそのままお伝えします。


今回は足のつり「薬物療法編」ということで治療についてお話をしたいと思います。

目次



足のつりの治療を考えていくときに第1に重要なことは原因が何であるかというところです。

一過性に起こっている場合の対処療法の一つが薬を飲むこと

何か一過性に足のつりが起こっているが原因がはっきりしない場合、足のつりに対する対処療法を行って足のつりを改善していきます。

診療科ごとに処方する薬が違いますので後ほど解説します。

持病が原因の場合は、根本治療が必要

一方で足のつりが何か持病を背景に起こっている、元々ある自分の病気の一症状として足のつりが起こっているとすれば原因が明らかにあるわけですから、その病気を根本的に治療しないと足のつりは改善しないわけです。

足がつる原因になる3つの内科の病気

・糖尿病

・肝臓病

・腎臓病

これらの病気を持っていると足がつることが多いんだということを念頭に置いておいてください。

根本的な治療することで足のつりという眠りを妨げるような辛い症状を改善することができるわけです。

具体的にどんなお薬が使われているかを説明していきたいと思います。

もちろんこれからお話するお薬は医療機関でドクターが処方して出す薬が大半ですので、皆さんが勝手に自分で診断をつけて飲むわけではありません。

ただ今回のように症状や診断別に分かれて足のつりの薬というのが処方されているんだということを知っていただければと思います。

整形外科で処方される足のつりの薬を紹介

症状や診断別に足のつりに使われる薬や注意点を解説

整形外科で最も足がつる原因となる大きな病気としては腰部脊柱管狭窄症と腰椎椎間板ヘルニアです。

腰の背骨の中の神経が締め付けられて神経の状態が悪くなり、そこから坐骨神経痛が出て足の痛みや足のつりというのが起こってきます。

腰の椎間板が出っ張って神経に当たってしまう椎間板ヘルニアでも足がつることがよくあります。

腰の神経は足の動きや感覚を司っているものなので、腰の部分で足にいく神経が締め付けられることによって足の様々な不具合がつりも含めて起こるわけです。

このような腰の病気の場合に整形外科医がどんなお薬を処方するか説明します。

血液循環改善薬を処方する

血液循環を良くして腰の神経に栄養が行くようにするお薬。血液をサラサラにする。

消炎鎮痛剤を処方する

つった時の痛みを抑える薬。インドメタシン、フェルビナク。

筋弛緩薬を処方する

筋肉を緩めて神経を締め付けないようにするお薬。ミオナール、テルネリン。

ミネラルバランスの崩れから足がつるのは妊婦さんに多いが注意が必要

症状や診断別に足のつりに使われる薬や注意点を解説

ミネラルバランスの問題は妊婦さんによく起こります。しかし、妊婦さんにはお薬を使うことはよくありません。

飲んだ薬が胎盤を通して赤ちゃんに移行してしまうからです。

お腹の中の赤ちゃんに影響が出て副作用が出ることは非常に避けなければいけないので、なるべく薬物療法はしたくありません。

女性だと閉経後に足のつりが起こりやすくなる

閉経すると女性ホルモンのバランスが崩れます。カルシウムやマグネシウムなどのミネラルバランスも崩れるので骨粗鬆症になりやすく足のつりも起こりやすいのです。

この場合はカルシウムの吸収を良くするお薬、骨粗鬆症そのものの改善のお薬が有効に働きます。

足がつる患者様どんな方にも使える薬を解説

注意はあるが足のつりに漢方薬は比較的使ってもらいやすい薬

症状や診断別に足のつりに使われる薬や注意点を解説

ツムラという漢方のシリーズを出しているお薬の中で68番という芍薬甘草湯(しゃくやくかんぞうとう)というお薬です。

芍薬甘草湯(しゃくやくかんぞうとう)を夜寝る前に1包飲んで寝ていただくと、夜中・明け方の足のつりが緩和することが多いです。

比較的使いやすいお薬ではありますが、毎晩飲んでいると血圧が上がってしまう高血圧症を引き起こすこともあるので元々高血圧の方などは注意が必要です。内科の先生によく相談してください。

血管の病気で足がつっている場合の薬

閉塞性動脈硬化症(へいそくせいどうみゃくこうかしょう)の患者様への処方薬

血流障害の病気。抗血小板薬など血液を固めないサラサラで血液循環を良くするような薬が適用となります。

全身こむら返り病(里吉病(さとよしびょう))の患者様への処方薬

10歳ぐらいの子が発症し全身につりが起こり下痢などの様々な症状も出る病気。

これに対しては末梢性筋弛緩薬[ダンドロレンナトリウム]という特殊なお薬が処方されることがあります。

詳しく解説

内科の病気が原因?足だけでなく全身のつり|対策を解説

様々なお薬があり難しい名前もあってよくわからないかもしれませんが、要は足のつりが起こる病気や原因があって、それぞれ効くお薬があるという ことです。

適切な科で診断を受けお薬を処方してもらうということが大事です。

適切なお薬で治療することが足のつりを治す近道です。是非、ご参考にしてください。


本コラムの内容は動画でもお話ししています▼


YouTubeのチャンネル登録で最新情報をお届けします!
  • 「5mmを調整する枕」

    靴は5mm単位で自分のサイズを決めているのに。
    365夜、あなたの首を支えているのは枕だけ。
    医学的研究と臨床経験の中で生まれた当社の計測方法は、
    あなたにジャストフィットする、5mmを調整します。

    オーダーメイド整形外科枕