コラム詳細

救急外来で顎が外れた患者様を整復した話

16号整形外科院長であり山田朱織枕研究所代表の山田朱織(やまだしゅおり)が解説します。


山田朱織って誰?

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整形外科医の本音シリーズ、今回は救急外来のその2ということでお話をしていきたいと思います。

前回その1では、私が担当してる神奈川県相模原市の救急外来について概略をお話ししました。

今回は、そこで実際に行われている様々な状況や体験について少しお話ししていきたいと思います。

救急外来その1

救急外来に行くともっと勉強しなくてはと思われされます


目次


救急外来の忙しい一日

ある日、私はとっても忙しい日があったんですね。

到着するとすぐに、夜8時からどんどん患者さんが来ます。

まず火傷に始まり、階段から落ちて骨折、捻挫、そして出血するような大きな外傷、縫ったり、レントゲンを撮って骨折を確認したり、そしてまた火傷の患者さんというふうに3時間の間に12~13人ぐらいの患者様を診たでしょうか。

とっても忙しい日がありました。

特にこの忙しさの原因として、自分のクリニックでしたらどこに何があるとか、またレントゲンは専門のレントゲン技師が撮ってくれて私はレントゲンを読影すればいい。

処置は慣れてる看護婦が準備して、そして私は自分の手慣れた道具で治療する、みたいなことができるわけですが救急外来ではそうはいきません。

レントゲンを撮るのも、患者さんを運搬するのも、それから診察し、処置をし、投薬をし、紹介状を書き、様々な業務がある中で次々と患者様が来るわけですから、それは確かに忙しい時間となるわけです。

そんな時に本当に頼りになるのが、すごく実力のある経験豊富な看護師さんなんですね。

特に私はすごく経験豊富な看護師さんと一緒にペアを組むことが多くとっても助かっています。

私1人ではできないことがチームでできるわけです。


顎関節脱臼の整復

とても印象に残ってる患者様のお話をしましょう。

それは、顎関節脱臼の患者様なんですね。

顎が外れてしまったと救急要請があって、でも立って動けるし大学病院や市中病院に行くような症例ではないので、こちらの一次救急で診てほしいということで依頼がありました。

私はその患者さんを診ることになったわけですが、来てみると患者さん曰く前にも自分は顎関節が外れたことがあって気をつけていたと。

今日も寝る時にあくびが出そうになったんで、ちょっと注意しなきゃと思いながらあくびをしたら片側が外れちゃったということでした。

片側が外れたパターンっていうのは結構治すのが難いんです。

患者様と一緒に、先生そこうまく指が当たってないよとか、ここ押せばいいの?この方向?おっ入りそうだ、なんていう風に言葉の掛け合いをしながらなんとか整復にたどり着いたんですね。

患者様も痛い思いもしましたが、最後にはきちっと整復できて、元の顎の状態に戻った時は本当にほっとするととっても嬉しそうにされていました。


私はこの救急外来を通して、25年間ほとんど自分は整形外科しか専門としてやってこなかった中で、他の科の患者様を診させていただく機会をいただけて、とっても勉強になるし感謝しています。

これからももっともっと勉強して、より良い専門外の治療もできるように精進してまいりますので、患者様もどうぞ協力的に診療に当たってきていただければと思います。

これからもよろしくお願いいたします。


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