右肩甲骨・左肩甲骨の痛みはそれぞれ左右の首が原因?
普段から診察室で患者様にお伝えしていることをできるだけそのままお伝えします。
「突然の背中・肩甲骨の痛みの原因は首!?部位別症状と原因を解説」のコラムを公開したところ、多くの反響をいただきました。
今回のコラムは、「背中の痛みは首からですよ」というところからもう一歩踏み込んで、右と左の背中の痛みがそれぞれ原因が首の右左それぞれから起こっているのかというあたりについて、もう一段詳しく説明すると共にその対処方法をお話したいと思います。
目次
首が原因で背中が痛くなっている
山田:以前に説明しましたが肩甲骨周りの痛みというのは何が原因で起こるか覚えていますか?
モデル:はい。覚えています。首からの神経の症状が多いですよね。
山田:そうです。
この首にある神経が右と左に分かれていますが、この首の神経が背中に回って肩甲骨周囲、肩甲骨の周りに痛みが出ることが多いんです。
首が原因で背中が痛くなっている。これも一つ覚えておいてください。
もちろん背中自体が悪くて肩甲骨が痛みが出ることもありますし、内臓の病気から背部痛・背中が痛いということもありますので一つの原因、でも比較的よく起こる原因として首の神経痛があるということを覚えておいてください。
右の神経がやられると右側が痛くなる?
山田:病院に行ったら頚椎椎間板ヘルニアという診断を受けたそうですね?
モデル:はい。
山田:その椎間板ヘルニアやMRIでどちら側にあったんですか?
モデル:右側に症状が出ているので右側の肩甲骨にも症状が出ていると言われました。
山田:右の頚椎椎間板ヘルニアから右の症状、右の肩甲骨周囲の痛みが出てるというふうに診断されたわけですね。
モデル:はい。
これが医学で説明する右が原因で右の首の神経がやられると右の肩甲骨が痛いというメカニズムです。
なぜなら首には本管の太い神経から右側と左側に細い神経の枝が出ています。
その神経は首から出て頭にも行くし、首周りも司るし、ひいては肩甲骨周囲まで司っているからです。
右の首の神経は右を広範に司り、左の首の神経は左の広範な首から頭から背中までを司っている神経なんです。
首が原因で左右きれいに症状が出ることもあるけれども実はそれだけではない
ここで重要なことは首が原因で左右きれいに症状が出ることもあるけれども実はそれだけではない。
右の首の神経が障害されても左にも放散する痛みが出てしまうこともあるし、左の首が原因でも右に症状が出ることもあり得るんだと、人間の体はそれほどきっちり右から右とだけはいかないということも少し念頭に置いてください。
なぜ背中に痛みが出るの?
では次にこのなぜ背中に痛みが出るのか、首と背中って離れてるような感覚するじゃないですか、なぜ首から巡り巡って後ろの背中が痛くなるのかということをお話ししますね。
例えば首の頚椎椎間板ヘルニアがあったときに根本的な症状、典型的な症状は手の方に響くような障害が出ることが多いんです。
山田:手がしびれたり手先がちょっと使いにくいことなかったですか?
モデル:手のしびれもたまに感じます。
山田:そのはっきりした手の症状が出る前に同じ背中、同じ側の背中に痛みを感じたっていうことはないでしょうか?
モデル:背中の痛みもありました。
山田:ありましたね。その背中の痛みがある程度治まってから手の症状が出たのではないですか?
モデル:思い返してみるとそうかもしれません。
何番の首の神経がやられるとどこに症状が出るか決まっている
その通りなんです。実は東北中央病院院長先生であられる田中靖久先生は、その頚椎症性神経根症という病気の日本の第一人者、世界の第一人者なんですけれども、先生の論文を拝見すると首の中の神経首には7つの骨と8つの神経があるんですが、
その神経にはそれぞれ番号が付いていて何番が悪くなるとどこに症状が出るよということが概ね決まっています。
それで言うと首の5番と6番の神経が入やられるとこの肩甲骨の上の方が痛みが出ます。
また神経の7番8番がやられるとまさに肩甲骨の内側に痛みが出ます。
8番に特有な症状としては肩甲骨の下縁、下の方に症状が出る。このように肩甲骨にも首からの神経のそれぞれの番号の神経が司っているということがわかってきたんです。
ですので単に頚椎椎間板ヘルニアと診断されて典型的な肩から腕だけの症状が出るとは考えないでください。
その前駆症状、前もっての症状としては背中に痛みが一時期出ることがあるということも念頭に置いておいてください。
では、ここまでお話したように首が原因で背中の痛みが起こる場合、まず第一に首の安静をとってみてください。
このように首枕を使うのもいいですし、横になって適切な枕を使っていただいてしっかり首の安静をとることもよろしいかと思います。
内臓からくる肩甲骨の痛み
しかしながら整形外科的な首の障害のみならず、他の病気からも背中の痛み・肩甲骨周囲の痛みが起こることもあるのでヒントは少ないんですけれどもそのような危険性もしっかりと念頭においていただきたいんです。
それは内臓の痛み。
内蔵の障害からくる肩甲骨周囲の痛みというのが起こりますのでご注意ください。
こちらに書いてある内臓の疾患。特に多いのが心臓の病気と消化器系の病気です。
心臓の病気においては狭心症・心筋梗塞・大動脈解離いずれも重篤な症状をきたしかねない、単に背中が痛いというよりは息が詰まるほど背中が痛いとか痛みで呼吸が出来ない。
こういったシビアな症状が出ることも多いのですが、中には高齢者などでは症状が出にくい場合もありますのでご注意ください。
また一方消化器系の胆石・胆のう炎・膵炎などでは肩甲骨のみならず、みぞおちから脇腹にかけての痛みを伴うこともありますので一つのめどになるかと思います。
このような症状が出たときは速やかに専門の医療機関を受診してください。
今日はこのような肩甲骨周囲の痛みについてお話をしてきましたが、もちろん首からの症状これはポピュラーなよくある症状ですのでしっかり予防したいものです。
しかし、中にはこれらの怖い内臓の病気から背中にくるということもお話していましたがご理解いただけましたか?
モデル: こんな怖い病気も背中の痛みが関係しているなんて知らなかったです。
山田:このような知識を持っていただければ何か症状が出た時にも安全な対応ができると思いますのでいつも念頭においていただけると良いかと思います。ぜひ覚えておいてください。
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首が原因で背中の痛みが起こる場合、まず第一に首の安静をとることが重要です。
寝ている時の首の安静の為には適切な枕を使うことが大事です。
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