研究では背中の曲がりがある患者様の枕は5mm~20mm高くする必要がある
16号整形外科院長であり山田朱織枕研究所代表の山田朱織(やまだしゅおり)が解説します。
普段から診察室で患者様にお伝えしていることをできるだけそのままお伝えします。
高齢化社会における枕の重要性
平均寿命が男性81歳、女性847歳の高齢化社会において、骨粗しょう症が問題になっています。※平均寿命は厚生労働省の令和4年簡易生命表の概況、主な年齢の平均余命から引用
骨粗しょう症とは、骨の髄(ずい)という中身がすかすかになって、体にきしむような痛みが出たり、骨折を起こしやすくなる状態です。骨がもろくなると、3大骨折と言って、手首、背骨、足の付け根の骨の3箇所に骨折が起こりやすくなります。
特に背骨は骨折の頻度も高く、転んだりぶつけたりと言う怪我をしなくても、徐々に骨が部分的につぶれていきます。結果として、背中が丸くなり、これを円背(えんぱい)といいます。
背中が曲がりうつむく姿勢になると、首だけを持ち上げて前に突き出す形になります。よって円背の方が上向きに寝るときには、枕の高さを高くする必要があります。しかしこれまでは、このような高齢者に適切な枕を合わせることの重要性は、医学界でも認識されていませんでした。
研究では背中の曲がりのある患者様の枕は高くする必要がある
当研究所と札幌にあるターミナル整形外科の協同研究の結果により、枕の高さを調節した20名の円背の患者様の枕の高さは、同じくらいの体格(身長、体重)で円背ではない方に比べ、5㎜~20㎜(時にそれ以上)高いことがわかりました。いかに円背の方が高めの枕が必要かということです。つまり市販の枕を適当に選んで使用すると、低すぎる状態になりやすいということです。
低すぎたらどうなるかというと、上向きで寝るのが困難で横向きばかりで寝ることになります。そして、朝まで大きな寝返りが打てなくなります。
寝返りを打てないとどうなるか?先に述べた血液、リンパ液、関節液が滞って、循環障害やむくみ、また起床時の節々の痛みや、すぐ動き出す事が出来ないといった症状を引き起こします。
特に膝に水が溜まるなどといって、整形外科に注射に通院するような方は注意です。膝や腰など関節に変形があると、長時間寝返りを打てずに同じ姿勢で寝ていた場合、起きて動き始めがスムーズには行きません。関節にとっても寝返りは、寝ていても必要な最低限の体の運動なのです。
ご両親など思い当たる方はいませんか?朝、寝床から直ぐに起き上がれず、節々の痛みを訴える姿。枕調節と適切な寝具(敷物)を合わせてあげると、コロコロコロコロ寝返りが打てるようになります。そしてぐっすり眠れるのはもちろん、朝は快適に動き出すことができるのです。
このような骨粗しょう症や円背の方の不眠や朝のつらい症状が、寝具や寝方に問題があるとすれば、骨や関節の問題を考える整形外科医の枕研究は必要不可欠なのです。
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「圧迫骨折で背中が丸くなった」
圧迫骨折で曲がってしまった
枕はどうすればいいの?
背骨を楽な睡眠姿勢に持っていくか
というときに重要なキーワードが枕です。
枕を適切に合わせることで、
背中が曲がっていても
圧迫骨折をしていても
楽に寝返りが打てることがとても重要なんです。
ドクター考案の『整形外科枕』による症状の改善
山田朱織枕研究所では整形外科枕という、睡眠姿勢によるさまざまな症状の改善を目的としたオーダーメイド枕を提供しています。
整形外科枕は16号整形外科の山田朱織医師監修のもと、開発されました。
円背が進むと市販の枕では低すぎることが考えられます。
高さを調節して寝返りが打ちやすいかが重要です。
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「枕外来のオーダー枕」
私の枕外来には,朝から肩がこる,枕が合わない,何度も目が覚める
オーダーメイド整形外科枕
という患者様が沢山来院します。
好みで枕を選んでいませんか?首を休めるための枕は、
体格によって適合する高さが違います。
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靴は5mm単位で自分のサイズを決めているのに。
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あなたにジャストフィットする、5mmを調整します。