肩こりにお悩みの主婦の方の診察
16号整形外科院長であり山田朱織枕研究所代表の山田朱織(やまだしゅおり)が解説します。
人から肩こりと言われて睡眠にもお悩みのある主婦の方にお越しいただき、診察から枕計測を体験していただきました。
今回は問診の様子をお届けします。
お悩みの症状について
山田:こんにちは。
患者:こんにちは。
山田:今日はわざわざお越しいただきありがとうございます。
ご記入いただきました枕カルテを拝見したところ、肩こりがあって寝付きにもちょっと問題があるんですかね?
眠りに入れないですか?
患者:そうですね。疲れてる時はすっと寝れる時もあるんですけど、考え事とかしたりそれほど日中行動してない時はそんなにすっと寝ることができないこともありますね。
山田:例えばその寝れない時間というのは15~20分とかなのか、1時間ぐらいなのかどのくらい寝れないですか?
患者:15分くらいかなとは思うんですけれども、ちょっと考え事があるときは1個考えるとまた次のっていう感じになってしまうと知らない間に1時間とか経ってることはあるかもしれないです。
山田:分かりました。あと、早朝目が覚めちゃうっていうのも問題ですね。
患者:そうですね、カルテを書きながら振り返ってみると気づいたんですけれども、目がパッと覚めるっていうのは良いことかなと思ってたんですけど、そこに項目があるっていうことは何か問題があるんでしょうか?
山田:そうですね、例えば朝大体何時ぐらいに起きようと思ってらっしゃいますか?
患者:できれば6時ぐらいには起きたいです。
山田:ではその6時よりもどのぐらい前に目が覚めちゃいますか?
患者:1時間ぐらい前ですかね。今日も5時ぐらいには目が覚めちゃいました。
山田:そこからもう1度寝ることはできますか?
患者:そういう時もありますし、携帯見て時間を潰すみたいな時もあります。
逆にもう一度練れても今度は6時を過ぎてしまったりっていうこともあってちょっとコントロールが難しいです。
山田:そうですか。もし6時まで寝ようと思ってるのに、5時に起きちゃうと睡眠時間減ってしまうじゃないですか。
最適な睡眠時間は1人1人違うとされています。
朝起きた時に疲労感が残ってしまったり熟睡感がなかったり、しっかり寝て気持ちよく起きたなっていう感じがもしないとすれば、それは時間的に睡眠が足りないっていうこともあるんですね。
なので、できれば6時まで寝ようと思った時は6時までしっかり寝れる方がもちろんいいわけですね。
患者:わかりました。
山田:書いていただいた肩こり、寝つきの問題、朝が早くに目が覚めてしまう、この辺りは枕ととっても関係ある症状なんです。
もしかすると適切に枕を合わせるとこれらの症状は改善するかもしれないので、是非使って様子を見ていただけたらと思います。
寝具環境について
山田:今使ってる枕は低反発の凹凸枕ですか?
患者:首のところがポコっとなっていて、高いところと低いところがあります。
山田:縦にも横にも最近凹凸のものが多いんですけど、私の考えでは凹凸は全くいらないんですよ。
患者:そうなんですね。
山田:全くの凹凸がなく平らな方が寝返りが打ちやすいんです。
でも平らにするためには高さがすごく重要で、高さがぴったり合ってないと平らにしても寝返りは打てないんです
ね。こういった大事な条件というものがあります。
あとお布団の方ですが下に敷いてらっしゃるのが羽毛布団ですか?
患者:そうです。2枚重ねてますけど上に低反発のマットレスを敷いています。
山田:そうするとちょっと柔らかそうですね。なぜそれを選ばれましたか?
患者:寝やすいと言いますか横になった時の感触が気持ち良いからですかね。
山田:何年ぐらい使ってらっしゃるんですか?
患者:もう5年とか経ちましたね。
山田:5年使うと結構低反発がへたってくるかなと思うんですよ。素材が汗を吸うんですよね。
ちょっと使い心地変わってきてないですか?
患者:そうですね。言われてみるとそうかもしれないですね。
山田:朝起きた時に腰痛はございませんか?
患者:たまにあります。
山田:これも私の考えなんですけれども低反発は良くないと考えていて、ある程度寝りを打つにはしっかりと土台が適度に硬いことが大事なんですよ。
低反発は確かに柔らかくて感触は良いんですけど、寝てる間にじわじわと体が沈んでいくんですね。
そこから大きな寝返りを打つという動作はしづらくなってしまうのでできれば低反発をやめた方がいいんですね。
今日は枕の高さを実は5mm単位で測っていくんですが、5mmの単位で枕をちゃんと調節してもマットレスが低反発で5mm沈んだら全く合わなくなってくるんですよ。
ですので、高さを合わせた枕と低反発ウレタンの敷物、これはなかなか適合しにくいってこともあります。
もし嫌でなければ1度、この枕を使う時に低反発マットレスを外してみて、羽毛単独、もしくは羽毛と何か羊毛など組み合わせることで腰が沈まないような硬さに調節していただくことも大事です。
またそういったアドバイスはいつでもさせていただきます。
患者:はい、ありがとうございます。
山田:あとは掛け物ですが羽毛布団ですね。軽いし暖かいし良いと思います。
あっあとは靴下履いて寝てますか?
患者:ちょっと冷えが気になるので、脱がないでそのまま布団に入ることがありますね。
山田:それも是非今晩試していただきたいんですけど、靴下を履いたまま掛け布団かけるのと、靴下を脱いで掛け布団かけるのでは足の纏わりつき方が違うんですよ。
靴下を穿かないない方が実は体って動けるんです。
靴下を脱いで寝ても寝りが打てると末梢の血流も良くなるので、1度は脱いで寝てみてください。
今回、お話を伺って日頃のお悩みや睡眠のご様子がよくわかりました。
次回は肩こりの診察をしていきます。
本コラムの内容は動画でもお話ししています▼
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