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30代なのに四十肩?30代なら三十肩?原因や症状を解説

16号整形外科院長であり山田朱織枕研究所代表の山田朱織(やまだしゅおり)が解説します。

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普段から診察室で患者様にお伝えしていることをできるだけそのままお伝えします。


今回は「30代なのに四十肩?30代なら三十肩?原因や症状」をお話をしたいと思います。

よく四十肩や五十肩と言いますが、30代でなったら三十肩なんじゃないかと思うかもしれませんが、三十肩という言葉はありません。

その理由や治療など詳しくお話ししたいと思います。

目次


四十肩・五十肩の好発年齢

好発年齢とは、ある病気にかかりやすい、あるいは起こしやすい年齢のことです。

四十肩・五十肩は医学的には肩関節周囲炎(かたかんせつしゅういえん)と言います。

この肩に起こる炎症は50~70代ぐらいまでの方によく起こる病気なんです。40代でも起こるので四十肩・五十肩と呼ばれているわけです。

この肩関節周囲炎は20~30代ではほぼほぼ起こりません

ですので「三十肩はほぼない」という結論になります。

四十肩・五十肩はすごくありふれたよくある症状で、非常に症状も多彩で様々な症状の症候群のような形になっている病体です。

江戸時代の書物にはなんと五十肩という言葉が書き記されています。昔からある病気のようです。

四十肩・五十肩が起こるメカニズム


肩の周囲に骨軟・骨・靭帯・腱といった様々な組織があります。

ここに炎症が起こってきます。その炎症が痛いけど我慢して長い間ほったらかしにされていると、段々と関節にある袋関節包という袋がくっついてしまってガジガジになって動かなくなってきます。

そうなると腕を上げたくても上がらないということが起こってくるんです。

ですので放置するとちょっと厄介な病態になります。

四十肩・五十肩で起こる症状


どんな症状があるかというと

・肩の運動痛

・夜間痛

・動きが悪い

・洋服の脱ぎ着ができない

といった症状が起こってきます。

先日いらした患者様はタンクトップがもう脱げないとおっしゃっていました。

女性の方だとエプロンが結べないとか、男性の方だと運転していて券売機の券を取るとか後ろの荷物を取るみたいな後ろに手を回す動作が非常にしにくくなります。

不意にやってしまった動作で急激な痛みが出るなんていうのも四十肩・五十肩ではよく起こる症状です。

例えば50歳代ぐらいのお母様方で肩が急激に痛くなって洋服を脱ぐのがきついみたいな時は、五十肩の可能性があるかもしれません。加えて夜間痛もあるということになると少し確率が上がってきます。

その場合は一度、整形外科を受診されるといいと思います。

四十肩・五十肩の病期分類

病期分類と言って、病期っていうのは病気の時期っていうことなんですけどま長くなればなるほど別の症状が出てくるんです。

1、炎症期 2~9ヶ月

症状が出てから最初のうちは非常に動かすと痛いとか、動かさなくても夜間痛いとか結構痛みが強い時期です。

そういう時はあまり動かしてはいけないので肩患部を安静にすること。そして消炎処置をすること。

例えば湿布を貼るであるとか、飲み薬を飲むとか、あまりひどい痛みの時には三角筋などで固定するということもあります。

患部を安静にすることで痛みが取れてくる、そういう時期です。

2、拘縮期 4~12か月

少し肩が固まってくる時期です。

少し肩が動きづらくなってきたり、もうこれ以上肩が上がらないみたいなことが起こってくると拘縮期です。

拘縮期はただ単に痛くないように動かさないというのではなく、痛みのない範囲動かしていく運動が必要になってきます。

適切にリハビリテーションを行うことも重要です。

3、回復期 5~24か月

大体5ヶ月から長い人だと2年もかかる患者様もいらっしゃるんです。

この間には動かなかった肩が少し自然と動き出す方もいらっしゃるし、逆に凍結肩と言って冷凍庫に入れてカチカチになったかのように固まってしまう肩になってしまう方もいらっしゃいます。

こうなると自分の運動だけではとても追いつきませんので、動きの訓練をしっかりと専門の医療機関で行うことが必要になってきます。

四十肩・五十肩がひどくなると手術が必要

最悪の場合をお話しすると、もし拘縮期もしくは回復期にリハビリテーションをしても日常生活に必要なだけの動きが確保できない場合は最終手段として手術療法というのがあります。

メスで切るという手術、もしくは関節鏡と言って細いカメラを入れて中を見ながら処置をすることで元の動きに戻していくという方法もあります。

もう1つご紹介したいのがサイレントマニピュレーションという療法です。

これは首の神経のブロック注射をすることで肩の患部の痛みを取っておいて、専門家のドクターが肩を動かして肩の固まった部分を剥がしていき元の動きに戻していくという比較的新しい治療法です。

良い結果を出している例が増えていますのでサイレントマニピュレーションも1つの選択肢として知っておいていただければと思います。

今回は四十肩・五十肩、30代の人に三十肩があるのかなんていうお話をしてきましたけど、この病気はとてもありふれたいつあなたがなるかも分からない病態ですので少し記憶に留めていただけると、症状が出た時慌てずに済むかと思います。ご注意してください。

本コラムの内容は動画でもお話ししています▼


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