コラム詳細

巻き肩は寝方で治る?矯正枕は逆効果|整形外科医が「寝ると肩が上がる」原因も解説

巻き肩でも枕は普通でいい|横向き寝・医学用語の真実と日中の体操を整形外科医が解説

16号整形外科院長であり、山田朱織枕研究所代表の山田朱織(やまだしゅおり)が解説します。

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山田朱織が診察をしている様子

今回は、枕と「巻き肩」の関係についてお話ししたいと思います。
「自分は巻き肩がひどいのですが、横向きで寝ると悪化しますか?」「特別な枕が必要ですか?」というご質問を診察室でもよくいただきます。普段から診察室で患者様にお伝えしていることを、できるだけそのままお伝えします。

◆ 3秒で分かる結論

巻き肩は「特定の寝方」や「矯正枕」で治すものではありません。横になれば体は自然と伸びるため、無理に高い枕で肩を引こうとすると、かえって首の神経を痛める逆効果になります。本当に見直すべきは日中の姿勢で、胸を開く体操2選が効果的です。

「寝ている時に肩が上がる(すくむ)」感覚が気になる方はよくある質問(FAQ)もご覧ください。

目次

1. 「巻き肩」は医学用語ではない?

そもそも、「巻き肩」という言葉は医学用語ではないんです。

そのため、整形外科などの病院に行って「あなたは巻き肩ですよ」と診断されたり、治療を勧められたりすることは基本的にはありません。

巻き肩のほかに「猫背」や「反り腰」という言葉もよく聞くと思いますが、この中で医学的な正式名称なのは「猫背(円背:えんぱい)」だけです。円背は、お背中の丸みが生理的な弯曲を超えて過度に曲がってしまった状態を指します。

その他の言葉は俗称(一般用語)ですので、過度に信じすぎたり、怖がりすぎたりする必要は医学的にはありません。

2. 【年代別の違い】若い方と高齢者での巻き肩の捉え方

医学用語ではないにしても、一般的に「肩が前方に出て背中が丸くなっている状態」を巻き肩と定義して、その影響を考えてみましょう。私のこれまでの臨床経験や研究から、これは比較的若い方ご高齢の方で大きく分けて考える必要があります。

年代による「巻き肩・背中の丸み」の違い
ご高齢の方:背中の骨(胸椎)や椎間板が潰れたり(圧迫骨折など)、筋肉や関節が硬くなって動きが悪くなったりして、その状態が固まってしまう(拘縮)ため、寝ているときの姿勢にもそれなりの影響が出ます。
20代〜30代の若い方:日常のデスクワークなどで一時的に姿勢が悪く巻き肩状態になっていたとしても、ご自身の力でちゃんと伸ばすこともできるし、元に戻すこともできます。

よほど運動不足で体が固まりきっていない限り、若い方の体は横になれば自然と元の正しい位置に戻るわけです。

ですので、「横を向いて寝たら巻き肩が悪化してしまうのでは?」と心配する必要はありません。もし寝返りや寝方に違和感があるなら、それは巻き肩そのものが問題ではなく、単に「枕の高さが体に合っていない」可能性が非常に高いと言えます。

そもそも、人間は寝ている間に右を向いたり、左を向いたり、上を向いたりと、一晩に何回も寝返りを打っています。6〜7時間の睡眠中、ずっと右肩だけを下にして完全に固まって寝ているわけではないので、「朝起きたら右肩だけが巻き肩になってしまった」ということは医学的にあり得ないのです。

寝返りで睡眠姿勢を正す、整形外科医が開発した商品一覧

3. 横向き寝で肩が前に出るのは自然現象(巻き肩ではない)

「私は肩が前に出ている巻き肩なので、これを伸ばすために横向きに寝た時に高い枕を使いたいのですが、いいですか?」というご質問をいただきます。

まず知っていただきたいのは、横向きに寝たときに肩が前に出るのは、巻き肩ではなく自然現象だということです。

巻き肩を寝ながら治す寝方とは|枕の改善がおすすめ

今モデルさんに適切な高さの枕を使っていただいています。横を向いてみると、自然と肩は前に出ます。

横向き寝で肩が前に出るのは自然現象

肩甲骨が回旋することによって少し前に出る——これは巻き肩ではありません。心配せずに適切な高さの枕で寝てください。

また、決して肩が内巻きなのは寝るときに枕が低いからなるわけではありません。起きている時間にこそ、肩甲骨を寄せる体操・胸を開く体操・良い姿勢を心掛けていただくことが、巻き肩を改善する本当の方法です。

4. 枕を高くして巻き肩を矯正しようとするのは逆効果

「それなら、横向きに寝るとき肩が伸びるように高い枕を使えばいいのでは?」と考える方がいます。しかしこれは、別の場所——首とその神経——に大きな負担をかけてしまいます。

高すぎる枕は首神経に負担をかける

枕の高さがどんどん高くなることによって首の神経が圧迫されてしまいます。巻き肩を治そうとして首を痛めてしまっては本末転倒です。

高すぎる枕の問題点 適切な枕の高さ
詳しく解説

巻き肩でも枕は普通でいい|横向き寝・医学用語の真実と日中の体操を整形外科医が解説

なぜ、"正しい枕"が必要かご存じですか?

身体に合った枕を使うことで、睡眠時のトラブルや起床時の不調を回避できるかもしれません。整形外科医が提唱する「正しい枕の3大条件」を詳しく見てみましょう。

  • 1. ちょうどいい高さであること
  • 2. フラットな形状で、高さを維持する素材
  • 3. メンテナンスをしっかりすること

5. 山田朱織枕研究所の「枕計測」に巻き肩は関係ない理由

私たちが店舗で行う「枕の計測(フィッティング)」において、巻き肩のお客様が来られたからといって、特別な注意を払ったり計測方法を変えたりすることは全くありません。

なぜなら、若い方であれば巻き肩に見えても、ベッドの上にゴロンと横になれば自然と背中や肩のラインが伸びるため、通常の計測方法で100%ジャストな高さを割り出せるからです。

一方、ご高齢でお背中が丸くなっている方や、圧迫骨折などで体が硬く固まっている方であっても、「上向き・横向きの寝姿勢」と「寝返りのスムーズさ」を細かくチェックしながら最適な高さを決めていくという根本的な手順は一切変わりません。

体型や骨格の変化によって、最終的に仕上がる枕の高さが通常より高くなることはありますが、計測の手法そのものは全員一貫して同じです。巻き肩だからといって特別扱いする必要はないので、安心して計測にお越しください。

6. 日中にすぐできる!巻き肩対策におすすめの簡単体操

寝ているときは枕が首を支え、肩も自然に伸びるので心配ありません。本当に大切なのは「起きているとき(日中)に悪い姿勢を続けないこと」です。

立っているときや座っているときは、常に上から重力がかかるため、どうしても背中が縮んで肩が前に巻き込みやすくなります。デスクワークやスマホ操作の合間に、ぜひ次の2ステップで胸を開く体操を行ってみてください。

【巻き肩対策リセット体操の手順】

  1. 丸くなっている背中を、胸を起こしてまっすぐにする。
  2. 正面を向いたまま、両方の肩を横にグッと張り出すようにして胸を大きく広げる。

背中を伸ばす体操イメージ 胸を広げる体操イメージ

この2つの動作を意識的に行うだけで、日中の姿勢がリセットされ、巻き肩の予防・対策にとても効果的です。詳しい動きは以下の動画でもご確認いただけます。

詳しく解説

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日中の体操が巻き肩改善に重要

巻き肩は医学用語ではありませんが、日中の姿勢の偏りをこの体操でリセットし、夜間は体に合った枕でスムーズな寝返りを打つこと。この2つを組み合わせて、快適な睡眠と健康な身体を維持していきましょう。

「巻き肩だから枕選びが難しい」は思い込みです

枕の計測において、巻き肩かどうかは関係ありません。上向き・横向き・寝返りの3方向から5mm単位で調整する独自の計測手法は、どのような体型・骨格の方でも共通です。まずはあなたに合う高さを体験してみませんか?

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私たちはますます皆様に良い睡眠姿勢で熟睡していただき、ますます健康になっていただきたいと心から願っています。
私たちも頑張りますので皆さん是非これからも応援してください。

7. ドクター考案の『整形外科枕』による症状の改善

山田朱織枕研究所では整形外科枕という、睡眠姿勢によるさまざまな症状の改善を目的としたオーダーメイド枕を提供しています。

整形外科枕は16号整形外科の山田朱織医師監修のもと、開発されました。

首の神経を圧迫しない整形外科枕で良い睡眠姿勢をとることができます。

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  • 診察をしている山田朱織

    「山田朱織(やまだしゅおり)とは?」

    16号整形外科院長 医学博士
    (株)山田朱織枕研究所 代表取締役社長 マクラ・エバンジェリスト
    治療の一環として枕を指導する「枕外来」を開設し、
    睡眠姿勢や枕の研究を行っております。
    普段から診察室で患者様にお伝えしていることを
    できるだけそのままお伝えしております。

本コラムの内容は動画でもお話ししています▼

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8. よくある質問(FAQ)

Q. 「巻き肩」は医学用語ですか?

いいえ、巻き肩は医学用語ではありません。整形外科で「巻き肩」と診断されることは基本的にありません。医学的な正式名称が存在するのは「猫背(円背:えんぱい)」のみで、巻き肩や反り腰は俗称(一般用語)です。過度に心配する必要は医学的にはありません。

Q. 巻き肩の人は横向きで寝ると悪化しますか?

いいえ、悪化しません。横向きに寝たときに肩が前に出るのは、肩甲骨が回旋する自然現象であり、巻き肩ではありません。また若い方の体は横になれば自然と肩のラインが伸びるため、横向き寝で巻き肩が悪化することは医学的にあり得ません。寝返りや寝方に違和感がある場合は、巻き肩ではなく枕の高さが合っていない可能性が高いです。

Q. 巻き肩を矯正するために枕を高くして寝るのはいいですか?

おすすめできません。枕を高くしすぎると、巻き肩ではなく首とその神経に大きな負担をかけます。枕が高くなるほど首の神経が圧迫されてしまい、本末転倒な結果を招く恐れがあります。巻き肩の改善には日中の体操(肩甲骨を寄せる・胸を開く)が効果的です。

Q. 巻き肩でも枕計測は普通の方法と同じですか?

はい、同じです。若い方であれば、巻き肩に見えてもベッドの上に横になると自然と肩のラインが伸びるため、通常の計測方法でジャストな高さを割り出せます。高齢の方でも、計測の手順(上向き・横向き・寝返りをチェックする方法)は全員一貫して同じです。巻き肩だからといって特別扱いは不要です。

Q. 整形外科医が提唱する「正しい枕の3大条件」とは何ですか?

正しい枕の3大条件は、1. ちょうどいい高さであること、2. フラットな形状で、高さを維持する素材であること、3. メンテナンスをしっかりすること、の3つです。身体に合った枕を使うことで、首の神経を圧迫せず、睡眠時のトラブルや起床時の不調を回避しやすくなります。

Q. 巻き肩は寝方(寝る姿勢)を工夫すれば治りますか?

巻き肩は医学用語ではなく、多くの場合、特定の寝方によって「治す」ものではありません。若い方であれば、横になった時点で肩や背中は自然と伸びるため、特別な寝方を意識する必要はないのです。本当に見直すべきは日中の姿勢(デスクワークやスマホ操作時の丸まった背中)であり、記事内で紹介している胸を開く体操が効果的です。

Q. 巻き肩を矯正する枕やグッズを使えば治りますか?

矯正効果をうたう枕やグッズを使う前に、まずは自分の体格に合った高さの枕を選ぶことが重要です。無理に高い枕で肩を後ろに引こうとすると、首の神経が圧迫され、しびれや痛みなど別の不調を招く恐れがあります。枕選びは「矯正」ではなく「ちょうどいい高さ・フラットな形状・メンテナンス」の3条件を満たすことを優先してください。

Q. 寝ている時に肩が上がっている(すくんでいる)気がします。これも巻き肩と関係がありますか?

寝ている間に肩がすくんだり持ち上がったりする感覚がある場合、巻き肩そのものというより、体に合わない枕の高さで首や肩まわりの筋肉が緊張し、無意識に力が入っている可能性があります。枕の高さを見直しても違和感が続く場合や、痛み・しびれを伴う場合は、自己判断せず整形外科など医療機関の受診をご検討ください。

Q. 巻き肩は何もしなくても自然に治りますか?

巻き肩は医学的な疾患ではないため、多くの場合、日常生活の中で姿勢を意識するだけでも改善が見込めます。特に運動不足でなければ、体は本来の位置に戻ろうとする力を持っています。ただし、猫背(円背)のように長期間にわたって背骨の形状そのものが変化してしまっている場合は、整形外科などでの相談をおすすめします。

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