ベッドマットレスがへたったら上に何か載せてもダメ!対処法を解説
16号整形外科院長であり山田朱織枕研究所代表の山田朱織(やまだしゅおり)が解説します。
普段から診察室で患者様にお伝えしていることをできるだけそのままお伝えします。
今回はへたったマットレスの上に何かを敷いて工夫しようとしていませんか?それはNGですというお話をしていきたいと思います。
目次
マットレスや布団の一般的な耐久年数は?
そもそもの寝具の耐久年数はどのぐらいかというと、だいたいマットレスだと10年ぐらいで布団よりは耐久はいいイメージかなと思われている方多いと思います。
当社でも調査してみると、布団はやはり6~7年が一つの目途であり、ベッドマットレスであれば長くても14~15年です。
どんなに高級なマットレスでも20年以上持つということはありえません。
マットレスにおいては、バネではなくソフト層がへたる
マットレスのバネがへたってしまうと思うかもしれませんが、実はバネ自体の耐久性はいいんです。
純粋な日本製ですと20~30年もつものもあります。
ですのでバネが痛んでしまってマットレスがダメになるのではなく、ベッドの表面ソフト層が汗を吸って素材の質が悪くなってしまうんです。
例えば寝る時ってどうしても真ん中に寝がちですよね。いつも寝る所ってその人によって決まっていたりします。
そうすると汗で痛んでしまったところと、あまり使っていないところとの間に段差が起こってくるんです。
この段差が寝返りをとても悪くしてしまいます。
このへたったマットレスの上に硬いしっかりとしたマットレスを乗せればいいんじゃないかという風に考える方がいるので、今日は実際に実験をしてみたいと思います。
マットレスがへたっている状態は腰が沈む
腰が柔らかくて沈んでしまいます。体を横から見るとじわーっと一番重い腰が下がってるように見えます。
へたったマットレスでの寝返り
腰に負担がかかってしまって、骨盤が先に寝返りを打って上半身が追いかけてしまうというようなスムーズではない寝返りになってしまいます。
へたったマットレスの上に硬い布団(orマットレス)を敷いた状態
上の布団は良い条件でも土台がダメな場合でも同じように腰が落ち込んでいます。
腰が沈んだ状態での寝返りはしづらい
へたっているマットレスの時と同じように腰に負担がかかっています。
やはりどんなにしっかりと硬い7cmぐらいはあるマットレスを敷いたとしても、土台が柔らかく沈み込んでいれば腰が重くて寝返りがしにくいということが分かりました。
せっかく高い値段で買ったからなんとか工夫してその上に何か敷いて使いたいという気持ちは分かりますが、結果的にはどんなものを上に乗せても土台がダメだったらダメだということです。
マットレスを長く使う為にやるべきこと
マットレスを長く使うにはは3ヶ月に1回、長くても6ヶ月に1回ぐらいは頭と足を変えたり、両面使えるものであれば裏返しをすることが大事です。
適切な期間で行っていくことが長く耐久良く使うことにつながっていきますので、是非そんな形でお使いください。
マットレスについて教訓になる身近な例
私の父の患者様が診察に来られて、こういう状況で寝てるんだけど腰が痛いんですと父に伝えたところ、
「それはマットレスが柔らかすぎてダメですね」という話をしたんですね。
するとある日、電話が来ました。
「先生がマットレスが柔らかいのをダメだって言うからしっかり硬くしたのに、もっと腰痛がひどくなった」と言うんです。
なんとその方は柔らかいマットレスを捨てないで、その上にベニヤ板を敷いちゃったんです。
ベニヤを敷いてその上に薄いマットレスだけで寝ていたようなんです。
確かに硬い状況にはしましたが、今度は硬すぎるということが起こったんですね。
敷物が硬すぎると背中が反ってしまって高齢者にとってはとてもきつい姿勢です。
それによって腰痛がさらにひどくなってしまいました。
最終的にはマットレスを破棄して布団だけを畳ベッドに敷いて寝たところ、快適に腰痛が改善したという逸話です。
ぜひ皆さん、適度な硬さを常に維持できるように寝具の調節を行っていただければと思います。
今回のアドバイスが皆さんのお役に立つようお祈りしています。
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