腰が痛い、何科に行けばいい?内臓・心臓・婦人科が原因の腰痛を整形外科医が症状別に解説

普段から診察室で患者様にお伝えしていることをできるだけそのままお伝えします。
「腰が痛い、何科に行けばいいの?」
整形外科を選ぶのが自然ですが、腰の痛みのすべてが整形外科の範疇ではありません。
実は胃潰瘍・心筋梗塞・腎臓・婦人科系の病気など、内臓や血管の疾患でも腰が痛くなることがあります。
本コラムでは整形外科医の視点から、「整形外科以外の原因で起こる腰痛の種類」と「症状別に何科を受診すべきか」をわかりやすく解説します。
こんな症状を伴う腰痛は要注意!まず確認してください
- 腰痛と同時に吐き気・胃の痛み・嘔吐がある → 消化器疾患の可能性
- 腰痛と同時に胸の苦しさ・息切れ・激痛がある → 心臓・血管系の可能性(救急対応が必要なことも)
- 腰痛と同時に血尿・尿の濁り・排尿時の痛みがある → 泌尿器疾患の可能性
- 腰痛と同時に不正出血・下腹部の痛みがある → 婦人科疾患の可能性
- 整形外科で治療を続けてもまったく改善しない → 他の原因を疑うべきサイン
目次
腰痛は日本では男性の国民病第1位、女性でも第2位と言われるぐらい多い主訴なんですけれども、重要なのは腰が原因ではないこともあるということです。それが患者様にとっても医者にとってもとても重要なポイントなんです。
普通は腰が痛ければ整形外科に行こうと患者様は思いますよね。でも、そうではない原因もたくさんあるのです。
整形外科医が毎月2件ほど「腰以外が原因の腰痛」を発見する理由
外来をやっていると1ヶ月に2人ぐらい、腰が原因で起こってるのではない腰痛を見つけてしまうことがあります。どうも私が診る整形外科の腰痛とは違うなと思って、内科や外科を患者様にご紹介するケースも少なくないんです。

患者さんにとっても医師にとっても、「腰以外が原因の腰痛が存在する」という知識は非常に重要です。適切な科に素早くたどり着けるかどうかが、治療の遅れを防ぐカギになります。
腰痛を引き起こす病気の種類
腰痛の原因となりうる病気は、大きく消化器・循環器・泌尿器・婦人科の4つのカテゴリーに分けられます。それぞれ特徴的な「伴う症状」があるので、腰痛と同時に他の症状がないかチェックすることが重要です。
① 消化器疾患で腰痛が起こる
胃潰瘍、十二指腸潰瘍、膵炎、胆嚢炎
消化器の病気でなぜ腰が痛くなるのか?
例えば胃潰瘍はどこが痛いと思いますか?胃潰瘍と聞いたら体の前側、お腹辺りが痛いっていう感じがするかもしれないんですが、実は前から背中に突き抜けるような痛みが出てくるケースがあるんです。
他にも熱が出るとか吐き気がして嘔吐してしまうという症状も出たりしますが、腰痛だけで出るっていうパターンもなくはないのでやはり注意が必要です。膵炎や胆嚢炎でも同様に、背中・腰への痛みが起こることが知られています。
伴う症状:吐き気、胃痛、嘔吐、発熱、食後の痛みの悪化など
② 循環器疾患で腰痛が起こる
心筋梗塞、腹部大動脈瘤
❤️ 命にかかわる腰痛がある
心筋梗塞と聞くと、呼吸が息が苦しかったり胸が締め付けられるように痛いというような心臓の病気は重篤なイメージ強いと思います。腹部大動脈瘤はお腹にある大動脈が裂けて切れてしまって大出血を巻き起こすという病気ですが、これらの病気でも初期症状として腰痛が起こる場合もあるんです。
この場合は一刻を争う緊急事態です。激痛が走った時は救急車を呼ぶとか専門の大きな病院に行くということを念頭において対処してください。
伴う症状:胸が苦しい、息ができない、突然の激痛、冷や汗など
③ 泌尿器疾患で腰痛が起こる
膀胱炎、尿管結石、腎盂腎炎
背中側にある臓器が腰痛を引き起こす
後腹膜臓器と言って後ろの方に泌尿器の臓器があるんですが、この後ろ側の臓器に問題が生じると背中が痛い腰が痛いということが起こります。
その場合、例えば私が診察でもよくやるのは腰だけではなく、背中の腎臓や尿管の辺りを叩くんです。その時に響くような痛みが出るこの場合は後腹膜臓器の泌尿器疾患も念頭において診断しないといけないわけです。
伴う症状:血尿、尿の濁り・白濁、排尿時の痛み、発熱など
④ 婦人科疾患で腰痛が起こる
卵巣捻転、子宮内膜症、子宮外妊娠
女性に特有の腰痛もある
一般的に中高年の女性が腰が痛いと言ったら椎間板ヘルニアや腰椎症かなって思いがちですが、実は女性の病気でも腰痛が起こります。
子宮外妊娠は妊娠できる女性・若い女性に多いわけですが、妊娠して子宮の中に赤ちゃんがいるのではなく女性器以外のところに赤ちゃんができてしまうという恐ろしい病気です。突然の出血したり母子ともに危険なこともあります。
こういった病気が疑われた場合は整形外科から直接産婦人科にご紹介をするということが必要になってくるわけです。
あまり聞きなれない病気もあったかもしれませんが、ここで覚えておいていただきたいのは単に腰が痛いということが整形外科的な腰痛だけで起こるのではないということです。あまり整形外科で治療してても治らない場合には、総合的な科のある総合病院にかかってみるということが必要かもしれません。
伴う症状:不正出血、下腹部の痛み、月経異常など
症状別・受診科ガイド早見表
腰痛と同時に出ている症状に注目してください。伴う症状が受診科を絞り込む最も重要な手がかりになります。
| 腰痛と同時に出ている症状 | 疑われる原因 | 受診科 | 緊急度 |
|---|---|---|---|
| 吐き気・胃痛・嘔吐・食後悪化 | 胃潰瘍、膵炎、胆嚢炎など | 消化器内科・消化器外科 | 早めに受診 |
| 胸の苦しさ・息切れ・突然の激痛・冷や汗 | 心筋梗塞、腹部大動脈瘤 | 循環器内科・外科 または救急(119番) |
即!救急 |
| 血尿・尿の濁り・排尿時の痛み・発熱 | 尿管結石、腎盂腎炎、膀胱炎 | 泌尿器科・腎臓内科 | 早めに受診 |
| 不正出血・下腹部痛・月経異常 | 子宮外妊娠、卵巣捻転、子宮内膜症 | 産婦人科・婦人科 | 早めに受診 |
| 体を動かすと痛い・姿勢による変化がある・他の症状なし | 椎間板ヘルニア、腰椎症、ぎっくり腰など | 整形外科 | 通常受診 |
| 整形外科で治療中だが改善しない | 上記いずれかの疾患が隠れている可能性 | 総合病院・かかりつけ医に相談 | 再診察を |
この腰痛の痛み何科を受診すればいいの?
一般の方がご自分で判断するのはなかなか難しいです。もちろん一旦は整形外科に受診し整形のドクターに診断をしていただいて、腰痛が整形外科的なものでなければ次にどこの科に行けばいいかということを尋ねてみるのがよろしいかと思います。
もし家にいて自分で急激な腰痛が起こってきた時には、それに付随する症状に注目してみてください。
判断が難しい場合の基本的な流れ:
まず整形外科を受診 → 「整形外科的な原因ではない」と判断された場合に、専門科への紹介を受ける。これが最もスムーズな受診経路です。ただし、激痛・呼吸困難・大量出血を伴う場合は迷わず救急へ。
例えば腰痛と共に吐き気や胃が痛いという場合は消化器疾患を考えるべきです。
胸が苦しい、息ができないといった症状が腰痛とともに起こってくる場合は心臓の病気が考えられるので、循環器内科や循環器外科もしくはゆっくりしてられない場合にはやはり救急車を呼ぶということも必要なケースもあります。
また血尿が出たりおしっこがすごく濁って白くなっているといった尿の異常が出る場合などは、泌尿器疾患を疑うべきですので泌尿器科や腎臓内科などを受診してください。
最後に不正出血が起こるような時は婦人科や産婦人科を受診してください。
なかなか難しい判断にはなりますが、腰痛が単なる整形外科の腰痛だけから起こるのではないということを少し覚えていただくだけでも対処の方法が変わってくると思います。ご家族にも共有していただいて適切な素早い対処をお願いいたします。
整形外科的な腰痛の原因・病気・最新治療について詳しく知りたい方はこちら
よくある質問
腰が痛いとき、まず何科を受診すればいいですか?
判断が難しい場合はまず整形外科を受診してください。整形外科で「整形外科的な原因ではない」と判断されたら、次にどの科を受診すべきかを相談するのがスムーズです。ただし、胸の苦しさ・激痛・呼吸困難を伴う場合は迷わず救急(119番)を呼んでください。
腰痛で内科を受診するのはどんな場合ですか?
腰痛と同時に「吐き気・胃の痛み・嘔吐」がある場合は消化器内科が適切です。「胸が苦しい・息切れ」があれば循環器内科へ。「血尿・尿の濁り」があれば泌尿器科・腎臓内科を受診してください。
整形外科で治療を続けているのに腰痛が治らない場合は?
整形外科で改善しない場合は、消化器・循環器・泌尿器・婦人科など他の原因が隠れている可能性があります。総合病院のかかりつけ医や担当の整形外科医に「他の科への紹介」を相談することをおすすめします。
腰痛で救急車を呼ぶべき状況はどんなときですか?
「突然の激しい腰痛+胸が苦しい・息ができない」「突然の激痛+冷や汗・意識が薄れる感覚」がある場合は、心筋梗塞や腹部大動脈瘤の可能性があり一刻を争います。すぐに119番を呼んでください。
整形外科的な腰痛の改善には、睡眠中の姿勢が重要です。
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16号整形外科院長 医学博士
㈱山田朱織枕研究所 代表取締役社長 マクラ・エバンジェリスト
治療の一環として枕を指導する「枕外来」を開設し、
睡眠姿勢や枕の研究を行っております。
普段から診察室で患者様にお伝えしていることを
できるだけそのままお伝えしております。
本コラムの内容は動画でもお話ししています▼
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