補完代替医療における枕治療の位置づけを解説
16号整形外科院長であり山田朱織枕研究所代表の山田朱織(やまだしゅおり)が解説します。
普段から診察室で患者様にお伝えしていることをできるだけそのままお伝えします。
今回は「補完代替医療」と「枕治療」というちょっと聞きなれない言葉なんですけれども、この言葉について説明をしていきたいと思います。
目次
補完代替医療とは?
補完代替医療は英語で
Complementary and Alternative Medicine
という言葉で表すんですが、頭文字を取ってCAM(カム)と呼ばれています。
頑張って研究したり、実際の医療の現場で患者様に使っていらっしゃるドクターたちもいます。
補完と代替の言葉の意味
「補完」という言葉は、補って完成するという意味合いです。
「代替」という言葉は何かに対して、何かが取って替わるということで、その役目を代わりに果たしてあげるというそんな感じのイメージですね。
昔は「代替医療」という言葉が中心だったんですけれども、最近では取って替わるっていうだけではなく、医療として補ってあげて完成するものなんだよという広い意味の言葉に変わってきてるんです。
医学という学問と現実の現場で行われている医療という行為がありますが、私たちがをお薬を飲んだり注射をしたり様々な治療をしてるほとんどが西洋医学の知識に基づく医療です。
補完代替医療というのは西洋医学の医療を補ってあげて、かつ一部取り替わって治療していくものという考え方なので、両方合わせてより大きな医療を完成するものという風にお考えてください。
枕治療も補う治療の1つだと考えております。
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「枕外来のオーダー枕」
私の枕外来には,朝から肩がこる,枕が合わない,何度も目が覚める
オーダーメイド整形外科枕
という患者様が沢山来院します。
好みで枕を選んでいませんか?首を休めるための枕は、
体格によって適合する高さが違います。
補完代替医療の種類
補完代替医療はアメリカが一歩先進的に体系化して整理してきました。
日本の定義とアメリカの定義はまた少し変わるのですが、米国の国立補完医療センターの分類というものが日本でもよく活用されています。
瞑想、リラクゼーション、睡眠療法、芸術療法、音楽
健康食品、ビタミン療法、ハーブ療法、アロマセラピー
電磁療法、気功‥など
列挙したようにたくさんの療法があります。
西洋医学の治療を取って変わるものもあれば、それを含めて補うものもあり全ての医療の1つとなっているわけです。
多くの方法が様々な人種、様々な国で研究されて行われてきて、実際にそれを悩みに持つ方々に施されているという現状があるわけです。
アロマセラピーなんかは聞いたことがあって馴染みあるものではないでしょうか。
中国の医学の中にも針や鍼灸やお灸もあります。
ものすごい数の補完代替医療というのがあるんですが、これは西洋医学だけが人間の痛いところや辛い病気を治す唯一の方法ではないという立場に立って、色々な考えの研究者や臨床家が安全性を確保しながら効果を検証することで、様々な医療に対してできるだけ悩む患者様の方々の症状を緩和するような方法を体系的に作ってきたということです。
枕治療もまさに補完代替医療の1つと考えています。
例えば肩こりや首からくる頭痛で悩んでいる方に対して、もちろんお薬を出すのも注射するのもいいと思います。リハビリテーションも大事です。
でも、根本である寝る姿勢を整えることでそれらの症状が良くなるとすれば、「枕」というのも1つの治療となるわけです。
治療であることの証明
では「治療」であるかどうかを一般的に判断するには何が大事かというとそれはエビデンスです。
私だけが枕の治療って効きますよ有効ですよと言っても、症状がある方がそれを使って安全なのかどうか、効果は本当にあるのか皆さんやっぱり心配ですよね。
そこで私たちは枕の治療で言えば6万人、もっと言えば患者様含めて12万人という多くの方々にこの方法を少しずつ少しずつ安全性を担保しながら検証してきて、統計学的に見ても安全性が高く有効な方法ですよということを示してまいりました。
この科学的な証明こそが、一歩一歩エビデンスを作ることになっていくわけです。
補完代替医療の多くの方法も、非常に科学的に検証されたものもあれば科学的な検証は足りないけれども一部の方々にはしっかりと有効性が出てる治療もあるわけです。
ですので、西洋医学のみならずそういった多くの治療が1人の患者様にとって有効に働くのであれば、それは是非とも科学的検証をしていって欲しいなと科学者の1人としては思うのです。
補完代替医療は癌の治療に多く使われている
補完代替医療はどんな病気に対して使ってるかというと癌です。
西洋医学の薬物療法や科学療法だけでは治らない、もしくはもうあなたの癌は治らないと言われた場合に何とか治療したいと藁をもすがる想いで補完代替医療に1つの望みをかけるということもあるのです。
癌の患者様は補完代替医療使ってる方が多いんです。
ある一部の研究機関による調査ですが、40~60%ぐらいは少なくとも1回以上この補完代替医療を試したことがあるっていう統計データも出ているんで驚きです。
どんな治療が癌の治療に使われてるかというと、ヨーロッパの諸国ではハーブを使って癌の方が痛みを緩和するであったり気持ちを落ち着かせる為に使っているケースが多いようです。
保険適用の補完代替医療もある
アメリカでは十分効果が検証されて、一部保険の適用になっている治療もあります。
日本で保険適用になっているものでは、漢方とかお灸ですね。
漢方薬などは西洋医学の痛み止めと一緒に処方されたりしています。
きちっとしたエビデンスがあれば保険適用になることもある治療です。
補完代替医療の1つとして枕治療も
患者様の一部の症状だけを見て判断するのではなく、その方が病気と戦うために必要な治療として様々な有効で安全な治療を組み合わせるっていうことは決して悪いことではありません。
ですのでこれからもどんどん科学的検証が進んで、1つでも多くの安全で有効な補完代替医療が完成していくことを私たちも期待しています。
そして枕の治療も補完代替医療の1つとして、きちっと私たちが検証して皆様にお届けしていきたいと考えていますのでこれからもよろしくお願いいたします。
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