研究で判明した関節リウマチの患者様の枕は平均よりも低くなる
16号整形外科院長であり山田朱織枕研究所代表の山田朱織(やまだしゅおり)が解説します。
普段から診察室で患者様にお伝えしていることをできるだけそのままお伝えします。
関節リウマチの教授もおっしゃる枕選びに困っている患者様
リウマチ専門外来を30年以上担当されている東邦大学医学部付属病院整形外科の勝呂徹教授は、「関節リウマチの患者さんは枕選びに大変困っています。朝一番の症状は“首のこわばり感”です。」と指摘されています。関節リウマチとは、手・肘・肩・膝・足など全身の関節に腫れと痛みをきたす免疫疾患です。全国に約70万人とも推定される患者数ですが、男女比は1:9と圧倒的に女性に多い病気です。進行すると、関節機能がさまざまに障害され、食事・寝起き・歩行などの日常生活が一人でできなくなります。
関節リウマチの約70%に何らかの頚椎病変が観察されるといわれています。環軸椎亜脱臼、中下位頚椎病変によるさまざまな頚椎症状が見られます。なかでも睡眠時の頚部痛から熟睡ができず睡眠障害をもたらしています。患者様は自ら枕の高さと材質などの調節を行っているようです。他の関節の重症度から頚椎病変を有しても放置されているのが実態です。
特にリウマチが進行した場合、枕の高さが重要になる
リウマチ病変が進行し、環軸関節亜脱臼(かんじくかんせつあだっきゅう)=7つある首の骨のうち1番目と2番目の骨の間がずれる、という状態になると、枕の高さや形状によって寝ている間にさまざまな影響を受けます。高すぎる枕は首が前に傾き、あごが引ける形になるので絶対に避けなければなりません。しかし、低すぎる枕ややわらかすぎる枕では、寝返りを打つときに下になった肩関節の痛みが生じ、つらくて夜中に何度も眼が覚めることにもなります。
関節リウマチの方は、睡眠中の首のポジション=枕の高さが大切です!
共同研究の結果、関節リウマチの方は、平均よりも枕を低くする可能性がある
棒グラフの紫色はリウマチ患者さまの枕の高さ、黄色は一般の方の枕の高さです。ほとんどの身長(横軸)において、一般の方よりリウマチ患者さまの枕の高さの方が小さい傾向があります。
リウマチ患者さまは体格が小さい方や肩幅が狭い方も多く、市販の枕ではまず適合がむずかしいということがわかりました。患者さまの中には手作りの方もあり、4人に1人がタオルや綿やゴザなどで作って寝ていました。
リウマチの患者さまが、夜間に首や肩の痛みがなく、寝返りも十分できて熟睡できるために、専門医のアドバイスや時には適切な枕の調節をしてほしいと考えます。
関節リウマチの患者様にもより一層頚椎アライメントの調整(枕調整)が重要
山田朱織枕研究所ではかつて、2006年ごろ関節リウマチの睡眠障害の実態把握と適切な枕の使用で改善が可能かどうかを検討しました。
睡眠障害を調査し、夜間使用する枕を調節した結果、頚椎症状の改善、睡眠障害の改善、寝返りが容易となり、頚椎症状が改善し熟睡感が増し、満足度は高かった。頚椎症状の改善には、頚椎アライメントの調整が重要と考えられます。
(東日本整形災害外科学会会誌18巻4号掲載の論文「頚椎病変を有する関節リウマチに対する睡眠中の枕調節法」山田朱織ほかから引用)
コラボレーション:東邦大学医学部附属佐倉病院
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「朝から首が痛い」
関節リウマチの患者様が
枕が原因の可能性
リウマチだから朝起きた時に
首が痛い、頭痛がする、肩が痛いと言うのです。
しかし関節リウマチだから朝首が痛いのではなく、
体に合わない枕を使っているから
朝から首が痛いのです。
ドクター考案の『整形外科枕』による症状の改善
山田朱織枕研究所では整形外科枕という、睡眠姿勢によるさまざまな症状の改善を目的としたオーダーメイド枕を提供しています。
整形外科枕は16号整形外科の山田朱織医師監修のもと、開発されました。
リウマチの方でも上向き、横向き、寝返りのしやすい枕の高さを合わせることが重要です。
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