枕の正しい高さは"立位キープ"ではない|整形外科医の研究データで解説する本当の寝姿勢
この記事でわかること
- 「枕は立位姿勢をキープする高さが正解」に医学的根拠はない
- 仰向け時の背骨は立位より直線に近づく(査読付き論文で証明)
- 横向き寝の正しい姿勢は左右対称・ベッド面と平行
- 本当の寝姿勢に合わせた枕の選び方
16号整形外科院長であり山田朱織枕研究所代表の山田朱織(やまだしゅおり)が解説します。
普段から診察室で患者様にお伝えしていることをできるだけそのままお伝えします。
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「山田朱織(やまだしゅおり)とは?」
16号整形外科院長 医学博士
㈱山田朱織枕研究所 代表取締役社長 マクラ・エバンジェリスト
治療の一環として枕を指導する「枕外来」を開設し、睡眠姿勢や枕の研究を行っております。
研究成果は日本整形外科学会・日本腰痛学会・日本睡眠学会などで発表。Journal of Spine Researchへの論文掲載実績あり。
目次
「立位姿勢が寝姿勢の正解」は本当に正しいの?
枕を選ぶとき、「立っているときの背骨のカーブをそのまま維持できる高さが正しい」と聞いたことはありませんか?
CMや雑誌、枕メーカーの説明でよく見かけるこの考え方ですが、私が調べた限り医学的な根拠はないと考えています。

海外の論文、日本の論文でも「立っている姿勢のままが一番良い」と専門家・研究者・医師が結論付けているわけではありません。私たちの研究でもそのことが明らかになりました。

なぜ枕業界では「立位キープ」が広まっているのか
多くの枕メーカーが「立位姿勢を維持する高さが正解」と主張する背景には、わかりやすい説明として都合がいいという事情があります。
「立っているときと同じ姿勢」という説明は直感的にイメージしやすく、販売の現場でも使いやすい。しかし、この根拠を支持する医学論文は存在しません。
整形外科医として、また睡眠姿勢の研究者として、私はこの通説を正面から検証しました。その結果は山田朱織枕研究所 研究情報ページおよび日本腰痛学会特集号掲載論文(Journal of Spine Research 2014年)として発表されています。以下にその内容をお伝えします。
※当研究所の見解は自社研究データに基づくものです。枕選びの参考としてご活用ください。
寝ているときは骨のカーブが直線に近づく
立っている時の姿勢には首、胸、腰、骨盤そして足。全体に背骨から骨盤にかけてS字カーブがあります。
これが寝た時にはそれぞれの角度が少し少なくなることによって、直線に近づくということがわかりました。
起きている時には重力が頭の上からかかっていて、その物理的なストレスを減らすために首・胸・腰が湾曲することで力のバランスをうまくとっています。
しかし寝るときには重力方向が変わるため、背骨は全体に伸びて特に負担を受けない状態になります。立位と仰臥位では、背骨にかかる力の方向がまったく異なるのです。
寝ているときの骨の角度を評価する研究を実施
私たちは立っているときと寝ているときの骨の角度を、立位姿勢評価の6つのパラメーターで評価しました。
患者およびボランティア51名を対象に、以下のようなレントゲン画像から「石原指数(頸椎弯曲指数)」「胸椎後弯角」「腰椎前弯角」「骨盤回旋角」を算出し、統計処理を行いました。

寝るときには重力方向が変わりますので、背骨は全体に伸びることによって特に負担を受けることはありません。

次のデータをご覧ください。

研究結果:立位と仰臥位の骨のカーブは統計的に異なる
立っているときの角度と寝ているときの角度を統計処理で比較した結果、6つのパラメーターすべてに有意差(統計学的に明らかに異なる数値)が認められました(P<0.01)。
つまり、立っているときの姿勢の状態と、寝ているときの姿勢の状態は異なる姿勢であることが科学的に証明されました。
研究結果まとめ(Journal of Spine Research 2014年掲載)
- 対象:患者およびボランティア51名
- 方法:立位・臥位の全脊椎骨盤側面X線を撮影し、6つのパラメーターを統計処理
- 石原指数・胸椎後弯角・腰椎前弯角・骨盤回旋角など全パラメーターに有意差(P<0.01)
- 結論:立位と仰臥位の脊椎骨盤アライメントは統計学的に明らかに異なる
- 「立位姿勢キープ」を枕の根拠にすることは医学的に誤り
▶ 詳細は山田朱織枕研究所 研究情報ページをご覧ください
正しい寝姿勢とは何か
では、正しい寝姿勢とはどのような状態でしょうか。
仰向けの場合:適度なカーブを保ちながら、起きているときと比べて背骨が少し伸びた状態。
横向きの場合:頭から背骨にかけて左右対称のまっすぐな状態で、ベッドや布団の面と平行になること。
これが正しい姿勢です。この姿勢を実現する枕の高さが「あなたに合った枕の高さ」であり、立位姿勢をキープする高さではありません。

毎晩正しい睡眠姿勢で寝ることが翌日までの回復には重要
良い寝姿勢で眠ることは、眠りの質そのものを良くするとともに、体が翌日までに回復するためにとても重要なポイントです。
疲れて何とかベッドまで行って、ぐたっと寝てしまうのではなく正しい睡眠姿勢で眠る。これによって疲労の回復、翌日の心身の回復が変わってくるのではないでしょうか。
今晩からぜひ試してみてください。
よくある質問
Q. 枕の正しい高さは立位の姿勢をキープできる高さですか?
A. いいえ、医学的根拠はありません。整形外科医・山田朱織の研究では、立位と仰臥位では背骨のカーブが統計的に有意に異なることが証明されています。「立位姿勢キープ」を枕の高さの根拠にすることは誤りです。
Q. 仰向けで寝るとき、背骨はどんな状態が正しいですか?
A. 仰向けで寝るとき、背骨は立っているときよりも直線に近づきます。重力方向が変わるため背骨全体が適度に伸びた状態になります。この状態に合わせた枕の高さが正しい高さです。
Q. 横向きで寝るときの正しい姿勢は?
A. 横向きで寝るときは、頭から背骨にかけて左右対称のまっすぐな状態で、ベッドや布団の面と平行になることが正しい姿勢です。この姿勢を保てる枕の高さが適切です。
Q. 立位と寝姿勢が違うことはどうやって証明されましたか?
A. 患者およびボランティア51名を対象に、立位と臥位の全脊椎骨盤側面X線を撮影。「石原指数(頸椎弯曲指数)」「胸椎後弯角」「腰椎前弯角」「骨盤回旋角」など6つのパラメーターを統計処理で比較した結果、すべてに統計的有意差(P<0.01)が認められました。この研究はJournal of Spine Research(2014年)に掲載されています。
Q. 研究データはどこで確認できますか?
A. 山田朱織枕研究所 研究情報ページに、Journal of Spine Researchへの論文掲載、日本整形外科学会・日本腰痛学会・日本睡眠学会等での発表記録を掲載しています。立位と臥位のX線比較研究(51名・6パラメーター・統計処理済み)の詳細もご確認いただけます。
Q. 正しい寝姿勢に合わせた枕を選ぶにはどうすればいいですか?
A. 山田朱織枕研究所では、仰向け・横向き両方の寝姿勢を計測し、5mm単位で高さを調整するオーダーメイド枕「整形外科枕」を提供しています。相模原本店・渋谷支店・町田成瀬支店・横浜都筑支店の4店舗で計測でき、枕代(31,900円〜)のみで承っています。
ドクター考案の『整形外科枕』による症状の改善
山田朱織枕研究所では整形外科枕という、睡眠姿勢によるさまざまな症状の改善を目的としたオーダーメイド枕を提供しています。
整形外科枕は16号整形外科の山田朱織医師監修のもと開発されました。
正しい睡眠姿勢には枕を適切に合わせることが重要です。立位の骨のカーブではなく、実際に横になったときの骨の状態に合わせて計測・調整するのが、整形外科枕の設計思想です。これはX線および統計解析によって裏付けられた考え方です。
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「山田朱織(やまだしゅおり)とは?」
16号整形外科院長 医学博士
㈱山田朱織枕研究所 代表取締役社長 マクラ・エバンジェリスト
治療の一環として枕を指導する「枕外来」を開設し、睡眠姿勢や枕の研究を行っております。
普段から診察室で患者様にお伝えしていることをできるだけそのままお伝えしております。
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