和式VS洋式、肩・腰・膝にはどちらが良いか解説します
16号整形外科院長であり山田朱織枕研究所代表の山田朱織(やまだしゅおり)が解説します。
普段から診察室で患者様にお伝えしていることをできるだけそのままお伝えします。
今回は和式対洋式どっちが体にとっていいの?特に肩こり・腰痛・膝が痛い方にとってどっちがいいの?っていうお話をしていきたいと思います。目次
それぞれのシチュエーションを想定してみましょう。
こたつに使って床に座ってしまう場合とテーブルに椅子を使っている場合。
また夜寝るときに畳に布団を敷いて寝る場合とベッドにマットレスを敷いて寝る場合、この和式と洋式というのを比較して考えてみましょう。
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こたつとテーブル、体に負担がかかるのはどっち?
こたつ派かテーブル派か皆さんどちらでしょうか。
床に座ってゆっくりくつろぎたいのでこたつ派ですという方いらっしゃるかと思います。
冬はやっぱり暖かくて、夏でもこたつ布団を外してそのまま座卓として使って年中床に座ってるという生活。
まだ年齢が若いうちはでそれほど体の負担にはなっていないかもしれません。
しかし年齢が高くなっていくとよりこの体に対する負担というのは増えていきます。
こたつで床に座っている場合は、テーブルで椅子を使って座っているよりも体に負担がかかるのです。
床に座ることがよくない理由
こたつで床に座っている場合はあぐらをかいて座ることが多いと思います。
長時間座っていると段々背中が丸まっていく、そういった姿勢になることが多いです。
腰に負担がかかり段々と痛くなってきます。
そのままの姿勢はきついので立ち上がってストレッチしたり、そういった不良姿勢になっていることが大半です。
こたつだと首にかかる負担も増える
まずどうしても頭が前に出ます。
通常まっすぐにしている首の姿勢ならたった4キロの頭を支えればいいのに、姿勢が悪くなって頭が前に7センチ傾くだけで頭の重さは4キロから20キロに増えるんです。
20キロはお米を持つぐらい結構な重さです。そうとうな負担が首にかかってしまいます。
その負担が肩こりや首の痛み、ひいては首からくる頭痛につながっていくわけです。
こたつだと腰にかかる負担も増える
座っていると骨盤が後傾と言って後ろに倒れ、腰の骨が後え向きになってしまう後弯という状態になります。
後弯姿勢になると腰に大変負担がかかります。
立っている時と比べて座っている時は1.5倍ぐらい腰に負担がかかるとも言われています。
そのぐらいこのような不良姿勢では腰を痛めているという認識を持ってほしいんです。
こたつだと膝関節の負担も増える
床に座ることで実は膝にも負担をかけています。
膝にはお皿の骨があります。上には大腿骨という太もも、膝下には脛骨という骨があるんですがこの骨と骨の間に半月板という大事な軟骨があります。
床に座るとどうしてもあぐらをかいて長時間膝を曲げている状態になります。
内側の半月板がグーッと骨に押されて固まってしまって圧がかかっている状態です。
座っていて立ち上がろうとした時に、半月板がぐいっと上から押されてしまい傷つけてしまう可能性があるんです。
これがスポーツや怪我で半月板を痛めてしまった方や、高齢になって半月板が変形している方にとってはより傷つけてしまう恐れがあります。
首・腰・膝いずれにも床に座るというだけで様々な負担がかかってくるわけです。
椅子に座ることがいい理由
洋式のテーブルに椅子のスタイルだと頭に対して背骨がまっすぐになり、そして骨盤から膝までがとても良い姿勢を維持することができます。
テーブルは高ければ目線も下がらずに前を向いて首がまっすぐになり軸が整います。
腰も後ろに弯曲することなく生理的な前弯と言って前の弯曲を保つことができるので、腰や骨盤に対する負担も減ります。
膝はもちろんのことながら真っすぐおろすことができれば半月板にかかるようなひねりは起こらないので負担は減ります。
こたつとテーブルとで首腰膝にかかる負担は全然違ってくるわけです。
床に布団とベッド、体に負担がかかるのはどっち?
床に布団(和式)で寝る場合
寝る時の寝具についても和式と洋式を比較してみましょう。
畳にお布団敷いて寝る和式派とベッドにマットレスや布団を乗せて寝る洋式派と大きく分けると2つありますね。
朝起きて起き上がる動作が和式と洋式では負担のかかり方が異なるわけです。
畳、床にお布団を敷いて寝ている状態から起き上がるときというのは結構な労力がいります。
よっこいしょとどこかに手をついたり掴まったりして力を入れて起き上がっています。
それが中高齢者になればなるほど骨の変形が始まったり膝の変形が始まったり、または筋力がなくなることでその動作がスムーズに行えない場合はこの危険度が増えるわけです。
ベッド(洋式)で寝る場合
洋式の場合ですがベッドの場合は朝起きて体を横に向けてそのままスーッと起き上がることができます。
首や腰や膝には負担をかけずに起き上がれるわけです。
そのポイントは床からの高さなんですね。
この高さこそが一番重要な和式と洋式の違いというふうに考えてください。
少なくともこれは整形外科的にはとても強調したい重要なポイントになります。
寝るとき起きるときの動作は365日毎日行っていることです。
その動作を楽に行うか毎日負担をかけながら行うかで蓄積すれば大きな差になるわけです。
床に直接敷くのではなく床から高さのあるベッドを使うことによって、首・腰・膝いずれにも負担をかけない生活をしていただければと思います。
結論は洋式(テーブルやベッド)が負担をかけない
今回は和式と洋式のライフスタイルに関して、テーブルとこたつについてや寝るときに床に布団かベッドで寝るか比較してみました。
365日毎日行う動作が楽になるか変わってきます。
もし和式スタイルの方は首・肩・腰・膝に負担をかけないためにも、洋式スタイルをぜひ取り入れてみてください。
本コラムの内容は動画でもお話ししています▼
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