腰痛に悩む方には足枕ではなく膝下枕|効果と選び方を解説
16号整形外科院長であり山田朱織枕研究所代表の山田朱織(やまだしゅおり)が解説します。
普段から診察室で患者様にお伝えしていることをできるだけそのままお伝えします。
今回は腰痛に悩む方に、枕、寝台(布団やマットレス)だけではなく、さらに「膝下枕」についても説明したいと思います。
一般的に足を上げて寝る「足枕」という商品がありますが、「足枕」は腰に良い姿勢とは言えません。膝の下に円柱状の膝下枕を入れることで、腰痛改善に効果があります。
枕を変えただけで腰痛が楽になった。人によっては治ったとおっしゃっていただくケースもあります。もちろん寝台(布団やマットレス)を変更したらさらに良くなったというお話も日常茶飯事です。
しかしながら、枕やお布団だけではなく、何か腰痛のためにできることはないですか?と聞かれる患者様もいらっしゃいます。その時には、膝下枕をご紹介しています。
膝下枕をどんな人に使って頂きたいのか、そしてどんな使い方をすれば正しく有効に使えるのかお話していきます。 ギクッと急激に腰が痛くなる急性腰痛症、いわゆるぎっくり腰の場合にも慢性的な腰痛の方にも「セミファーラー姿勢」という小休憩を取るときに腰に良い姿勢があるんです。
目次
その時に使っていただくグッズとして膝下枕があります。
お身体に合った膝下枕のサイズを選んでください
膝下枕には3つのサイズをご用意しています。
SS・S・Mの3種類の膝下枕があるんですが、膝下枕は適切な大きさを自分の体に合うように選んでいただくことでより効果を発揮するんです。
体に合ったサイズを選ぶことがすなわち有効な秘訣です。
実際に体験して選んでみることが重要ですが、前提条件もあります
※まず膝下枕を適切に合わせるときに大事なことは、横になるマットレスが適度に硬くて重たい腰の部分が沈まないことが重要です。
そして自分の体に合った枕の高さ、これを同時に使用していただくことが条件となりますのでまずセットしてみてください。
膝下枕なしで寝てみるとどうなる?
膝下枕を使わないで寝ると足が伸びた状態で上向きで寝ることになりますので、背中が反る感じになり腰に負担を感じます。
腰のウエストのくびれのあたりに少し隙間が空いてしまって腰に力が入ってしまうので完全なリラックスができないということが起こります。
この時に膝を立ててください。このように床から60度ぐらいで膝を両膝を立てます。
これを自分の身体で支えようとすると力が入ってしまうので、ここに膝下枕を入れることによって自分の体の力を抜くことができるわけです。
膝下枕を入れて合わせてみます
モデルの身長は約165㎝です。まずはMサイズで合わせてみました。
先程より腰の反りがなくなって腰回りの緊張が取れて楽になっています。
この時とても大事なのはかかとがしっかり床につくこと。
両足のかかとがちゃんとついて膝から上と下が力が抜けてリラックスすることが大事です。
腰が楽になったようですがまだ少しだけ足のつっぱり感があるようです。
もしかするとこのMサイズが少し大きいかもしれません。
今度は一つ下のSサイズを当ててみます。
山田:一つ前と比べて太もものあたりの緊張はどんな感じでしょうか?
モデル:さっきよりも足の緊張は解けた気がします。リラックスしています。
このように適切な大きさ直径が20センチほどのSサイズの膝下枕だと腰も楽だし、両足も緊張がとれて全身がリラックスした状態を作ることができました。
もしこれが小さすぎるとどうなるかやってみましょう。
SSサイズ直径17センチを入れてみます。
今度は足が逆に垂れすぎてしまっているようです。
モデル:ちょっと背中が反る感じがします。また腰に負担がかかってきました。
つまりSSサイズ、Sサイズ、Mサイズの3つを比べてみたときに一番適切なのはSサイズということがわかったわけです。
セミファーラー姿勢をとって腰を休める時に 膝下枕の大きさはとても重要です。
わずかに2~3センチの直径の差でも腰回りがリラックスするか足がリラックスするか変わってきますので、微妙に大きさを変えてしっかり自分に体に合う高さをみつけてください。
適切な枕と膝下枕を使うことで究極のリラックス姿勢が出来ました
これは首・肩・腰・足先まで全体が筋肉の緊張がとれて、体をこれらの道具に預けて自分の力を抜くことができたからです。
山田:どんな感じですか?
モデル:なんだか眠くなってきました…腰が楽になったからでしょうか。
実際にこのような声を外来でもよく聞くんです。
急性腰痛症でいらっしゃった患者様、特に痛みで何日も眠れなかったりするとなおさらの事なんですが、膝下枕の大きさを合わせている途中でうとうと眠くなってきたわという方もいらっしゃるんです。
痛みがあって眠れない、これはとてもつらいことです。
セミファーラー姿勢を適切なサイズの膝下枕で取るようにしてリラックスしていただくことが腰痛改善にも重要なポイントとなってまいります。
膝下枕を使うときの注意点
ここで注意があります。膝下枕は長い時間やってはいけないんです。
そのまま寝てしまうと寝返りが打てなくなるです。
夜中に人間は生理現象として寝返りを打たなければいけないんですが、膝下枕があると下半身は上向きのままで上半身をひねる形になり寝返りが打てなくなってしまいます。
足は動かない状態。でも上半身は横を向こうとする。
上半身と足がバラけてしまい体に逆に負担をかけてしまい腰にも負担がかかます。
夜眠る時は必ず足などでいいですからこの膝下枕を蹴ってどけてください。
本格的に寝るときは膝下枕のない状態で寝てください。
もし腰痛が強ければ横を向いてください。
横向きで軽く足を重ねリラックスした状態がとれるようにして寝ていただくのが腰痛対策として重要です。
腰痛のある方、慢性的な方も急性腰痛症の方も是非試して頂ければと思います。
特にどんな患者様に膝下枕を使って欲しいかというと、それは腰痛・坐骨神経痛の患者様です。
普段から16号整形外科では点滴の時などの時間の際にも膝下枕を使用しセミファーラー位を患者様に取っていただいています。
膝下枕を使いセミファーラー姿勢でリラックス
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