目の奥の痛みが寝ても治らない|大後頭神経三叉神経症候群(GOTS)の可能性
目の奥の痛みが寝ても治らない|大後頭神経三叉神経症候群(GOTS)の可能性
16号整形外科院長であり 山田朱織枕研究所代表の山田朱織(やまだしゅおり)が解説します。
普段から診察室で患者様にお伝えしていることをできるだけそのままお伝えします。
頭痛や目の奥の痛みが寝ても治らない
今回は「頭痛や目の奥の痛みが寝ても治りません…なぜですか?」という質問に対して回答していきたいと思います。
モデル:先生、最近目の奥がズキンと痛むことがよくあります。顔面や耳も痛くて不思議なことが起こるんですけど…。
山田:顔面や耳ですか?
モデル:心配になってきたんですけど何か病気なんでしょうか?
このように頭痛のみならず、顔が痛い、歯が痛い、口の中が痛い、耳が痛い――様々な顔面の部位の痛みが出てくるという患者様の訴えを私もよく聞くようになってきました。実はここには一つの痛みが起こるメカニズムがあるんです。
頭痛にはたくさんの病気からくるものがある
まずこちらをご覧ください。
皆さん、頭痛というと「片頭痛持ち」という言葉があるようになんでもかんでも片頭痛とか肩こりの頭痛と考えていませんか?頭痛にはたくさんの病気があります。
片頭痛・緊張型頭痛のみならず、三叉神経痛・自律神経痛・後頭神経痛、また顔面痛や舌咽神経痛など様々な病態があります。
なぜ首と目の奥が痛くなるんでしょうか?
実はその首と目の奥の痛み。この2つの痛みをつなげてしまうメカニズムがあるからなんです。後頭神経痛と三叉神経痛が神経の回路でリンクすることによって、頭の後ろから目の奥までが一連の痛みとして起こってしまいます。
後頭神経には3つの神経があります。頭の後ろ(後頭部)から大後頭神経・小後頭神経・大耳介神経という3つの神経があります。
この3つの後頭神経痛は原因不明のこともありますが、時には首周りに起こる強い炎症や腫瘍などのできもの、頚椎の変形、頚椎椎間板ヘルニアなど様々な首の病気からも起こってくるものです。
山田:たまにビリッと痛かったり、まぶしく感じてしまったり、目を避けたいようなことはありますか?
モデル:たまにまぶしく感じたりすることがあります。
山田:それは今申し上げた大後頭神経と顔の三叉神経が、後頭部からちょうど髪の生え際あたりでリンクすることによって、目の周りを司っている神経にまで影響が出てしまうからなんです。この病態を大後頭神経三叉神経症候群(Great Occipital Trigeminal Syndrome)、頭文字を取ってゴッツ(GOTS)と呼びます。
山田:なんかごっつい感じしませんか?
モデル:そうですね。
山田:ごっつい痛みが出るんです。後頭部から目の周りの痛み、まぶしくて見えにくい――かなり不快で強い症状をきたしてしまうことがあります。ゴッツです。覚えてください。
私はゴッツ(GOTS)かもしれないんですけど何科に行けばいいですか?
最も専門としている頭痛専門外来が理想ですが、近くにない場合は脳神経外科・脳神経内科、またはペインクリニックでも診てくれます。診断がつけば、適切な内服薬や注射の治療で比較的短期間によくなる方も多いようです。
ただし、痛みを繰り返す方は、病気以外に生活背景の姿勢や環境の影響が隠れている場合もあります。そこを見逃さないことも重要です。
日常生活の姿勢の見直しをおすすめします
まず家でできることとして見直していただきたいのが、日中の良い姿勢と寝ている時の良い姿勢。つまり、枕や寝台などの睡眠環境です。特に首から頭にかけての症状では、寝るときに使用する枕がとても重要です。
枕を適切に整えて夜間姿勢を良くしていただくと、ちぎれそうに痛かった耳や、目の奥の痛み・まぶしさに悩まされていた症状が改善する方が多くいらっしゃいます。
GOTSがある場合でもインフラとしての姿勢管理がとても重要です。ぜひ、今晩から試してみてください。
ドクター考案の『整形外科枕』による症状の改善
山田朱織枕研究所では整形外科枕という、睡眠姿勢によるさまざまな症状の改善を目的としたオーダーメイド枕を提供しています。整形外科枕は16号整形外科の山田朱織医師監修のもと開発されました。適切な枕で眠ることは、頭痛や目の奥の痛みにも有効です。
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「山田朱織(やまだしゅおり)とは?」
16号整形外科院長/医学博士
㈱山田朱織枕研究所 代表取締役社長・マクラ・エバンジェリスト。
治療の一環として枕を指導する「枕外来」を開設し、睡眠姿勢や枕の研究を行っています。
普段から診察室で患者様にお伝えしていることを、できるだけそのままお伝えしています。
枕外来で改善した患者様の体験談(ケース紹介)
整形外科医の本音シリーズとして、枕外来にいらした大後頭神経三叉神経症候群(GOTS)の患者様の印象的なケースをご紹介します。(個人が特定されないよう配慮しています)
- 診断と症状:脳神経外科でGOTSと診断。後頭部から頭・顔面・目の奥にかけてピリピリ/チリチリする痛みが慢性的に持続。偏頭痛や群発頭痛などとの鑑別が必要な状態。
- 薬物治療の課題:内服薬で副作用が強く、継続が難しかった。
- 枕外来での介入:行ったことは枕の高さ調節のみ。
- 経過:使用開始から約2週間で痛みが軽減。その後の受診でも2か月間再発なし。
もちろん、すべてのGOTSが枕だけで改善するわけではありません。しかし、枕は睡眠姿勢のインフラ。誰でも整える価値があり、専門的治療と併用することでつらさが軽減する可能性があります。
GOTSと診断された方は、まずは体格に合った高さの枕づくりも意識してみてください。
本コラムの内容は動画でも解説しています
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