圧迫骨折して背中が丸くなったら枕、寝る姿勢はどうしたらいいのか解説
16号整形外科院長であり山田朱織枕研究所代表の山田朱織(やまだしゅおり)が解説します。
普段から診察室で患者様にお伝えしていることをできるだけそのままお伝えします。
目次
圧迫骨折とはどのような状態か
皆さん、圧迫骨折という言葉聞いたことがありますか?こちらをご覧ください。
背骨、人間の背中には首・胸・腰、頚椎・胸椎・腰椎と言ってたくさんの骨が連なって背中にあります。
これらの骨、医学的には椎体と言いますが、この椎体がつぶれてしまう、圧迫されて折れてしまう、これを圧迫骨折と言います。
圧迫骨折が起こる原因
圧迫骨折の原因には様々なものがあります。
非常に頻度は少ないですが、例えばがんが転移して骨に飛んでしまって折れるとか、大きな外力交通事故やどこかから落っこちたりとか、
そういう大きな外力で折れるというケガによるものもありますが、実は近年高齢化社会になって年齢が高い方々に骨粗鬆症という病気が起こります。
これは骨の質が悪くなり骨の強度が弱まって簡単に折れてしまうような状態、骨折を起こしやすい状態のことです。
この骨粗鬆症になると大きな外力が加わらなくても例えば軽微な外力、くしゃみをするとか、軽く尻もちをつくとか、転びかけるとか、そんなことでも容易にこの骨がぐちゃっと折れてしまうわけです。
痛みが伴うこともあれば、あまり痛みがなく過ごしてしまうこともあって気づかずに起こることもあるので、テレビで言ういつの間にか骨折というのがまさにこの骨粗鬆症による圧迫骨折です。
圧迫骨折をするとどうなるの?
首・胸・腰とありますが、ちょうどこのブルーの部分の胸椎という胸から黄色い部分の腰椎という部分の境目、胸腰椎移行部というあたりに結構骨折が起こりやすいんです。
このような圧迫骨折は一箇所だけではなくて多くの場所に多発してしまうこともあるんです。
多発圧迫骨折と言って、いくつも折れてしまうと背中が丸くなりますよね。
このように背中が変形して丸くなった状態を円背(えんぱい)、「えん」は1円2円の円、「ぱい」は背中の背と書いて円背(えんぱい)、円背になるわけです。
円背になると身長が縮んでいろいろな生活上の不具合が出るのみならず、起きているときはともかく寝た時にも寝姿勢が悪くなるので、大変苦しかったり色々な睡眠の障害が出てきます。
寝るときの枕はどうすればいいの?
山田:最近、おばあさまが何か困ってらっしゃると聞いたんですけれども、どんなことがあったんですか?
モデル:おばあちゃんが最近圧迫骨折をしてしまって背中が丸くなっちゃったんですね。
それで夜寝るときに困ってるみたいなんですけど、どうしたらいいでしょうか?
山田:寝苦しいとか何か背中が痛いとかですかね?
モデル:はい。
実はこのような円背と言って、背中が丸くなった圧迫骨折の患者様によく聞くお声なんです。
背中が丸くなってくると大変この日中のみならず、夜間も姿勢が悪くなるので睡眠に様々な影響が出ます。
そのような方にとても重要な事は、良い睡眠を取るために良い睡眠姿勢で寝ていただくこと。
この曲がってしまった背骨、これをどのようにして楽な睡眠姿勢に持っていくかというときにとても重要なキーワードがこの枕になるんです。
枕を適切に合わせることで、背中が曲がっていても圧迫骨折をしていても楽に寝返りが打てる、このことがとっても重要なんです。
往々にしてあるのは普通の枕の高さではダメで、圧迫骨折によって背中が丸くなった場合にはより高さが高い枕が必要になってくることが多いんです。
山田:いつもおばあさまはどんな枕で寝ているんですか?
モデル:いつもはこんなふわふわの柔らかい枕で寝ています。
山田:これで寝てるんですか?
モデル:はい。
このように高さが色々違ったり、とにかく柔らかくて頭を置いてしまうとぺっちゃんこになってしまうような枕は絶対にダメです。
背中の丸みが出てきたからこそ、よりしっかりと硬くてそして高さが適切な枕、これを使っていただかないと寝返りが楽にできないんですね。
山田:寝返りはしてるご様子ですかね?
モデル:寝返りは打ちづらいと言ってました。
上向きから横向き、横向きから上向きになるときに一生懸命体に力を入れなければいけないとか痛みを伴う、これでは寝返りがしにくいわけです。
山田:夜中に何度も起きてしまうというようなことは聞いたことがありますか?
モデル:何回も目が覚めるみたいです。
山田:お手洗いに歩いて行くことよく多くないですかね?
モデル:多いですね。
夜中何度もトイレに目が覚めるのは寝苦しいからの可能性もある
夜中に何度も目が覚めてトイレに歩いて行ってしまう。
これは単に高齢者だからなっているのではなく、寝苦しい、寝返りが打ちにくい、それによって容易に目が覚めてしまうので起こる現象でもあるんです。
ですので是非これはやめていただいて、適切に高さの合った平らでしっかり硬めの枕を使っていただくようにお願いします。
これによって寝返りが良くなると高齢者の方、圧迫骨折の方でも睡眠の質が良くなり熟睡できるので、様々な日常生活のレベルが上がったり気持ちもよく過ごすことができると思います。
簡単なことですのでぜひ枕の高さを調節する、これをやってみてください。
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