寝違えない枕と寝違える枕、判断する方法を解説
16号整形外科院長であり山田朱織枕研究所代表の山田朱織(やまだしゅおり)が解説します。
普段から診察室で患者様にお伝えしていることをできるだけそのままお伝えします。
今回は「寝違えない枕と寝違える枕、判断する方法」についてお話をしたいと思います。
目次
寝違えになる枕と寝違えにならない枕がある
世の中には、「寝違えになる枕」と「寝違えにならない枕」があるんです。
整形外科の診察室でよくある患者様とのやり取りを会話形式でご紹介します。
山田:寝違えになったことありますか?
モデル:はい、あります。朝起きたときにもう痛くて首が回らないときがありました。
山田:辛かったでしょうね。
モデル:すごく痛かったです。
山田:何日ぐらいで治りましたか?
モデル:2~3日は続きました。
山田:そんなに長く続いたんですか?ではその間仕事とか家事とか色々困りましたよね。
モデル:仕事中も首が回らないので痛くて困りました。
このような寝違えは決して珍しい病気ではなくポピュラーに起こる症状の一つです。
寝違えを起こらないようにして差し上げたい。それは「枕で寝違えないようにすることができます」というお話をしていきます。
寝違えが起こる首のメカニズム
首は同じ姿勢をずーっとしていると筋肉が緊張することによって血の循環が悪くなります。
阻血(そけつ)といって血の循環がうまく回らないと痛みの物質が滞ってしまって寝違えが起こります。
また激しいスポーツやすごく悪い不良な姿勢をしていることによって筋肉が緊張してこむら返りのような痙攣(けいれん)を起こす。これも寝違えの原因とも言われています。
また最後に首の中には関節といって細かい骨と骨の間に関節があるんですがそこには袋があります。この中に独特な炎症が起こってくる。
ちょっと難しい話ですけれども様々な首のメカニズムによって寝違えが起こるわけです。
寝違えが起こるメカニズム
- 血の循環がうまく回らないと痛みの物質が滞ってしまって寝違えが起こる
- 筋肉が緊張してこむら返りのような痙攣(けいれん)で寝違えが起こる
- 首の関節の袋が独特な炎症が起こることにより寝違えが起こる
寝違えは一度起こってしまうととてもつらい症状です。
何日間も続くこともあるのでこれを起こさない予防こそがとても大事になってきます。
朝から寝違えが起こっているとしたら原因は枕です
朝起きた時に寝違えが起こる、これは主な原因が枕であると考えています。
様々な寝具環境、もちろん枕以外にも掛け物とか敷物やベッドとか寝巻とか色々なものが関係するんですが、寝違えにとって、もっとも大きな悪条件が体に合っていない柔らかい枕なのです。
ふかふかした枕、自分の体に合わない枕こそが寝違えの原因になるんです。
ふかふかした枕 ⇒ 寝違えの原因
多くの患者様が外来にいらして、今朝起きた時から寝違えちゃったということをおっしゃるんですが、これはまさに合わない枕を使っていた結果なんです。
もしこの柔らかい枕で寝た時に首がどうなっているかというと、寝ている間首がグラグラしますよね。
寝返りを打とうとしても首がグラつくことによって、そこにある大事な神経が挟まれて痛みが出てしまいます。
そしてその痛みが続くから首が動かせないということが起こるわけです。
寝違えを起こさないためにはぴったり合った枕が必要
一方で寝違えにならない枕というのは一言で言えば自分の体にぴったり合った枕です。
まずは高さが体格に合っていること。
そして表面が硬くてフラット。
そうすれば寝ている時に寝返りを打ったとしても首に全然負担がかかりません。
上向きで寝ても、横向きで寝ても、寝返りを打っても首が安定している。
つまり神経を挟み込むような悪い条件にならないことが重要なわけです。
寝違えになりやすい枕=柔らかくて高さが容易に変わってしまうような枕
寝違えにならない枕=自分の体格に高さが合っていて硬くて平らな枕
枕が合っているか判断する方法
枕が合っているかの判断、これは実はとっても簡単なんです。
朝起きた時に枕がどんな位置にあるかを見れば一目瞭然です。
もし枕がポーンと飛んでいたり、斜めにズレていたりしたらこの枕は自分の体に合っていないと考えてください。
一方、夜にたくさん寝返りを打っても朝起きた時に、寝た時と同じ位置に枕があればそれは自分の体に合った枕と判断できます。
合っていないと枕がズレるんです。
例えばこのふかふかの合わない枕をしてみるとどうなるか見てみましょう。
首がグラグラしますよね。
実は人間の首というのは真後ろから斜めにした位置というところで首の中の神経が挟まれてしまうんです。
ですのでこんな風に揺れてしまうのは良くないんです。
結局枕の上で頭がグラグラ揺れてしまえば枕はズレていくし、最後には飛んでしまっているということになりかねないわけです。
結果として枕が飛んでいたら、それは夜中に首がグラついて痛い思いをしたんだという風に考えていただければと思います。
寝返りが打てないと寝違いになる
癖でじーっと行儀よく寝てしまうという方もいらっしゃるんですが、中には合わない枕を使っているから身動きできないというパターンもあるんです。
頭が枕にぐーんと沈み込んでしまうと、轍にはまったタイヤのように体の身動きが取れなくなってしまうんです。
体が辛い時にポジションを変えることができなくなり、そのまま朝まで寝てしまって目が覚めて動くと首が痛いということに初めて気づくなんていうこともあるんですね。
寝違えというのは朝起きて気が付く首が動けない痛い状態、これが起こるのは夜中のずーっとつらい姿勢の結果だと考えてください。
寝返りを打たないのはずっと首が辛い状態でいるという一つの重要な原因だと考えています。
今日は寝違えについてメカニズムから対処方法までお教えしてきました。
世の中には2種類の枕があります。
寝違えを起こしやすい体に合わない枕と寝違えが起こりにくい体に合った枕。
寝違えない為にもしっかりと体に合った枕を選んでください。是非今晩からやってみてください。
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山田朱織枕研究所では整形外科枕という、睡眠姿勢によるさまざまな症状の改善を目的としたオーダーメイド枕を提供しています。
整形外科枕は16号整形外科の山田朱織医師監修のもと、開発されました。
寝違えを起こさないためには体に合った枕を使うことが重要です。
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