枕のいい素材・悪い素材を条件から解説
16号整形外科院長であり山田朱織枕研究所代表の山田朱織(やまだしゅおり)が解説します。
普段から診察室で患者様にお伝えしていることをできるだけそのままお伝えします。
「枕の素材は何がいいですか?」という質問をいただきます。
私はこの質問に答える前に、最も大事なことは枕の条件、枕の大切な条件というものをまず理解していただくことが必要だと思っています。
基本的な枕の条件を知れば「どんな素材がいいですか?」という質問は生まれなくなるんです。
なぜならそれらの条件を満たすものであればいろいろな素材のものでもなんでも構わないんですね。
しかしながら、注意をしてほしいのが、市販の枕の中でこれからご紹介する条件を満たす枕はほとんど存在していません。
したがって、患者様、お客様自身でしっかり枕の素材(すなわち条件)を見極める目を持っていただきたいのです。
目次
では基本的な枕の3大条件についてお話します。
枕の3大条件とは?
枕は一人一人使う方の体格に高さがぴったりと合っていること。これが一番重要なことです。まず第一に枕の「高さ」です。
言い換えれば枕の”厚み”です。お布団、マットレスから後頭部までの間に何センチの枕が入るかどうかです。
2番目の条件が枕の「硬さ」です。
一定の硬さがあることで、1番目の条件「高さ」を一晩中担保することができるのです。
寝ている間に、高さが変わってしまうような「硬さ」では良くないわけです。
3番目の条件が「形が平ら」かどうかです。
表面が平らであること。縦や横の凹凸がないこと。1番目の条件「高さ」は上向きでも横向きでも寝返りでも一定の高さが必要であると考えています。
したがって、枕の形状は「平ら」であるべきだと考えています。「平ら」であることから寝返りを阻害せず、首を痛めない睡眠姿勢をとることができるのです。
寝ている間に、形状が変わってしまうような素材では良くないわけです。
枕の3つの条件をまとめます。
・自分の体に合った「高さ」
・高さを維持する「硬さ」
・寝返りのために形が「平ら」
これらの条件を満たせばいろいろな素材を使ってそれを実現することができます。
枕の3大条件を満たした素材とは?
ここで、山田朱織枕研究所の整形外科枕で使用している素材をご紹介します。選ぶ時の参考にしてください。
表面から少し柔らかめのウレタン、もう少し弾性力の強い硬いウレタン、ポリエチレンシート、そしてチップウレタン、またポリエチレンシート。
このようなものを一人一人のユーザー様に合わせていかようにもシートを組み合わせたり、枚数を決めることによって整形外科枕は作られます。
この素材であれば「高さ」はいかようも個人に合わせることができますし、「硬さ」も素材の組み合わせにより担保することが可能です。また、形状は「平ら」です。
枕の3大条件を満たしていない素材とは?
一方、ウレタンと一口に言っても、全層が柔らかい素材だと低反発、高弾性にかかわらず頭が沈み込んでしまうようなものはよくありません。
枕の条件と見比べてください。「高さ」「硬さ」「平ら」どれも条件とは違うことがお分かりになるかと思います。
薄いシート状のものでいくつも組み合わせることによって、他の素材と組み合わせることによって、沈み込まないということが出来ればウレタンでも一部はいいわけです。
自宅にあるものでも条件を満たす枕は作れる
また、手作りで枕を作ることもできます。
硬い裏地のついた玄関マット、毛足の短い少し硬めのタオルケットを準備していただくことでも高さを調節する枕を作ることはできます。
山田朱織枕研究所の整形外科枕もこの手作り枕を16号整形外科の枕外来で患者様に指導している延長で開発した枕なのです。
ですので素材が何がいいかと言う前に、枕の3大条件をよく考えていただいて、それを実現できるような素材を選ぶという考え方をしていただければと思います。
最近流行りの素材はよくないものもある
最近流行りの「チップ素材、小さな粒のようなものが入っている枕を使用していいですかと?」いうご質問も時々いただきますが私の答えは「バツ」です。
なぜなら小さなチップ、例えばプラスチックチップ、ストローチップ、そばがら、あずき様々な小さな粒が入っているものは頭の下に置くとどうなりますか?
重たい頭の乗っかった部分はそのチップ状のものが周りに避けてしまって、自分の頭の部分がへっこんでしまいますよね。
じゃらじゃらっとやるとまたその小さな粒が片側に寄ってきてしまったり、そばがらの枕で寝て起きた時に凹凸ができているという経験、皆さんよくするのではないでしょうか。
要するに寝ている間に容易に小さなチップ素材が寄ってしまって、偏ってしまって首の姿勢が悪くなるようなもの。こういったものは避けていただきたいと思います。
人間は夜中に20回以上の寝返りを打つと平均言われていますが、どんなに動いても形が変わらない、表面の形状が変わらない、これはとても重要な枕の条件です。小さな粒のものはやめてください。
特に患者様には低反発枕はやめていただきたい
また特に使わない方がいい素材の枕は何ですかという質問をいただいたとき、一つだけ選ぶなら私は病院に来る患者様に、低反発の枕はやめてくださいとお伝えしています。
なぜなら、寝るときは気持ちいいなぁ、肌触りがいいなぁと思っても寝てから先が大事。
眠ってからグーッと頭や首が沈み込んでいく。そこから次の寝返りをするときに大きな力を要する。このように夜間、変形してしまうのはよくないと考えます。
首が安定すること、寝返りがスムーズにできるためには適度な硬さの枕が必要です。低反発枕は今晩からやめてください。
まとめます。
・枕の素材の選び方は枕の条件そのもの
・枕の条件とは「高さ」「硬さ」「平ら」という3つがポイント
・枕の条件を満たせば素材は何でもいい
・しかし、世の中に枕の条件を満たす枕はほとんど売っていない。(むしろ満たさない枕ばかりが売られています)
・ウレタンの枕、チップ素材の枕、そばがらの枕は枕の条件に合っていない。
・特に低反発ウレタンの枕はすすめられない。
・「高さ」「硬さ」「平ら」な枕を選んでください。
ドクター考案の『整形外科枕』による症状の改善
山田朱織枕研究所では整形外科枕という、睡眠姿勢によるさまざまな症状の改善を目的としたオーダーメイド枕を提供しています。
整形外科枕は16号整形外科の山田朱織医師監修のもと、開発されました。
高さを適切に合わせて、首の姿勢を悪くしないためには適度な硬さも重要です。
本コラムの内容は動画でもお話しています▼
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