猫背の治し方、矯正の方法|寝ながら背中を伸ばす方法
16号整形外科院長であり山田朱織枕研究所代表の山田朱織(やまだしゅおり)が解説します。
普段から診察室で患者様にお伝えしていることをできるだけそのままお伝えします。
患者様・お客様より頂いた「猫背なんですけれども猫背って治るの?矯正できるの?この枕を使っていれば治りますか?」という質問に回答していきたいと思います。
皆さんからこの猫背についてたくさんの質問いただくのですが、やはり猫背っていうのは美しくない姿勢、見掛け上よくない姿勢という意識を持っている方も多いと思います。
自分の猫背が生まれつきだとか治らないものっていうふうに思っていませんか?エクササイズと寝るときの工夫で猫背は解消できる可能性があります。
猫背とは医学的には背骨が後弯した姿勢のこと
猫背という言葉ですが医学的には「円背(えんぱい)」円みのある背中というふうに書きます。
皆さんイメージしてみてください。
上の方の背中が丸くなって首が頭が前に出てしまって、そして骨盤も前に出てこんな格好になっているといわゆる猫背、姿勢が悪いという風にイメージされると思います。
このような姿勢、背中が背骨が後ろに反ることを後弯と言いますが、後弯した姿勢を円背と呼びます。一般的にいうところの猫背であるわけです。
円背は機能性円背と構築性円背に分類される
円背には2種類あります。
機能性円背(きのうせいえんぱい)
これは単なる不良姿勢。悪い姿勢をとっているからなっているもので、意識をしっかり持っていい姿勢をとろうと思えば良い姿勢に戻れる。
そういった場合を機能性円背と言います。
構築生円背(こうちくせいえんぱい)
構築性という言葉にあるように、例えば骨粗鬆症の患者様などが該当することがあります。
骨が薄くなって潰れてくる病気ですが、背骨が骨粗鬆症で骨折してしまうとだんだん骨が縮んでしまって固まってしまうので伸ばそうと思っても伸びないわけですね。
また結核という感染症の病気がありますが、これで背骨がつぶれる脊椎カリエスや、他のいろいろな病気によって起こってくる背中の丸み円背については簡単には元に戻らないのでこういったものを構築性の円背と呼んでいます。
多くの方は単に姿勢が悪いだけの機能性円背である可能性が高いんです。
日中と夜間、良い姿勢を取り続ければ機能性円背の方は姿勢がまっすぐ良くなります。
構築性円背の場合は治らないの?
構築性の円背の人はいったん猫背・円背になってしまったらもう二度と戻らない、エクササイズも意味がないのかというとそんなことはないんです。
もし、構築性円背の方が努力をしないでいたらどんどん円背が進んで、本当に伸ばそうと思っても全然できなくなってしまいます。
しかし小さな努力を重ねていけば折れてしまった骨は元には戻らなくても、それ以外の軟部組織と言って柔らかい組織に関しては柔軟性が出てくるので良い姿勢を取ることはできるんです。
ですので努力することは決して無駄にはなりません。毎日のエクササイズや姿勢に対する考えはとても重要なんです。
また構築性の円背はひどくなると内臓を圧迫してしまって食べた物が十分消化できないとか、歩くことに支障が出てしまうなど二次的な良くない点が出てきます。
ぜひこの姿勢の管理ということに意識してください。
ですので、機能性円背の方はもちろん、構築性円背の方も以下に紹介するエクササイズ、寝具の見直しをしてみてもらいたいと思っています。
エクササイズは猫背に重要
エクササイズは機能性円背の方にも構築性円背の方にもとても重要なことなんです。
では実際にやってみましょう。
1、まず肩幅程度に足を開いて立ちます
お顔は正面を向いて顎を軽く引きます。目線は約15度ぐらい落ちる感じになります。
2、胸を起こして両肩を横に張るような形になります
3、お腹を引っ込めてさらに胸を張る
お尻の穴をぐっと締めるようにしてください。
これをリズミカルに1.2.3というふうに3秒で行います。
背中がスーッと伸びて楽なポジションが取れるはずです。
もしどうしても背中が丸くなるのが取れないという方は、背中を壁につけてやっていただいても楽にできますので試してみてください。
さらに以下のコラムでもエクササイズをご紹介しております。よろしければご参照ください。
枕で猫背は解消できる
山田:いつもこんな格好で寝ているんですか?
モデル:もう朝起きると枕が飛んでいてエビのように丸くなって寝てます。
このように枕が合わないので飛んでしまう、体から離れてしまう、そして背中はとても猫背になってエビのように丸くなって寝てしまう。
これでは猫背が改善しません。では正しい寝方をやってみましょう。
適切な高さ・硬さのしっかり硬い平らな枕を使ってください。
山田:どうですか?適切な高さの枕と適度な硬さのマットレスを使うと上向きでいくら猫背の方でも背中がスーッと伸びて楽ではないですか?
モデル:そうですね。背中がすごく楽です。胸が開いて呼吸がしやすくなります。
山田:息もしやすいですね。ではこれで寝返りをしてみましょう。手を組んで膝を立てて右左と2回寝返りをお願いします。
このように左右に寝返りを打っても枕が外れることなく、そして枕が飛ぶこともないのでどんな寝返りを打っても真ん中にきた時に同じポジションに戻ることができるわけです。
枕が適切に合ってマットレスの硬さが体に合っていればどんなに寝返りをしても元のところに戻れる。
そして上向きになった時は背中全体が伸びて日中使って疲労して丸くなってきた腰をしっかり伸ばすことが出来るんです。
山田:先ほどのようにエビのようになっている状態とずいぶん違いますよね。
モデル:はい。これだったらぐっすり眠れそうですね。
適切な姿勢で寝ていただくと朝背中がすっきりしています。
日中は体を使いますので前かがみの作業をしたり、物を持ったりと前かがみの姿勢がどうしても日常生活で多いんですね。
でもしっかり寝るときに背中を伸ばして寝ていただくと朝はいったん体がリセットされます。
そして日中にまた動作をする時に前かがみになってしまってはダメなので、そうなったとしても時々エクササイズをすること。
今日行った3秒エクササイズを日常生活の中にぜひ取り入れてみてください。
日中の3秒エクセサイズと寝るときの枕と敷物を体に合わせること。この2つで猫背をぜひ解消しましょう。
ドクター考案の『整形外科枕』による症状の改善
山田朱織枕研究所では整形外科枕という、睡眠姿勢によるさまざまな症状の改善を目的としたオーダーメイド枕を提供しています。
整形外科枕は16号整形外科の山田朱織医師監修のもと、開発されました。
睡眠中の姿勢を良くするためには、枕を適切に合わせることが重要です。
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