膝下枕の開発経緯と自宅で簡単「手作り膝下枕」の作り方
16号整形外科院長であり山田朱織枕研究所代表の山田朱織(やまだしゅおり)が解説します。
普段から診察室で患者様にお伝えしていることをできるだけそのままお伝えします。
今回は整形外科の患者様、特に腰痛の方に楽になっていただくために開発したこの膝下枕について歴史と正しい使い方、そして最後にご自分でもできる手作り方法をお教えしたいと思います。
目次
膝下枕でセミファーラーーラー姿勢をとって腰を楽にする
整形外科には毎日たくさんの腰痛の患者様がいらっしゃいますが、特にぎっくり腰と言って急に腰が痛くなったという場合に、このセミファーラー姿勢というものをとっていただくと腰がとても楽になるんです。
腰痛があっても膝の下に適切な膝下枕を入れると、腰・骨盤・足までがリラックスして腰の緊張が取れるので、腰痛が楽になるというメカニズムです。
このためには適切な硬さ、大きさ(直径)の膝下枕を一人一人の体格に合わせて使用することがとても重要なポイントとなります。
セミファーラー姿勢は頭から上半身、下半身、足の先までこのようにリラックスした姿勢となりますが、このためには適切な高さの頭の下の枕も使用する事も重要な条件となります。
さらに、適度な硬さ腰の沈まない布団もしくはベッドマットレスを使っていただいて、そして骨盤から膝を少し50度から60度ぐらい立てる形、かかとをしっかり床につける形、そして筋肉の緊張をとっていただいてリラックスして上向きに休む姿勢です。
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膝下枕も整形外科医である父が開発した
1972年頃、私の父である整形外科医であった元院長が、自院で自分のクリニックでこの膝下枕手作り版を一人一人の患者様に提供していたんです。
ぎっくり腰になったり、腰が痛い腰痛で来た患者さんにこの作り方をお教えしていたんです。
それを見ていた私は腰痛に対してこんなに手頃に簡単に作れるもので、とても症状が改善するんだということに驚きました。
ある時私自身が腰痛になってしまった時、やはり同じように父が手作りのこの膝下枕を作ってくれて、それで横になるとみるみる腰が楽になったという経験を持っています。
手作り膝下枕はへたってしまうので、商品を開発した
そこで私はこの手作り膝下枕を患者様に教えてきたんですが、どうしてもこれがですね使っているうちにヘタってしまったり、生地がバラけてしまったりということで耐久性があまり良くない、そこで商品化を考えました。
実はある布団屋さんと一緒に長い間この研究を行いまして、なんとか耐久性の良い長く使っても崩れない、そして使い勝手の良い膝下枕が作れないものかということを研究したんです。
ここでポイント。重要なことはこの膝下枕というのは、一人一人の患者様に適切なこの大きさ高さの膝下枕を選んでいただけなければなりません。
そこで山田朱織枕研究所では3つの大きさSS・S・Mの大きさを準備しています。
ご自分の体格に合ったものを選んでいただけるようにお願いいたします。
整形外科の治療の中でも膝下枕を使っている
16号整形外科の外来ではこの膝下枕を適切に治療の中に取り込んでいます。
例えば腰痛で患者様が来た時に処置室のベッドの上に寝ていただいて点滴治療、または注射のブロック注射などを行うとき。
また、リハビリテーションで腰椎牽引と言って腰を引っ張る機械に乗っていただくとき。
こんな時にも足を延ばしたまんま腰が反ったまま治療を行うのではなく、膝下枕を使うことによって適切な腰のリラックス状態を作って治療を行いたいと考えています。
これを使うと使わないとではその治療の後の状態というのが変わってまいります。
そのぐらい影響力が大きいことですので、適切に診療の中でも膝下枕を活用することが重要と考えています。
手作り膝下枕の作り方
モデル:先生手作り膝下枕の作り方教えてください。
山田:そうですね。簡単にご自宅でも作れるのでやってみましょう。
準備していただくものは3つ。
このタオル、バスタオルや少し大判のタオル、もしくはタオルケット。
こういったものを一人一人の体格に合わせて作るので、より体格の大きな方は少し枚数が必要ですし、小柄な方だと3枚と言わず2枚でもいいかもしれません。
数はその体格に合わせて選んでください。
では今日は3枚の素材を使って手作り膝下枕を作ってみましょう。
まず芯になる部分、円筒形の芯になる部分をよりしっかりと硬く巻いていくことが重要です。
このようにバスタオルを小さく小さくしっかりと巻いていただきます。端っこをきちっと合わせることにも注意してください。
このようにしっかりと芯の部分が巻き終わりましたら次に大判のタオルにまた巻き込んでいきます。
またさらに大きな径のタオルが巻けました。
最後に大判のタオルケット、これを巻いていきましょう。
こんな形ですね。絶対に緩みがないようにしっかりと端を合わせて作ってください。
どうしても反対側が中が抜けてしまう部分があるのでこのしっかりした部分を使うように心がけてください。
最後にこれをガムテープで3カ所4カ所きっちりと巻いていただいて、バラけないように固定をしてください、
今日は膝下枕についてその歴史と重要性、そして簡単に作れる手作りの膝下枕もお教えしました。
腰痛の方、ぎっくり腰になってしまった場合、是非この作り方をもう一度見直してみて試してみてください。
膝下枕を使って腰・骨盤・足までがリラックスして
腰の緊張を取りましょう
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