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めまいの改善には適切な枕が重要|枕で改善するめまいを紹介

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普段から診察室で患者様にお伝えしていることをできるだけそのままお伝えします。

目次



整形外科医が診る「めまい」とは?

今回は整形外科医が考えるめまいの原因と正しい睡眠姿勢でこのめまいを改善しましょうというお話です。

なぜ、あえて整形外科医が考えると申しますと、一般的には「めまい」というのは耳鼻科の先生が専門的に見ている領域と考えられています。

もう少し広く言うと、耳鼻、耳鼻咽喉科、神経内科、脳神経外科、または一般的な内科などです。

中々めまいがあるから整形外科に行こうとは皆さん思わないと思うんですね。

一般的にめまいは耳鼻科、耳鼻咽喉科、神経内科、脳神経外科または内科の領域

しかし、「めまい」の中にも整形外科医が見るべき「めまい」があります。それが「頚性(けいせい)めまい」=「首のめまい」なんです。

めまいの分類とは?

まずは、めまいの分類からお話したいと思います。

めまいには中枢性のめまいと末梢性のめまいがあります。

中枢性という言葉あまり聞き慣れないかもしれませんが脳脊髄といってこの脳に起こるめまいのことです。

例えば脳をケガする交通事故で頭部外傷、頭をぶつけて頭に何か出血が起こったり、ケガをして脳振とうが起こったり、こんな怪我の後にめまいが残るということもありますし、脳梗塞や脳出血といった病気でもめまいが起こります。

確かに頻度は少ないんですけれどもとても重篤です。

一緒に吐き気、頭痛、手がしびれる、クラクラすると同時に倒れそうになる、実際に吐いてしまう、ろれつが回らない 食べ物がこぼれる、このような症状も出るようだったらそれは決して放っておくことのできない重篤なめまいですから、急いで脳神経外科や神経内科に受診することをお勧めします。

めまいの分類として中枢性脳梗塞、脳出血などがある

もう一つの末梢性めまい。こちらは代表的なもので末梢性めまいの40%とも言われるのが良性発作性頭位めまい症。これは耳石が動くことによって回転するような「めまい」が出る。

このような「めまい」が大半ですが、後はメニエール病やめまいを伴う突発性難聴といった病気もあります。

それ以外にも薬剤性めまい。薬によっては副作用としてめまいが出るもの。

心因性めまい、心の症状病気としてめまいが出るものもあります。分類についてお分かりいただけたでしょうか。

めまいの分類として末梢性、薬剤性、心因性などがある

「頚性めまい」は首が原因で起こるめまいのこと

私は整形外科医ですので「頚性めまい」についてお話をしたいと思います。

「頚性めまい」は首が原因で起こるめまいのことです。

日本めまい平衡医学会の定義では、首に原因があって首の神経や回転によって誘発される平衡感覚の異常、これを「頚性めまい」と呼ぶそうです。

頚性めまいはいわゆる回転性のめまい、くるくる回るような回転性のめまいではなく、ふわーっと浮く感じ、自分が浮く感じや周りが浮く感じ、浮遊感、不動感があるめまいと言われています。

どうしても整形外科にめまいでかかる患者さんは少ないですし、一方で整形外科医自身もめまいを訴えてきた患者さんに対して問診としてお話を聞いたり、診断をして治療するということは日本ではなかなか少ないと考えられています。

高橋脳外科皮フ科医院の高橋先生。この頚性めまいの研究をされている先生ですが、先生によればその診療所にいらした患者さんのなんと89%にこの頚性めまいが見られたという論文が出ています。

そのぐらい頚性めまいとは実は頻度が高いめまいなんです。しかし、なかなか整形外科を受診することが少ないわけですね。

整形外科医が診るのは頚性めまい頻度は高い

頚性めまいが起こりやすい患者様とは?

高橋先生はこの頚性めまいの患者さんには特徴があって、これからご紹介するような生活をしている方に頚性めまいが起こりやすいと言われています。

それはどんなことがというと、若い人と比較的高齢の方を分けて考えるんですが、若い方ではパソコンを前かがみで長時間行ってしまう、いわゆる不良姿勢の方です。

頚性めまいが起こりやすい前かがみでのパソコン作業

それからスマートフォン。前かがみで長時間ゲームやメールLineなど一生懸命になってあっという間に時間を忘れてやってしまいますよね。

あとは日々の仕事。これもどうしてもうつむきでやる事務作業であったりパソコンに向かう仕事が多いわけです。

ロ頚性めまいが起こりやすい前かがみでのスマートフォン操作

一方、中高齢になってくるとたまの休みにガーデニングをするとか、庭仕事をするとか、日々の台所でのキッチンでの作業、また掃除など以外とこのうつむき姿勢というのは多いですよね。

体が軸から外れて悪い姿勢になってしまう。一生懸命根詰めて前かがみで作業してしまう。

頚性めまいが起こりやすい前かがみでの料理、掃除、家事

こういうことが長時間続くとフワフワとした頚性めまいが起こってきます。

頚性めまいが起こる原因に、合わない枕を使っている

また、別の医師で脳脊髄センター所長の近藤先生もこの頚性めまいが起こる原因の一つに、高さの合わない枕を使っているケースがあると指摘しています。

私も多くの患者様を外来で、この頚性めまいを訴えてきた場合に高さを適切に合わせる方法を指導して改善した例をたくさん見てまいりました。

それらの患者様の多くは、「ふわふわとした柔らかい枕」を選んでしまっている結果、高さの合わない枕を使っているケースが多いのです。

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患者様と私との外来でのやり取りの例

患者様と私との外来でのやり取りの例をご紹介します。

山田:なぜこういった(ふわふわとした柔らかい)枕を使用しているんですか?

モデル:感触が気持ちよくてついつい選んてしまいます。

山田:感触が気持ちいいので選んでしまうんですね。枕の高さは気にしていますか?

モデル:枕の高さは意識したことないです。

山田:一人一人の体は体格違うじゃないですか。でも、あまり枕の高さは気にせずに感触、柔らかさ、肌触りを気にしてしまうという事ですか?

モデル:気持ちいい枕かどうかを優先して選んでしまいます。

山田:これがバツなんです。もしかしてふわふわした「めまい」ありませんか?

モデル:たまに「めまい」はあります。ふわふわした感じがします。それに肩こりとか肩甲骨あたりも痛くなったりします。

山田:首こり、肩こりや、「めまい」が同時に起こってしまうこともあるということですね。

モデル:はい。

柔らかい感触の枕を選んではいけません

柔らかい枕では頭がグラグラ揺れて頚性めまいが起こる

私は柔らかい枕を選んでしまっている患者様に枕の高さを調節し頭がグラグラしない硬さの枕にするということを教えしたいんです。

枕の高さを合わせる時に重要なことは上向きでも横向きでも、両方の姿勢にぴったり合う枕の高さを一つ決めていただくことです。

横向きでも上向きでも高さが合っていると非常に寝返りがしやすくなります。そして、寝返りをするときに頭がぐらぐらグラグラ揺れることがありません。

しっかり高さが合って硬い枕を使っていただきたいと思います。

寝ているときに頭がぐらぐらグラグラ 横を向こうとすると枕が沈んだり動いてしまう。そのようなことが起こると、朝起きた時からふわふわする、頚性めまいが起こってしまう可能性が高いんです。

詳しく解説

頚椎安定・不安定? 頚椎が安定する枕の重要性をご説明します

枕の高さを合わせて頭がぐらつかずに安定しているかが大事

ぜひ今晩からしっかり硬くて高さの合った自分の体に合う枕を使ってみてください。


ドクター考案の『整形外科枕』による症状の改善

山田朱織枕研究所では整形外科枕という、睡眠姿勢によるさまざまな症状の改善を目的としたオーダーメイド枕を提供しています。

整形外科枕は16号整形外科の山田朱織医師監修のもと、開発されました。

枕の高さを合わせる時に重要なことは上向きでも横向きでも、両方の姿勢にぴったり合う枕の高さを一つ決めていただくことです。

詳しく紹介

オーダーメイド枕の整形外科枕

本コラムの内容は動画内でもお話しています▼


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