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眠りとアロマの専門医、山田朱織のぐっすり!快眠塾第2回

2005.6月号 第2回「枕の高さを体に合わせれば、寝ている間に疲れが取れます」

 好評!眠りとアロマの専門医がおくる日経ヘルスの「ぐっすり快眠塾」
 いよいよ6月号は、山田の得意中の得意、枕セラピーです。新年度が始まり1ヶ月、新学期の始まった学生さん、新環境でもまれる新入社員の皆さん、疲労はたまっていませんか?心も体もぐったり、ほうほうのていでやっと自宅にたどりつき、布団に(ベッドに)もぐりこむ。そんな方はいませんか?それでは折角6、7時間“寝て”も、“眠った”ことにはなりません。いかに短時間でも、質のよい眠りを獲得するか、それが今月のテーマです。

「21世紀は快眠時代!」といわれますが、では一体「快眠」とは何でしょうか?快眠グッズにかこまれた寝室は、本当に気持ちよい眠りに誘ってくれるでしょうか。

山田流快眠とは、とりもなおさず、体と心が喜ぶ睡眠です。もっと究極の定義は「背骨が喜ぶ」睡眠です!背骨が喜ぶってどういうこと?と疑問に思うかもしれません。脊椎動物である人間が、背骨とその中にある脊髄神経を休められるのは、体を横たえた状態、つまり睡眠中なのです。起きているときは、立っていても座っていても首(頚椎)にも、胸(胸椎)にも、腰(腰椎)にもすべて縦軸方向に体重、重力の負荷がかかっているのです。寝る姿勢こそが、背骨に負担をかけない唯一の姿勢なのです。

背骨を休めるとは、じっとして動かないことではありません。コロコロと抵抗なく、深い眠りのまま、寝返りを充分打つことなのです。患者様やお客様のなかには「私はお行儀よく、寝返りは打ちません」「いつも右下に横向きで寝て、朝起きても同じ格好です、だから寝返りはほとんど打っていないと思いますよ」という方がいらっしゃいます。

大きな誤認です!私はすかさず、「打たないのではなく、打てないのです。多くの場合、それは寝具敷物と枕が原因ですよ。」と話します。寝返りを打たない人間はいません。本当に寝返りを打たないならば、背中に床ずれができたり、腰痛や体の節々のこわばりや痛みを生じます。人間は一晩に、大きな寝返り、小さな寝返りを含めてだいたい20~30回は寝返りを打ちます。もちろん、寝返りするたびに体のどこかが痛くて目が覚めたり、体を持ち上げながらドスンドスンする寝返りでは熟睡が妨げられてしまいます。

そこで熟睡を促す寝返りとは?枕と敷物(ベッドや布団)の条件をそろえましょう。枕については、本誌にあるイラストを参考にして、横向きと上向きを合わせてください。両方がジャストに合うと、コロコロと楽しいくらい寝返りが打てますよ。

次に敷物です。敷物は硬すぎても柔らかすぎても良くありません。その人の体重や筋力にあった適切な硬さがあると寝返りが打ちやすいのです。下の図を見てください。標準体型なら、頭、肩、腰に約1:3:4の日になるぐらいの圧がかかります。重たい腰が圧が高いのは当然です。この圧を適当に分散できること、と同時にその圧を支えられる体圧保持性のある素材を選ばなくてはなりません。


硬すぎず、柔らかすぎず、自分の体重と筋力に合った適切な敷物を選びましょう。適切な敷物に置いてこそ、枕は威力を発揮します。枕と敷物が両方適合した時、ころころと寝返りの打てる睡眠環境が出来上がります。寝返りを無意識に楽にうてるとき、熟睡がもたらされるでしょう。

最後に、ちょっと余談です。寝具は各種和式の布団でも洋式ベッドマットでもこれまで述べた条件がそろえばよいと思います。しかし! 整形外科医としてはベッドをおすすめしたいのです。その理由は、1)床からの高さがあること、2)起きて直ぐに布団の上げ下ろしをしなくて良いこと。の2点に尽きます。

1)は、起き上がるときに膝から下がストンとベッドサイドに垂れれば、すぐに足をついて立ち上がることが可能です。床から起き上がるには、腰、股関節、膝、足首の負担が大きいのです。

2)は、ご存知ですか?起きてすぐの布団の上げ下ろしでギックリ腰を起こす人が多いのです。ギックリとまでいかなくても、腰が重い、腰痛でそう、、、なんて感じたことがある人はけっこういらっしゃるのでは?
年齢ともに、生活様式を洋式スタイルに変えるのが理想です。椅子&テーブル、ベッド、洋式トイレ、からだに優しい環境作りを。

文:山田朱織枕研究所 山田朱織



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