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眠りとアロマの専門医、山田朱織のぐっすり!快眠塾第1回

2005.5月号 第1回「元気がでる正しい仮眠法」

 眠りとアロマの専門医がおくる「ぐっすり快眠塾」が日経ヘルスの5月号から、新連載スタートです。私山田はこの連載を誰よりも(?)楽しみにしていました。なぜって?だって、3度の食事より大好きな枕や睡眠、アロマの話を読者の皆様とできるのですから!これまでいわれてきたのとは一味違う“快眠法”逆に“こんな眠りはご注意”を伝授します。是非楽しみにしていてください。

日経ヘルス連載の読者の皆様、紙面では紹介しきれなかったこぼれ話しもアップしますのであわせて読んで下さい。5月スタート号は、春眠暁を覚えずの春一番にピッタリの話題、「頭スッキリ 仕事もはかどる居眠りにも正しい方法があります」


実はこれ山田のホットな体験談に基づく実話なのです!はるうらら(というには異常気象で暖かい日、寒い日コロコロ変わりますが、、、)なんとも眠いのですが、絶対に眠ちゃいけないのが自分の腕の上!!なのです。

去る3月1日午前2:00、いつもの通り枕相談のメールに返信を打っていると突然の眠気が襲ってきました。「ちょっとだけ仮眠しよう、、」15分眠るつもりが、ハッ、目が覚めると4:00過ぎなのです。それよりなにより、ダラ~ン、自分の頭の下に敷いていた左手が動かないのです。おいっ、こらっ、話しかけても、右手で叩いても、左手首は動かず指は伸びないのです。これってもしかして橈骨神経麻痺(とうこつしんけいまひ)!いつも整形外科外来で診察している患者様の病気が、今、自分の身の上に起こったのです。それにしてもいとも簡単に麻痺とは完成するものである。たった2時間、あんなに気持ちよく眠っている間に。晴天の霹靂と嘆こうが、もう戻らない。それから1ヶ月、依然として私の左手は動きませんでした。

ここで豆知識 注)橈骨神経麻痺とは??
橈骨神経とは二の腕の外側を走る太い神経ですが、筋肉の間を通るところで容易に外部から押されて圧迫を受け、神経が機能しなくなるのです。この神経は腕の外側から手の甲の感覚をつかさどることと、手首を持ち上げたり、指を伸ばすという運動機能を持つものです。つまり麻痺になれば、それらができなくなるのです。手首が持ち上がらないことがこんなに不自由とは予想しませんでした。

パソコンのキーを打てないばかりではなく、トイレで自分のズボンが持ち上げられない、髪にドライヤーがかけられない(右手でくし、左手でドライヤーですから)、本当に不便なものです。

治療は、まず麻痺が起きたら早急に薬の治療を開始します。ステロイドというやや強めの炎症止めと、神経を回復させるビタミンB12です。リハビリテーションも開始します。低周波治療により橈骨神経のつかさどる筋肉に刺激を与え、回復を促します。そして麻痺が続くと予想される1ヶ月半から2ヶ月の間、このダラ~ンとした手では何もできませんので、使い勝手を良くするために装具というものを作成します。自分の腕の型をとり作成するプラスティック製の“あてもの”です。朝起きてから寝るまで、これを装着するのです。やっと自分の左手を使うことができるようになりました。

橈骨神経麻痺の原因は自分の頭をささえるうたたねばかりではありません。別名サタデーナイトパルシー、ハネムーンパルーシーとも呼ばれ、土曜の夜や、新婚旅行の夜に、男性が愛する女性に腕枕をして寝た日の朝、同じ現象が起こるのです。ちなみに腕の骨折でも同じ麻痺が起こります。

さて、本文にもどりましょう。勤務している方も、自宅にいる主婦の方も、昼食後~14:00ごろまでに15分程度の仮眠を取るのは、その後の作業効率を高める上でも有効です。

但し!寝方がポイントなのです。是非日経ヘルスのイラスト(朝倉めぐみ氏作)を参考に、ご自分のうたたね最適姿勢を試してみてください。くれぐれも、自分の腕だけは枕にしないでくださいね!



毎月ひとつづつ、アロマセラピーの代表精油をご紹介します。5月は真正ラベンダーです。真正ラベンダーはアロマセラピーの中で、最も知名度の高いものでしょう。自宅の冷蔵庫に一本!必需品の万能オイルなのです。その使い方を是非マスターしましょう。

ラベンダーとひとくちにいっても、何十種類もの精油があるのです。抗菌力の強いもの、鎮静効果やリラックス効果に優れるもの、炎症をおさえるもの、つまり掻痒、火傷に使用するものなど、使用目的にあわせ選択が必要です。

今回、誌面に登場したのは、真正ラベンダー(植物学名:ラベンダーアングスティフォリアという精油です。ぐっすり眠りたい、心が不安で眠れない、そんなときお試しください。



Q1.なぜ、真正ラベンダーでぐっすり眠れるの?
それは主成分の効果です。真正ラベンダーの主成分は、鎮静・鎮痛作用のあるエステル類と、鎮静作用のあるリナロールです。リラックス効果を期待するなら各成分が30%以上含有されているアロマオイルを選びましょう。

Q2.香りはどうやって心と体に効くの?
アロマセラピーの効果発現には、2つの経路が考えられます。ひとつは鼻から吸入した芳香成分が脳にダイレクトに作用し、「リラックス、リラックス」「ぐっすり眠れますよ」と心に働きかけます。もうひとつが、吸い込んだ芳香成分が、肺から血液に溶けて薬のように身体に作用する経路です。

Q3.どうやって使用すると良いですか?
超具体的な方法をお示ししましょう。例えば、6畳の寝室ならばドアを閉めて閉鎖空間にしてください。お布団やベッドに入る30分前になったら、芳香浴用の電気ポット(1)か陶器のディフューザー(2)に真正ラベンダーを6滴ぐらい滴下します。寝室に入るころには、芳香が広がっています。



Q4.眠れるのは良いけれど、睡眠薬のように朝どろどろと眠いような副作用はないですか?
アロマセラピーの不思議なところですが、体に適度に効くようです。患者様から頂く声は、「ぐっすり眠りが深くなったけれど、朝眠くてしょうがないなどということはないです、すっきり起きれます。」

Q5.小さな子供(ベビー)がいます。同じ部屋で寝ていますが、真性ラベンダーを使用してよいですか?
真正ラベンダーは海外では赤ちゃんの新生児室などでも使用している精油です。良質な精油であれば安全性は高いと思われますが、成分表による成分の確認は必要でしょう。農薬や危険な成分が混入していることもあります。もちろん、ベビーや小児の手の届くところには精油のビンなど置かないでください。

今月は、アロマセラピーの代表精油である真正ラベンダーをご紹介しました。

文:山田朱織枕研究所 山田朱織



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