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肩こりの改善には枕の見直しが必要です

16号整形外科院長であり山田朱織枕研究所代表の山田朱織(やまだしゅおり)が解説します。

山田朱織医師がストレートネックの患者様を診察をしている様子

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目次

肩こりってそもそもなんなの?


肩こりとは症候名のひとつです。
首から背中の上部、肩や上腕に関わる筋肉の鈍い痛みや圧迫感、違和感、不快感をひとくくりにして肩こりといいます。頭痛、吐き気を伴うこともあります。
肩こり改善のために、鍵を握っているのは実は肩ではありません。
どうしても痛みやこりの部位に目を向けがちですが、原因は違う部位です。
それが、「首」。「それも首の姿勢」なのです。

一般的な肩こりの治療方法

肩こりの原因には、頸椎が原因のもの以外に筋肉、神経、血管などがありますが、どんな原因であれ、薬物療法が一般的な治療法です。薬物療法には、のみ薬、外用薬、注射薬の3タイプがあります。
肩こりの治療で使用するのみ薬には、炎症を抑えて痛みを軽減させる消炎鎮痛薬、筋肉の緊張を緩めて血流を改善する筋弛緩薬、筋肉の疲労をやわらげ神経機能の回復を促すビタミン剤、痛みの軽減効果がある漢方薬などがあります。 外用薬には、消炎鎮痛薬を配合した湿布やローション、ゲル、スプレーなどがあります。湿布は手軽で効果が長続きする反面、皮膚のかぶれや、湿疹が出る場合があります。
注射は、筋肉へ注射するタイプと神経へ注射するタイプがあります。

一般的な肩こりの治療方法に足りないもの



ちなみに、“肩こり”という言葉は、すこし問題があります。肩こりは、肩の関節がこるのではなく、首の神経の症状として首~肩~肩甲骨周囲の筋肉の緊張や痛みが起こる状態で、本来は“首こり”と呼ぶのがふさわしいのです。
首と肩、場所が近いだけにとかく混同して取り扱われがちですが、病気についてはきちんと分けて考えなければ、治療がスムーズに進みません。
朝起きた時から肩こりがあるというのはおかしな事です。本来身体を休めるはずの睡眠時に首を痛みつけてはいないでしょうか?夜間6時間~8時間首を痛みつけ続けていたら、日中いくら一般的な治療をしたり、運動をしたりしても、改善できるわけがありません。
対策の一つは、寝ているときの枕を正しくすることなのです。

枕で肩こりを解決できる可能性があります


目が覚めた時いつも頭が枕から落ちている、気が付いたら枕が離れたところにある。
そんな人は赤信号です。
それは、「自分に合わない枕だよ」というからだからのサインなのです。
それを放っておけば、肩こりを引き起こすことがあります。要注意です。
枕は一日中重い頭を支えた首を休ませてくれるものです。正しい枕は夜間の首の安静を保ち、肩こり改善に効果を発揮します。
首の疲れをとる”治療道具の一つ”と言えます。ところが首に合わずに、さまざまな、トラブルを引き起こしたり、症状を悪化させたりする、ケースも少なくありません。
あなたの枕は合っていますか?

肩こりは枕の高さが関係しています

一人一人の体格が異なるように適する枕の高さも一人一人異なります。
市販の枕を買ってきて、体に合っていない枕を使うということはとても危険があると思ってください。
ではどうするかというと、自分の体に合った高さのオーダーメイドの枕を購入するか、自分で自作するということが必要になってきます。その高さについては実はたった5mmの差で体に合うかどうかが決まってくるぐらいとても繊細なものなんです。

首の姿勢が悪いと肩こりが起こる、朝起こっている場合は枕が原因

肩こりは色々な原因で起こりますが一番多いのは首の姿勢が悪いことです。
症状が昼間や夕方疲れてきて起こるのか朝起こるのかですが、朝起きた時が最も症状が辛いとすれば首姿勢が悪くなっている原因は枕かもしれません。
自分の体格に合わない枕を使ってしまうと首が不良姿勢になってしまって肩こりが起こるんです。

自分の体格に合わない枕を使ってしまうと首が不良姿勢になってしまって肩こりが起こる

約7割の方が枕で治療して肩こりが解消しています

枕で治る肩こりの方はたくさんいます。 私は枕が肩こりの最も有効な治療法の一つだと考えています。
私は2002年から枕外来を開設し、長きにわたって多くの患者様を枕で治療してきました。

そのカルテの中にある様々なデータを解析してみると約7割の方が枕で治療して肩こりが解消しているんです。この大きなデータが一つ証明をしていると言えます。

一方で難治度、重症度という観点から見ても、例えば30年間肩こりで様々な治療したけれども治らない。このような方でも当院で枕を使って治療を行うと、その長年の肩こりが改善する例が決して少なくはないのです。

詳しく解説

約7割の方が枕で治療して肩こりが解消しています

肩こりの原因と分類

肩こりの原因分類、大きく分けて3つの分類ができます。

本態性肩こり

過労、運動不足、寒い暑い、温冷の格差、寝不足、姿勢などさまざまあります。

症候性肩こり

症候というのは、病気や症状という意味です。
例えば整形外科で言うところの首の病気、変形性頚椎症、頚椎椎間板ヘルニア、または肩が四十肩、五十肩、肩関節周囲炎、腱板断裂。
意外にも整形外科の病気だけではなくて、実は内科や耳鼻科、眼科、そんな別の科の病気もこの症候性肩こりに入ってきます。 例えば高血圧、心臓病、脳梗塞、また視力が悪くなるような様々な目の病気、突発性難聴や耳の病気、それらのいろいろな病気でも肩こりが起こってくるんです。これらを症候性肩こりと読みます。

心因性肩こり

心身症やうつ病、またちょっとした心のうつ症状というのも心的に肩が凝るという肩こりの原因になってくるんです。
詳しく解説

肩こりの原因と分類

「肩こり」という言葉はいつ頃できたのか

肩こりという言葉が日本ではいつ頃できたかご存知でしょうか。
実は1900年頃にはすでにこの肩こりという概念が存在していたようです。
樋口一葉肩がこるとか、夏目漱石も自分の著書の中に「首から肩の辺りが石のようにこる」という表現を使っているようにその頃から日本人はどうも肩こりを感じていたようなんです。
そんなに日本人は昔から肩こりだったんですね。

肩こりって日本人独特の症状なの?

実はこの「肩こり」という表現は日本特有のものなんです。けれどもそれに近いような感じ方・概念は諸々西洋を問わずあるんです。

英語では肩や首の痛み・こり感・疲労感を感じた時、それぞれ様々表現方法がありますが、日本人はひとまとめにして「肩こり」と呼んでいるようです。

肩こりという言葉は肩のみならず、頭・首・肩・背中・腕までの広い範囲を司っている神経や筋肉によって起こってくるんです。
ですので肩こりと言っても肩だけの問題とは思わないでください。

詳しく解説

肩が凝ってるかわかる方法

肩こりはどうしたら治るんでしょうか?

まずあなたの肩こりが先ほど説明した本態性の肩こり、症候性の肩こり、心因性の肩こり、これの原因がどこにあるかということを見極めることが大事です。
本態性の肩こりであれば冷え対策・適度なエクササイズ・良い姿勢、こういったことに気を付ければ治るはずです。
でもそれを一定期間しっかりやったにもかかわらずよくならないとすれば、何らかの病気が背後に潜んでいるかもしれません。
例えば最近どうも血圧が高いなとか、動悸がするなとか、アレルギー症状が酷いな、こんなことがあれば適切に専門の科を受診してください。
根本的な病気を治すことで肩こりもとれるはずです。
また精神的なストレス。仕事や友達のこと職場環境いろいろなことでもし悩みがあるとすればそれも肩がこってしまう原因になるので、精神的なストレスをうまく解消することも肩こりを改善する良い方法です。

日中と夜間、両方ともまず姿勢を良くすることから始めてみてください。
夜間の姿勢は、枕を見直すことがおすすめです。

肩こり改善の例


お客様の声「まさか枕が?」・・・・肩こりの原因が枕だと思っていませんでした。
肩こりがひどく、頭痛がでることもありました。しかしオーダーメイド枕を使ってみて驚きました。肩のこりはふと気が付いたときにはスッと治っていました。朝起きた時に体も頭もすっきりしているので、モチベーションもあがります。「たかが枕」とお思いの方もいると思いますが、「たかが枕」で人生の3分の1を快適に過ごせると思うと、「たかが枕、されど枕」ではないでしょうか。
正しい枕を使用する前と後で症状がどう変わったかを、16号整形外科を受診して、至適枕を使用して経過観察した410例(男195女215例)、14~93歳平均50.5歳の患者様を対象に調査しました。

410例のうち、110名が肩こりを訴えていました。その方々に正しい枕を指導したところ、78名の方が肩こりが改善したと回答していだいております。その率は約71%の改善率を示しました。

詳しく紹介

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