コラム詳細

「好み」で枕を選んでいませんか

一か月に二個は枕を購入するという、自称「枕中毒」の患者さんがぽつりとおっしゃいました。

「枕の合う、合わないは、素材じゃないのかもしれない。これだけとっかえひっかえ試してみても、ほんとうに合うものは見つからないんですからねぇ」

もう一歩です!この枕中毒さんは、長い試行錯誤の末、もう一歩のところまでたどり着きました。ぐっすり眠るために重要なのは枕の素材ではない、自分の買い替え戦略には根本的な間違いがあると気づかれたのですから。

枕中毒さんだけではありません。じつを言えば、多くの枕放浪者たちが、素材よりも大事な要素があることに気づいています。オーダーメイド枕を注文された方々に「枕の条件として重要なものは何でしょう」と質問してみたところ、もっとも多かった答えは「高さ」(88.4%)、二位が「硬さ」(66.8%)、次いで「寝返りのしやすさ」(45.1%)、「材質」(36%)、「肌ざわり」(27.3%)となりました(以上、複数回答)。

すばらしいではありませんか。みなさん、枕選びに関してはさすがに問題意識が高く、要点をしっかり把握していらっしゃいます。しかし、もう少し突っ込んでお聞きすると、たいへん気になる問題が浮かび上がってきました。

「私は昔から高めの枕が好きなんですよ」

「枕はやっぱり硬いほうがいいですねえ。旅先のホテルなどで枕があんまりふわふわだと、どうも気持ちが悪くて・・・・・」

あれあれ、またもや好みが先行していませんか?

もちろん好みを主張することも大切です。枕の高さと硬さの好みも人それぞれであり、無視することはできません。ただし、重視しすぎてもいけないのです。「高めが好き」とか「低めが好き」と言う程度ならいいのですが、これがエスカレートして「高い枕ではないと眠れない」となってしまうと困りもの。そうしたこだわりこそが枕不眠の元凶となっていることも考えられるからです。

患者さんの中には「私はいつもうつ伏せで寝るので、枕は低くしてください」と言い切る方もいらっしゃいます。そんなとき、私ははっきりと申し上げることにしています。

「そう思い込んでいらっしゃるだけですよ」

誰だって、ひと晩に何度も寝返りを打つもの。朝までずっとうつ伏せで眠ることなどありえません。整形外科医の立場から言わせていただければ、そもそもうつ伏せ状態は寝姿勢としてきわめて不自然な状態。本来なら、上向きや横向きで寝るほうがずっと脊椎に負担が少ないのです。

それなのに、どうしてうつ伏せ寝になってしまうのでしょうか。そこが問題です。ほんとうは、枕が合わないため、上向きや横向きで寝るのはつらいので、しかたなくうつ伏せ寝と半うつ伏せ寝、そして枕なし状態。これからは本来、そのような体位でなければ眠れないため、やむなく選んだ寝姿勢に過ぎないのに、それを自分の好みや癖だと思い込んでいる人が案外、多いのです。

その証拠に、うつ伏せ寝が長い習慣になっていた人でも、枕を適切な高さに調節すると、すぐに上向きと横向きの範囲内で眠るようになります。枕が頭から外れて枕なし状態になることもありません。

出典(枕革命ひと晩で体が変わる、山田朱織、講談社)


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